…日常は簡単に終わってしまうのです
この物語は、普通の高校生のごく普通の日常を描いていくだけのものです。
春休みが終わり、今日からオレ岡田健人は高校2年生になった。そして今年も、ごく普通の日々を送っていく、この時はまだそう思っていた。
「ねぇ健人っ。今年はおんなじクラスになれるといいね。」
こいつは山中由里、小学からの友達だ。
「健人、どうしたの? ぼーっとしちゃって。」
「眠くて。」
オレはゲームが大好きで、気付いたら朝になっていた。
「にゃっ。」
由里が、猫みたいな声を出して転んだ。転ぶなんて小学生じゃないんだから。オレは、由里に手を差し出した。
「ありがとっ。」
由里が立ち上がった時、由里の指が光を放った。光がなくなると由里の右手の人差し指にハートがついた指輪がついていた。
「何よこれ。」
由里が外そうとすると、強い光を放って何も見えなくなった。そしてオレたちは光に吸い込まれ、花畑に落下した。
「なんなのよ、ここどこなのよ。」
「…どこからでたのですか。」
ツインテールの、可愛らしい少女がいた。
「…あの、その指輪。」
「ん? あっこれはね、いつのまにか私の指についてて、とれないのよ。これなんだか分かるの?」
「…あなた方が世界を救う勇者さんなのですね。」
勇者? 何が何だか分からない。ここはどこ? 学校は?
「何の話よ!」
「オレも分かんねぇよ!」
「…とりあえず2人とも、城まで来てほしいのです。」