表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/2

プロローグ

 ──サイラ。


 呼ぶ声が、聞こえた。

 男のものか女のものかもはっきりしない、波紋のように広がる声。

 いつしか最良の精神は濃青色の水中に沈んでいた。


(俺を呼ぶのは……誰だ?)


 夢が夢で無くなったのは、いつからだろう。

 最良には物心ついたときから、人とは違う特別な力があった。

 夢の中で意識を保ち、自由に行動する能力──夢を操る力だ。

 幼少時に芽生えたチカラは成長と共に少しずつ磨かれ、形を整えられていった。

 最良にとっては今や、夢は現実よりも居心地の良い場所となっていた。


 ──サイラ。


 ぬるい水中を下へ下へと堕ちていく。底は見えない。

 時折、夢をコントロールできない日も存在した。

 そんな日は決まって謎の声に呼ばれ続ける。この夢を見る。


(なあ……あんたは……)


 この夢は最良の能力の干渉も一切受け付けない、強力な何かに守られている。


(母さん、なのか……?)


 だが不思議と気分は悪く無かった。

 温かさに包み込まれ、溶けるように落ちていく。より深く、深く──

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ