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1話。 終わった日。

僕は中学二年生。

ファンタジーやファンシーなものが大好きで、小説や漫画やゲームが大好き。

ゲームは特にRPGとパズルが好き。

そんで、いわゆる中二病患者。

……まぁ表には出さないし、他人に迷惑かけてないし、いいよね。

僕が好きなように僕として生きていられるのは、インターネットの世界だけだ。

武器と魔法の世界。

全てがきらきらして見える画面の中の命。


犬属や猫科の動物が好き。

生まれ変わったら猛獣使いになりたくて、ゲームでもモンスターを仲間にするの

が楽しい。

モンスターを捕まえて、ビシバシムチ打って、放り投げて、やっつけるんだ。

ほかには高い木の実をつかんだり、遠くにある宝箱を引き寄せたり。

ふふふ……

楽しいだろうなー。


んふふふふ……




おっと、現実に戻ろう。


本名は

たき 灰十はいと

先出だが、中学二年生。

誕生日は6月1日。

ハンドルネームは

アシュッド


灰が、英語でアシッドって言うらしい。…多分…?

そのまんまだとかぶる人がいたので捻ってみた。

そんな感じの名前。







うん。

大丈夫、覚えてる。



さて、そろそろ…

あの日、あの瞬間。

何があったのかを思い出そう……


たしか、梅雨の長雨。

妹からの誕生日プレゼントの傘をさしてた。

白地に青と緑とオレンジの雫柄のカラフルな傘。

交差点で、信号待ち。

トラックに泥をはねられて友達に笑われてたんだ。

そうだ、中学の帰り道。




少し歩いて…

歩道橋を上がって……




頭から後ろ向きに落ちたんだ。



誰かに押されたわけじゃなく。

事故。



そう、事故だ。



なんだ、あっけない。




僕の人生

短かったなぁ…




よーし、このくらいでいいや。

もう、寝よう…

生まれ変わるとか異世界へ飛ぶとかありえないんだから。


なんかせまいけど。

きっと、棺桶の中なんだ。

















んうー…

なんだか、妙にゆらゆらして眠れない。


さっきまで、眠たくて仕方なかったのに。



おかしいなぁ…


そういや、どのくらい考え事してたんだろう?


なんだか、眠いのと揺り起こされる感覚で、頭がぐらぐらする。


でもだめだ、もう睡魔のほうが強い。












 ずず……

がしっ!  ドサッ



「いってて……」

「お兄ちゃん!」


「メッシュ、大丈夫!?」

「アッシュは無事だ!母さん、早く走って!急げ、ミリー!」

「わかってるよう!」








うっすらと聞こえた誰かの声も、結局また聞こえなくなった。

多分、もう二度と聞こえないけど。

僕は死んだんだから。


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