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「お母さん、今日友達と夕飯食べてくるから、夕飯は要らないよ。」
「分かった。じゃあ、気を付けてね。」
「分かってるよ。校外学習と外食だけだから、気をつけるも何もないけどね。」
「それでもよ。」
「はいはい。じゃあ行ってきます。」
そんな、最後の会話になったかもしれない、普段通りの朝を思いだす。
第三次世界大戦開戦の影響を受け、全国の学校で平和学習が行われた。
しかし、国内での大規模な反戦運動にも関わらず、日本は第三次世界大戦への参戦を決定した。不運なことに、地理的要因により米国の主要補給地点へと化した日本はロシア・中国にとって重要攻略地点になり、ミサイルが降り注いだ。
幸運だった。平和学習の一環で旧日本軍の地下要塞の見学中だったためミサイルの攻撃を避けることができたのだ。
心配だった。両親のことが。二人とも大阪の中心地で勤務している。
・・・ミサイルによる被害を避けることは、難しいはずだ。
と、難しい言葉を使って現実を遠くに追いやっていたものの、限界が来たようだ。段々と無機質なコンクリートの部屋に泣き声が響き始めた。
まあ、無理もないだろう。家族の安否は不明。インターネットは電波塔がやられたのか繋がらない。衛星通信も試してみたが、アクセスが集中しているのか、はたまた通信衛星に不具合が起きたのか通じない。
そんな中、一人の生徒が緊急通信用の無線機を見つけた。
そして、何とか自衛隊に現在位置と人数を伝え、明日の早朝に救助ヘリが向かうとの返答を得た。が、被害状況についてはだんまりだった。




