亜人
俺は東京から移動しこの街の"亜人の保護あるいは駆除を行う組織"組織亜人のリーダーとして来て約一ヶ月が経過した。
最近はこんな田舎にも亜人が出没しだした。
出没まではいいがその亜人は一般人に危害を及ぼしている。
俺は亜人を差別なく一緒に暮らせるならそうしたいが、やはりそうもいかないのだろう。
俺が保護出来た亜人はほんの一握り、最近では亜人の力も強くなりつつある。
???「あ!」
背後からの声に振り返ると見知った顔が俺に指をさして、目を細め頬を赤く染めて笑う。
???「せーどー、みーつけた!」
正道「!?」
正道「229…番」
正道「なんで…身長…」
???「エーミール」
???「ボクの名前」
正道「本…か?」
エーミール「うん!せーどーがくれた本!」
エーミールの見た目は俺とあまり大差ない成人男性くらいの身長に細い腕、白金色白金色の跳ねた髪の毛の間から見える目は濁った鈍い黄色で縦に割れたような模様が入った特徴的な瞳。消えてしまいそうな儚く脆い風貌に手を伸ばした。
リン「正道」
その時、エーミールの後からリンが声を掛ける。
リンは私の右腕で容姿は左目に眼帯をして、子供からはよく怖がれている程には怖いが今日はより一層怖い顔をしている。
リン「正道、その亜人はなんだ」
正道「こ、こいつは…!そ、その…」
エーミール「友達!」
正道「友達だ」
リン「嘘つけ」
リンは訝しげに俺を見て、エーミールを睨むとエーミールは俺の後に隠れる。
リン「正道、退け」
正道「駄目だ」
リン「退け」
正道「リン!」
リン「退け!!」
リンは腰の青龍刀を取り出し俺に向ける。
リン「いくらお前がリーダーでもこれは譲れん」
正道「リン、俺達の組織のモットーはなんだ」
リン「……」
正道「"無害な亜人は保護、危険な亜人は駆除"だろ
う」
正道「お前が亜人を嫌うのもわかる、だが、亜人が
皆全て悪ではないだろう…?」
リンは眉間にシワを寄せ、青龍刀を下ろす。
リン「おい、亜人」
エーミール「あ、じん…?」
リン「亜人も知らないのか…はぁ…」
ため息を漏らしながらリンは目を伏せる。
リン「亜人は人間に他種族のDNAを投与した人外、
それが亜人だ」
エーミール「へ〜」
俺の後から出て、他人事の様に感心しながらエーミールは相槌をうつ
リン「お前は人を殺したか?」
エーミール「ううん」
リン「お前は人が嫌いか?」
エーミール「人による…かも」
リン「お前はもし人が殺せるならどうする」
エーミール「……」
すると、エーミールは振り向き俺を見た
エーミール「人を殺すことは悪いことなの…?」
正道「あぁ…」
エーミール「じゃあ、殺さない」
リンは俺の元まで歩いてくると首に青龍刀を突き立てた。
リン「こうなった時、お前はどうする?」
正道「エーミールを試すきか?」
すると、エーミールの背後の空間に歪みが生じ、その歪みはリンの青龍刀を奪い取った。
エーミール「こうする!」
青龍刀は宙に浮き、リンは大きくため息を吐き空を見上げる。
リン「はぁ…」
リン「わかった、保護するぞ」
正道「ありがとう、感謝するよ」
リン「いいよ、俺もやり過ぎたし…」
エーミールの手を引き、亜人の保護施設兼俺達の職場に戻るために歩き出す。




