3-11
「おーい!クリスタルは修復したぞー!」
急いでカイ達の元へ戻るケンとサンゴ。
「よくやった!こっちも魔物が湧くのは止まったみたいだ!」
残っていたのは2、3匹の魔物だけだ。これくらいならもう大丈夫だろう。
「……でも、どうして結界が解けちゃったんだろ。クリスタルの魔力が無くなっちゃったのかな」
今まで何百年、何千年と続いたクリスタルの魔力だ。そう簡単に無くなるとは思えない。
「人為的に起こされたものかもしんねーな」
「自分でやった、ってこと?ばかじゃないの!?そんなことして何の得になるワケ!?クリスタルが無ければニンゲンの住んでる村や街に魔物が入り放題ってことでしょ!?」
「理由なんてオイラもわかんねえや。でも、それをして得をする奴らがいるってことじゃね?」
しかし、今考えても見当がつかない。とりあえず二人が残った魔物の始末の手伝いをしようとしたその時だった。
ドカーン!!!!
突如激しい爆発音が響き渡り、全員その場に伏せ、耳を塞いだ。
「な、何が爆発したの!?」
「荷馬車です!」
「……っ!トワさん!!」
「待て!まだ爆発物が残ってたらどうすんだ……!」
荷馬車にはトワが逃げ込んでいた。ケンの止める声も聞かず、カイは爆発した荷馬車へと走る。
「トワさん!トワさんっ!!」
しかし、荷馬車の残骸にトワらしき人影はいない。まさか、それすらも分からないほど粉々に……嫌な予感がカイの頭をよぎる。その時であった。