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3-3




……男が店主を脅してくれたおかげ(?)で、三人は無事正当な値段でマンドラゴルァを売ることが出来た。


「改めまして、私は行商人ギルド "馬の蹄" のサブマスター、セーヤ・テメンニグルと申します」


男、改めセーヤが丁寧にお辞儀をすると、外に止めてあった荷馬車から一人の女性が降りてくる。


「セーヤ!アンタ随分遅かったじゃないか。……そちらさんは?」

「トワさん、お待たせして申し訳ありません。実はかくかくしかじか色々ありまして……」


セーヤが丁寧に先程あったことを説明すると、トワと呼ばれた女性はにかっとわらってこちらに走り寄ってきた。




「どーもどーも!ウチはトワイライトってもんだ。トワって呼んどくれ。各地で有名な "馬の蹄" のギルドマスターやってんだが……ご存知ないかい?」

「すみません、コイツは記憶が無いし俺もカナイ・ド村出身なもので……流行には疎くて」

「……ボクもエルフだし。ニンゲンのことは知らない」

「へえ、お嬢ちゃんエルフなんだねえ。それより!カナイ・ド村出身って本当かい!?」


先程のセーヤの反応とは違い、トワはエルフよりもカイの住んでいた村の方に興味を示してくる。


「ええ……辺境の寂れた小さな村ですが」

「カナイ・ド村なら何度か寄ったことがあるねえ。あそこの土は良いから、野菜を何度も仕入れさせて貰っているよ」

「す、すみません俺……気づきませんでした」

「あはは!いいさいいさ。最後にウチが直接村に寄ったのって30年程前だからねえ。申し訳ないけどギルドが大きくなって忙しくなっちまったから、仕入れは他のギルドメンバーに行かせてて……」




「って、いや!!30年ンン!?」




……今まで黙っていたケンが口を挟む。それもそのはず。トワの年齢はどれだけ見積もっても20代後半くらいにしか見えない。


「……え。てことは、トワ姐さんって今何歳なんだィ?」

「おいコラ!女性に年齢を聞くなんて失礼だぞケン!」

「気にしちゃいないさ。ウチは人間とドワーフの血を引いたハーフドワーフでね。もう百年は生きてるよ」

「ひ、ひゃく……だと……!?」


ケンは驚いてそれ以上言葉が出ない。そう言われると確かに彼女は見た目の割にかなりの貫禄があるように見える。


「すみません、俺の仲間が失礼なことを」

「はは!ドワーフの寿命は数百年だから、ウチなんてまだまだひよっこさ」


トワは豪快に笑う。どうやら本当に彼女は全く気にしていないようだ。百年も生きると器もデカくなるらしい。




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