表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファンタジークロニクル弐〜弐と言っているもののこの話が序章なんだけどどう思う〜  作者: 有氏ゆず
第一話 二人が出会いし時、運命は動き出すんじゃないかな
2/61

1-1




「……んあ」


男は草原で文字通り大の字になって寝ていた。

何故こんなところで眠っていたのか男には分からないが、これ以上土で服を汚すのが嫌だったので起き上がる。


「……っ!!」


起き上がった途端、激しい痛みが男の後頭部を襲った。思わずもう一度大地へと倒れ込むが、そうなると当然もう一度後頭部を打ち付ける訳で。


「ってえ〜〜!!」


男は痛みで悶えた。……そして、気づいた。




「……オイラ、何でこんなところで寝てたんだっけ……?」


ここで寝ていた理由が男には分からないのだ。それどころかこの場所も何処なのか分からないようだ。


いやいや、それどころかもっともっと重大な事実を男は忘れていた。






「てか、オイラは誰だ……?」






まさかの主人公が記憶喪失。もはや使い古されたネタだろうとツッコんではいけない。


「さて、どうすっかねえ……」


草原に寝転んだまま、男は思考する。彼は意外と冷静であった。


「オイラ自身、自分が誰か分からない。ここが何処かも分からない。どうして倒れてたかも分からない。分からないことだらけだなあ」


顎に手を添え、うんうん唸って考える。だが考えても何も分からないどころか余計に頭が痛くなってくる。


「……ああ。記憶喪失の原因がこの後頭部の痛みであろうってことだけは、分かったな」


それでは結局、何も分からないのと同じことだが。


「誰かに殴られたのか、自分でぶつけたのか……うーん……」




ガサッ


「……お?なんだ?」


暫く倒れたまま考え込んでいると近くの草が分かりやすく揺れた。自分以外にも人がいるのだろうか。


「ちょうどいいや。おーい」


この辺の人だったら助けてもらおうと思い、男はその体勢のまま揺れた草に向かって声を掛ける。下手に動くと危ないかもしれないからだ。頭だから。




「ガルルルルル……」


しかし、草むらから出てきたのはどう見ても危なそうな狼だった。しかも腹ペコそうな。


「……マジかよ」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ