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「げっ！復活してんじゃん！」
響き渡った叫び声は勿論先程倒した筈のマンドラゴルァである。
「もうっ！余計な話したせいで！まだ葉っぱと根っこは取ってないのに……！」
「そんなこと言ってる場合か！逃げるぜ！」
こんな状況でも素材のことを考える少女。それはエルフという立場がそうさせるのだろうか。
ケンは少女の手を引く。しかし、マンドラゴルァの狙いは少女ではなく……
「うわあっ！！」
やはりというか、想像していた通りというか……マンドラゴルァの触手はカイを狙ってきた。
「……っ！だから触手に捕われるのは可愛い担当って相場が決まってるだろ！！」
少女は足を止め、再度炎魔法を繰り出す。しかし……！
「ゴルァ！！」
「えっ！？嘘でしょ！？」
マンドラゴルァが突如起こした突風により、炎魔法は一瞬にして消されてしまった。
「くそっ！これならどう！？」
別の炎魔法を繰り出す少女。しかしそれも風によっていとも簡単に消されてしまう。
「ど、どうしよう……！どうすれば……！」
二度も自分の魔法を消されてしまい、少女は絶望して足を止めてしまった。そこへマンドラゴルァの触手が容赦なく叩きつけられる……！！
「……あぶねえっ！！」
ケンは少女を抱え、ゴロゴロと地面を転がって回避する。少女が小柄で軽かった為取れた戦法だ。
「ご、ごめん……」
「そんなことはいい！生き残ることだけ考えやがれ！」
「で、でも！ボクの魔法が効かないんじゃどうしようも出来ないよ……！！」
確かにアイツに純粋な物理攻撃は効かなそうだ。かと言って、魔法も突風で消されてしまう。
しかし悩んでいる時間はない。このままではカイがどうなってしまうか分からないし……あまり想像したくない。
「くそっ……！せめて風魔法の届かない近距離で炎をぶっぱなすことが出来たらな……！」
「……！それだ！それだよ、キモキモ男！」
「キモキモ男って言うな！！」
「そんなのどうでもいいから！！近距離技ならいいんでしょ？だったらボクが君のバットに炎魔法をぶつける！」
「はあ！？そんなことして何の意味が……！」
ケンは反論しようとするが、思いとどまる。彼にも少女の意図が分かったからだ。
要はケンのエクスカリバーに炎を纏わせ、そのまま炎のエクスカリバーでマンドラゴルァに攻撃をするという作戦だ。
「合体技ってやつだな！それで行こうぜ！」
「うんっ！攻撃のタイミングは任せたからね！」
そう言って少女は傘を構えて詠唱を始める。
「……そういえばオイラの名前、ケンって言うんだ。キモキモ男じゃなくてな！」
「……！そう。ボクはサンゴ。……いくよ、ケン！」
「おうよ！来い、サンゴ！」
少女……いや、サンゴの詠唱が終わる。そして……！
「炎の球よ！行け！ファイヤー・ボール！！」
