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#8 タニグチと3匹、食卓を囲む。

前回のあらすじ。


山探索終わり。


 1人と2匹、結界前まで到着。したが…


『魔石忘れちゃった…』

 結界を前にして突然の宣告。と言うか口調が完全にお爺ちゃんじゃなくなってる。


「え、どうすんの。魔石無いと結界破れないんでしょ?」

『多分…でも出来るかもしれないし?なんかタニグチのそばにいると力が溢れてくる!…気がする。』

 リルママの言ってたことを思い出す…



〖ラルちゃん、あの子ちょっと特別ね。魔力量が多い。〗



 多分俺じゃなくてラルが理由だろうなー。


「そんじゃなんか適当にやって結界破ってみてよ。」

『おう、まかせるのじゃ!』

 口調が戻った。自信がつくとこの口調になるのか…?


『てことで少し離れるのじゃ。』

「〔わかったー〕」

 気の抜けた返事をして少し離れる1人と1匹。


『そんじゃ行くぞ!○△☆×◎*#…』

 なにかよくわからない言葉を発している。


『……ワオォォーーーーン!!!!』

 遠吠えと同時に雷が落ちる。


「まぶしっ!うるさっ!?うっそだろ!?」

〔…………〕

 目の前が光りビックリしたのかコテッと倒れ込むラル。


「ラル蔵さん!?!?」

 余りにも怖かったのか白目で倒れるラルさん。大丈夫。脈はある。けどおしっこもらしてる。かわいいかよ。


『タ、タニグチ…結界破れた…』

 リルさんもここまでの魔法が使えるとは思ってなかったらしい。震えた前脚で破れた方を指す。


「と…にかく結界閉じないうちにあっち行こう…」

 気絶してるラルさんをだっこして庭に抜ける。


ーーー


 さすがに威力が大きかったのか、結界が閉じるのに時間がかかってる。3分経ったが未だに少し空いてる。


〔怖くなかったもん!面白かったもん!〕

 気が付いたラルさんは必死で弁明(?)する。かわいい。こっちの息の根を止めるつもりか?かわいい。尊い。こっちが息できなくなる。

 あと、変なところにおしっこかかっちゃってるから結界閉じたら速攻風呂入れようか。


『………』

 放心状態のリルさん。放心はしてるものの、ちゃんと結界の監視はしてる。偉い。そんな彼に話しかける。


「えーとリルさんや。強いのは知ってたけどあなたあんな強かったの。」

『…なんかそうだったみたいじゃ。』

「さっきの魔法はここぞって時にしような。こっちが怖い。」

『うむ…』

 そうこうしてるうちに穴が塞がった。


ーーー


 ラリルを風呂に入れたあと、ご飯の準備を始めた頃…


 パリンッ!


 今日の朝、山に入る前に、引いてはここ1週間ほぼ毎日聞いてたあの音が響き渡った。


「えー…誰が来たんだ…」

 火を止めて外に出る。

 玄関を出て山の方に振り向くと、そこには破った結界を監視するリルより二回り大きい白い狼が立ってた。


〖来ちゃった♥️〗

 リルママである。


「なんで来ちゃったんですか…?」

〖いやね、リルが魔石持って行かなかったからね…でも問題なかったのね。やっぱりラルちゃんの影響かしらね。〗

「多分そう…なんですかね。リル自身もデカイ雷落として驚いてましたし…」

〖でしょうね~…あ、私もご相伴に預かって良いかしら?〗

 おお、いきなり踏み込んできた。まああんな遠いところから追いかけてきてくれたんだし良いけど。


「小さくなれます?」

〖なれるわよ。〗

 煙に包まれて現れたのは、通常形態のリルぐらいの大きさのママさん。


「もう一回り小さくなれません…?」

『わかったわ。』

 今度はラルぐらいの大きさのママさんが現れた。


「ワアちっちゃくなった。それじゃこちらどうぞー」

 家の中に招き入れる。


ーーー


『なんで母がいるんですか』

〖あんたが魔石忘れたからね〗

〔ワン!ハッハッハッハッ…〕

 リルとリルママの会話の横でめちゃくちゃママに甘えるラル蔵さん。


〖あれ、ラルちゃんなんで喋らないの?〗

「あれ、言ってませんでしたっけ?喋れるのは扉の外だけなんですよ。」

〖…そうなのね。〗

 そう言ってラルの遊び相手になってくれるリルとママさん。そう言えばリルとママさんはこの家の中でも普通に喋れるんだ。なんでだろう。


 遊んでる間にシチュー温めてラルのご飯作っちゃおう。


ーーー


 ご飯の用意が出来たので並べる。リルは2匹に比べると一回り大きいから机の上に、ラルとママさんの分は床の上に並べていく。置かれた料理にリルは疑問を浮かべる。


『匂いから薄々気付いておったが…リクエストしたのと違うのじゃ…』

「ありゃ、これじゃないのか?」

『いや、見た目は似てるんじゃが匂いが別物なのじゃ…』

 茶色いシチューと瓜二つな食べ物と言えば…


「もしかしてカレーライスだったのか…うちのカレー、豚肉派だからなぁ…色も茶色じゃなくて黄色寄りのカレーだからなぁ…」

 カレーなんて十人十色、各家庭で特徴が変わってくる。しょうがない…うん。しょうがない…


『あ、これも美味しそうだからな、いい匂いじゃから安心せい!』

 焦ってフォロー(下手)をいれるリル。


 目の前のご飯に首ったけで話しなど聞いてないラルとママさん。はやく食べさせろと言わんばかりの2匹。よだれの海が出来そうだ。ママさん小さくなったことで知能低下してんの?いやご飯だからか?


「まあ作っちゃったものはしょうがないし、今日はこれ食べてくれ。カレーはまた今度作ってやるから。それじゃ食べよっか。」



 いただきます!

 ワン!



 ちなみにラルには「いただきます」がご飯食べる合図だからそれまで待て!と先に言っといた。やはり意志疎通できるのは楽だ。


〖久し振りに人間のご飯食べたわ~美味しい~〗

「そう言えば魔物っていつもは何を食べてるんですか。」

〖基本は動物や下級魔物ね。まあ弱肉強食の世界ですから。〗

「へー、やっぱり生のままガブガブ食べるんです?」

〖私たち四足歩行の魔物はそうね。ただ、二足歩行の上級魔物みたいに文化を築いてる魔物は、焼いたりくらいはするわ。けど口に入れば同じって考えの奴らばっかだから料理は割とマイナーね」


 食物連鎖的には上級魔物>下級魔物>動物って感じなんだろうか。そこら辺はやっぱり自然界なんだな。にしても魔物の中では料理ってあまりポピュラーじゃないのか…ふむ。


『タニグチ!これうまいぞ!カレーとやらより好きだ!』

「そりゃよかった。作った甲斐があるってもんよ。」

『タニグチおかわり!』

〖私もおかわりくださいな〗

「はーやいな…いっぱい(縮小魔法前提)作ったからどんどん食べて~ラルさんも今日はおかわりあるよ~」

〔!!!〕


 おかわりの言葉に目を輝かせて空になった器をズビッと滑らせて目の前に持ってくるラルさん。かわいい。


ーーー


「いやぁ…作ったもの全部なくなるとは…明日の朝の分とか考えてたんだけど…少し考えが甘かったか」

 そう言って洗い終わった鍋を片付ける渓口。


 そして案の定、口の周りベットベトになってるリル……とママさん。ママさん、あんたもかい。

 その横で〔僕は汚れてないよ。どう?〕と言わんばかりに胸を張り尻尾を振り座ってる。あんさんのは汚れるような食べ物じゃないからね。


『美味しかったぞ!また食べたいぞ!』

「そりゃお粗末様でした。それとリルとママさん、今日はもう遅いし泊まっていったらどう?」

〖あら?いいの?ならお言葉に甘えさせてもらおうかしら〗

『ワシは言われなくとも泊まってくつもりだったぞ?』

 リル、お前はもう少し遠慮を覚えろ。


「泊まってもらうためにも今からあなた方2匹にはミッションを与えます」

『お?なんじゃ?』

「今から2匹にはお風呂に入ってもらいます。」

〖!!!わ、私ちょっと用事を思い出したので帰りまs〗

 スクッと立ち上がり、玄関へ移動し始めるママさん。


「俺が扉開けないとあの世界には繋がりませんよー。それより、あなたももしかして水が苦手なんですか?ママさん?」

〖い、いや~そんなことは…〗

『母も水苦手だぞ。』

 リルが口を滑らせた瞬間、リルの周りを覆う結界。


『む?』

 そして無詠唱で放たれる稲妻。その間僅か2秒。


〖そんなことはありませんのよ。ホホホ〗

 そう言うママさんの横には毛がチリチリになったリルの姿。無茶しやがって…

 ラルは怖いのか前脚で器用に目を塞いでる。


「……周りに配慮して結界張ってくれたのはありがたいですが、もう遅いです。バレました。リルと一緒でお湯なら大丈夫だったりしませんかね。」

〖バレちゃいましたか…水が毛を伝って冷たいあの感じがいやなんですの。と言うかクリーン魔法じゃだめですの?〗

「そんな魔法があるんですか?ならそれでいいんですけど…それならその魔法リルにもかけてもらえますか?」

〖それは出来ないわね。この魔法は蓄えてる魔力を肌からにじませて汚れを弾いていくから、自分にしかかけられないの…賢者とかならまた別なのかもしれないけど。〗

 そう言いながら自身にクリーン魔法をかけていく。

 おお、さっきまでベッタベタだった顔周りが真っ白になった。あれ?弾いた汚れはどこ行ったんだろう…まあいっか。


「ならリルは普通にお風呂入れますか。リル起きろ~風呂の時間だ。」

 そう言って焦げてるリルさんを起こす。


ーーー


 リルを再び風呂にいれ、自身も風呂に入り一息ついた。

 さすがに1日でラル1回、リル2回の計3回風呂にいれるのは大変だ。腰に来る。


「さて、そろそろ寝ますか~」

 満身創痍の体で用意してた布団に倒れると、囲むように横になるラリルとママさん。幸せ空間か?


『おやすみー』

〖おやすみなさいー〗

〔クゥーン〕

「おやすみなさーい」

 翌朝、縮小魔法が親子揃って解けて、下敷きになった渓口(少し幸せ)に2匹揃って怒られるのはまた別の話。




 こうしてなが~~~~~い1日が終わった。新しくやりたいこと探さないと…。




1年経過まで

    あと355日。


2年経過まで

    あと720日。

 カレーって家によって変わるよね。さすが家庭料理の代表格。

 肉の種類、玉ねぎは飴色にして「コク」として使うか食感残して「具材」として使うかはたまた両方か、ルーの種類、スパイスを効かせたり、甘めに仕上げたりなどなど。


 自分は肉は豚肉、玉ねぎは食感残し、ルーはバー○ンドカレー中辛をベースにして、エス○ーの赤缶を一振り二振り三振り、隠し味?にすりおろしリンゴとはちみつ入れて仕上げるのが最近のマイブーム。まあ面倒なときはリンゴをいれないこともありますが。

 ここまで言っといてなんですが今一番食べたいカレーは「バターチキンカレー」です。


 日本とニポンを結ぶ(結んでしまってる)家の中は、基本ギャグ空間なので、雷で焦げた狼も風呂に入れば真っ白になります。便利だねギャグ空間。


 個人的にハーレム物は受け入れられない…と言うか、余りにも男女バランスが崩れてるのが受け入れられないのですが、1度で良いからモフモフのハーレムにあってみたい。そんな願望を今回の最後に取り入れました。現実でもモフモフハーレムなりてぇなあ!おい!!!!

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