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#2 ここはどこで貴方はなに?

前話のあらすじ。


余命宣告。轢かれかける。愛犬が喋った。


20**年12月**日(月)


 宣告から1週間。この日は"別世界"の図書館に来た。と言うのもここがどういう世界なのか調べに来た。


 スマホが使い物になら無いこの世界、ネットカフェとかでも良かったんだけど、別世界で身分確認とかで仮に止められても厄介だから、そう言う心配がない図書館に来た。


 ラル蔵には玄関まで来てもらって別世界への扉を開けてもらってからお留守番である。どうやら扉越しに1人と1匹が揃えば扉は開くらしい。検証中に間違えてこの状態に陥ったときは戻れないかもと肝を冷やした。


「…それにしても……」

 歴史書を前に突っ伏す。


「読みづらい。縦書きはまだしも、横書きの文がすごい読みにくい。」

 そう、縦書きは右上から左下に向かって読むので元世界と変わり無いが、問題は横書きである。横書きも右上から左下…要は元世界の昭和初期まで見られた書式なのだ。結構疲れる。


「てかそもそも嫌いなんだよな…本読むの。」

 まさかの活字全否定。


「まあよくわからん言語じゃないだけマシかな…日本語以外からっきしだし。」

 そう言って再び読み始める。


ーーー


 図書館で調べた結果はこうだ。


・この世界には人の言葉を使う種族は"人族"、"獣人族"、そして"上級魔物"と呼ばれる動物の亜種の三種だそう。


・大昔に動物と人間が交わった結果、人の血が濃く残って二足歩行になったのが獣人、動物の血が濃く残り、人間っぽい暮らしを始めたのが後述する"上級二足魔物"らしい…


・動物も元世界と少し違う。

 元世界に普通にいる"動物"と元世界で言うファンタジーゲームに出てくるような"魔物"とで区分されてるらしい。

 魔物はさらに人語を理解、使用する"上級魔物"とそれ以外の"下級魔物"とあるらしい。


・上級魔物は更に、通常時、人間のように二足で歩き、人間のように町を作り文化的な暮らしをする"上級二足魔物"と、普段から動物のように四足歩行をし、森の中で動物寄りの暮らしをする"上級四足魔物"、その他見た目は人型だが魔物に分類される"人型魔物"の3種類に別れるらしい。ドワーフとかダークエルフ、今じゃ絶滅したとされるエルフ等がこれに該当するらしい。



「いや、本当に似てるようで全然違う世界だなこりゃ。」

 ノートにまとめてたら上からよだれがポトり。


〔ハッハッハッハッ…〕

「あとはお前だよフシギーヌ!」


 そう。てっきりこっちの動物は基本喋るもんだと思ってたけど、そう言うわけでもない様子。



ーなんでラル蔵は別世界限定で喋る?ー



 別世界の常識で言うと、言葉を喋る動物は上級魔物に分類される。てことはラル蔵は上級魔物。


 でも赤ちゃんの頃に知り合いから里親探しで貰い手がなかったから引き取った…つまりラル蔵の親が魔物だった?だとしてなんで元世界にいるんだよ。てか見た目はママ犬も目の前のラル蔵も普通のゴールデンレトリバーだけど…そもそもの話、なんであの扉は別世界に繋がってるんですか????


「ダメだ。あっちの世界知ろうとしたら謎がまた増えた。なんも解決してないよ。」


ーーー


 夜になった。散歩から帰ってきて、すぐに家には入らず少しラル蔵とお話しすることに。折り畳みの椅子を広げて座り、ラル蔵を上に乗っけて引っ張り出してきた毛布で1人と1匹くるまる。


「ラルさんや。あんたって魔物なんですかい。」

〔まものってなにー?〕

「知らないか~」

〔しらないねー〕

「そっか~」

 まあそんなもんだろうなと思ってた。だって赤ちゃんの時点で元世界にいたんだから。


「そしたら次の質問な」

〔はーい〕

「前からずっと喋ってたんでしょ?」

〔しゃべってたよー〕

「なに喋ってたの?」

〔あそんでーとか、おなかすいたーとか、あそんでーとか。〕

(おーさすがゴールデンレトリバー(知能が人間の3~5歳)欲望に忠実。)

「かわいいな~」

 そう言いラルの体をワシャワシャする。


〔それいまいや〕

「エッ」

〔ワシャワシャいまいや〕

「あっ、ごめんなさい。」

 突然の拒否ゴルさん発動につい敬語に。


「もしかして今までもワシャワシャしてたけど、たまに嫌な時とかあったの?」

〔ある〕

「……………」

〔さむいねー〕

「…中入るか。」

〔そだねー〕


 椅子と毛布を畳んでラルさんと一緒に玄関に入る。


「寒かった~」

〔ワァンワウ。〕

「やっぱり家入っちゃうとなに言ってっかわかんないね」

〔クゥーン…〕

(家の中でも言ってることがわかれば良いのになぁ。)


 いくらか言いたいことがわかるようになったと言っても、やっぱり話してくれた方が断然わかる。当たり前だ。


「風呂入って暖かくしてさっさと寝るかー!」 

〔ワン!〕




こうして今日も何気ない1日が終わってく。

 前回に比べるとかなり短いですね。まあ前回は下手に短くすると題名の意味がわからないな…と思ったのでキリのいいとこまで進めた次第です。今後は基本この短さで(ある程度)高頻度更新していこうと思います。


 初投稿&どこにも宣伝してないのににも関わらず、初日から11アクセス。嬉しいですね。見てくれるだけでも全然嬉しいです。


 YouTubeとかニコニコの投稿初期を思い出して少しワクワクしてる(どっちも今も対して伸びてないけど)。

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― 新着の感想 ―
もふもふものが好きでタグからこちらを発見しました 読み始めたばかりですが、ラル蔵の名前と外見や性別、年齢がわからない(これから先ある・・・?)のでそこが今のところ残念です ラルぞう、とおもって男の子と…
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