特訓!
俺はウッテとダストを適当な森の中で亜空間から出した。
「お前は!」と驚くウッテ。
「ふん、この私を助けるとは認めてやろう。」とそっぽを向いている。
俺はそんなダストに取り敢えず一発ぶち込んだ。
「ぶべばー。」と言って吹っ飛ばされる。
そんな俺を見て戦闘態勢を取るウッテ。
「やめておけ!」
「しゃ、喋った!」と驚くウッテ。
「あ、やべ。」と焦る俺。
「一体お前はなんなんだ?」と恐くない顔で睨んでくる。
剣をもっていないこいつなんて恐くないな。
「ふむ、ふむ。」と俺はアイテムボックスから野盗の剣を取り出す。
俺はそれをウッテに投げた。
それをあわあわしながら受け取る。
「少し遊んでやろう、土人形を召喚。」
そこに五体の土人形が現れた。
俺はそれをウッテに嗾けた。
「ひぃー。」とか言いながらそれに剣を抜いて対応する。
「前の時より強くなっているな。」
「そうですね。」とツクモが言ってきた。
「テト様、何をやっているのですか?」と疑問に思っている。
「この間の試練でウッテだけ途中で脱落した。これは補習みたいなものだ。」
おれはトッテとシズクを鍛えた時のことを懐かしむ。
あまり時間は経っていないのだがな。
「なるほど、ウッテさんですからね。強くなることは悪いことではありません。」
「ああ、きっとまた面倒ごとに巻き込まれるだろう。」
向こうの方でダストが立ち上がる。
「お前、お前ー!」とか言っている意外に頑丈なのか?
そんなダストにアイテムボックスから剣を取り出し渡してやる。
そしてウッテと同じ試練をこいつに課す事を決めた。
土人形を召喚する。ウッテが倒し終えたのでその分も追加してやろう。
さらに十体の土人形を召喚してやった。
「もう、いいから。」とウッテは言っていたが知らない。
「なんだこいつらは!」とダスト。剣を抜いて構えた。
「やれ!」と俺は命令した。
土人形は向かっていく。
「痛い、痛い。」と泣いているダスト。
どうやら剣を手放したようだ。
一方ウッテは善戦していた。
一体、一体ゆっくりと倒している。
少し慣れてきたか?
「次は難易度を上げてやろう。」と俺は楽しくなってほくそ笑む。
「時間は大丈夫ですか?」と聞いてくる。
「さぁな。」と俺は時間を気にしないことにした。
ウッテはまあいい。
問題はダストだ。
こいつは一応リースとミーナの親族。更生はさせてやらないとな。
性格をまっとうなものになるように矯正してやらないとな。
このでっぷりした腹、顔も脂肪で歪んでいる。
もう少しまともにしてやろう。
俺はダストには容赦をしなかった。
性格が変わらなければ本当の意味で強くはなれまい。
「剣を取れ、死にたくないのならな。」と俺はダストに向かって言う。
そうして俺は疫病神形態の幻術をかけた。
「ひぃー。黒髪!」と恐怖で剣を取った。
そんなにこの世界では黒髪を恐がるの?一体何やったんだ?と俺は疑問に思う。
「・・・」ツクモさんは黙ったままだ。
何か知ってそうなんだけどな。
向こうが話さないなら聞くのはやめておこう。
「ゴー!」と俺は命令した。
五体もの土人形がダストに向かっていく。
ダストは剣を振り回していく。
それが当たらなければ、一発もらい。
当たれば反撃をしない。
まずは剣技を習得しないといけないレベルなのかもしれない。
ウッテが後ろから迫ってくる。
「スラッシュ!」と言って俺に攻撃を当ててきた。
「どうだ!」と言っているがまったく効いていない。
また少し強い土人形を召喚してけしかける。
今度はウッテがボコボコにされ出した。
「ちょっと強い、強いから!」と抗議の声を上げた。
「知らんリア充よ爆発しろ!」と思わず言ってしまったのは仕方ないことだろう。
画面の中で・・・
「やれーやれー!そこだ!」とシャドーボクシングで土人形を応援しているツクモ。
旅の間にリア充を見ていたお返しと言う様に生き生きとしている。
「土人形、ほどほどにな。」と俺は命令を降した。
ダストはよろけながら立ち上がってくる。
「この私は、次期辺境伯になる男!」
まるで自分が勇者であるかの如く気合を込めて叫ぶ。
そこに土人形の一撃が入り、勇者は沈んだ。
「ダストはダウンしたな。」
「ずいぶん頑張りましたね。」
「ああ、人の執念という奴なのだろう。」
しかし一体も土人形を倒すことができないとは、雑魚だ。
どう矯正をしていこうかと悩む俺だった。
傷ついたダストをそのまま亜空間に放り投げた。
ウッテを見れば苦戦している。
だが、しぶとくなったな。
急所への攻撃をうまくかわしている。
「ふむ、中々だな。強くなったというべきかもしれない。」
最後の一体にトドメを刺した。
「よしこれで!」
そんなウッテの後ろに回り、投げ飛ばして亜空間に放り込んだ。
「うわーどうしてこうなるんだ!」と文句を言っている。
「それは君が・・・ウッテだからだ!」と決め顔。決まった!
「そうですね!」と苦笑いのツクモさん。
このノリがわかっていないようだ。少し悲しい。
俺はそれからシェリーとハルたちを呼び出し戦闘訓練をする。
「えっ、えっ。」と戸惑うシェリー。
対してハルは常在戦場の心持なのだろうすぐに戦闘態勢に入る。
他の獣人たちもだ。
まず始めにハルが思いっきり石を俺に投げてきた。
キーンと物凄い音が鳴る。
俺はその音をツクモさんが遮断。
後ろに下がって土人形達を召喚した。
それをあっという間に片付けていく獣人たち。
「強いな。」
「ですね。」
ただ一人シェリーが狼狽えている。
俺は念話でシェリーに話しかけた。
〝しっかりしろ、これは演習だ!お前の強さを証明してみろ!〟と俺は呼びかけた。
「はい。」とシェリーも拳を握った。
ようやくいい目をする。
俺は再び少しレベルを上げて土人形達を召喚。
彼女たちにけしかけた。
そんなことを続けていた。
中々獣人と言うのは強く、どんどんレベルが上がっていく。
面白くなって調子に乗ってしまう。
そんな俺にツクモさんがストップをかけてくる。
「そこまでですよ!」と止めてきた。
「?」とわけがわからない顔をした。
「見てください。」と獣人達をよく見るように言ってくる。
俺がハルを見ると肩で息をしている。
シェリーも同じ状態で、他の獣人は倒れ伏していた。
「あれ?さっきまでピンピンしてなかった?」
「緊張の糸が切れたのでしょう。一気に疲れが襲ってきてダウンしたみたいです。」
「なるほど。」
俺の前に立ちはだかっているハルでも立っているのがやっとのようだ。
シェリーは意外にもまだ余裕があるように見える。
俺はハルの横を通り過ぎてシェリーに近づく。
ハルが何とかシェリーを助けようと動こうとするが膝をついてしまった。
ドサッという音がする。
そのまま地面とキスをしてしまう。
「シェリーこれから向こうにこいつら戻すから、介抱よろしくな!」
「はい。」と元気よく言った笑顔のシェリーは可愛かった。
「これで大分戦力が付いたかな?」と嬉しい顔になる。
「戦力を付けてどうするんですか?」と疑問顔だ。
「俺の騎士団にする。」となんとなく言っていた。
「はぁー。」と生返事した。
「特に獣人の騎士団って憧れない!」と俺は力説した。
「はいはい。」それに生返事を返すツクモさんだった。
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