ボッチの呪いとネズミ達
姉と妹は話し合ったらしい.。
現在獣人は帝国によって狩られようとしている。
近くに帝国の部隊が展開していて、今現在も追い詰められているらしい。
捕まれば女性は連れていかれ、男はいらないと殺されるらしい。
そのせいで獣人の男性は数が少なく。
こうして戦いの場に女性の戦士が出てくるらしい。
「なるほど。」と俺は考えていた。
「あのテト様、お願いがあります。どうか私たち同族を助けてくれませんか?」と潤んだ顔でお願いしてくるシェリー。
そんなお願いを俺は・・・断ることは出来ないじゃないか。
「ああ、わかったよ。」と答えてやる。
「ありがとうございます。」と笑顔になった。
「どう解決するつもりですか?」
「取り敢えずここから離れるしかないだろう。」
「そうですね。」
「この二人大丈夫かな?」と俺は心配した。
「まぁ私たちの心の安寧のために離れましょう!今すぐに!」と言ってきたりもしている。
ツクモさんの言っていることは正しい。
きっと夜になると・・・
「あーあ。」と考えるのを辞めた。
「考えるのはやめましょう。心の毒です。」
「確かにな。」と俺も返しておいた。
しかしどうするか?離れるのはまぁいい。
同じ素材をこの袋の中に入れて調整すればいい。
バレないだろう。
後はこの二人の監視なんだけど・・・
俺は一応ここに戻ってくる気でいる。
このままバックレてもいいのだが、一緒に旅をした仲なのだ。
せめて旅の終点までは見守ってやりたい。
「少しいいでしょうか?」
「どうした?」と俺は聞いた。
「使い魔を呼び寄せてみたらどうでしょうか?」
「使い魔?」と俺は疑問に思う。
「ルルやココ達みたいなものか?」
「あれとは少し異なりますが、ここら辺のモンスターや動物を呼び寄せてみれば、テト様の眷属にできるかと。その者たちにリア充爆発しろ。失礼、イチャイチャラブラブの監視を任せればいいのです。私達には荷が重いので・・・」胸を抑えながら言った。
なんだか本当に苦しんでないか?
「大丈夫か?」と俺は心配した。
「はい、なんとか。」と顔色を悪くしている。
まさか!リア充爆発しろ共の呪いに侵されて、それに抗っているのか。
気を抜けばその呪いにやられ攻撃してしまうのかもしれない。
これが異世界の呪い!なんて恐ろしいんだ。
「今すぐここから離脱しよう。」と俺はツクモに声をかけた。
「はい。」ツクモは喜び返事をする。
やはり呪いの影響だったのかもしれない。
俺はこの身体からスモークを発して、ウッテとクロンを包みだした。
「ウッテさーん。」
「クロン!」と二人は抱き合って怖がっている。
もう見ていられない。
この身体をダミーに入れ替え脱出して、俺も胸を抑えてしまう。
「リア充爆発しろ!」
「リア充爆発してください!」やはり二人はボッチ友だった。
俺達は捨て台詞を残しその場を立ち去ったのだった。
二人がこのあとやることは、俺達にとっては毒になるだろう。
俺達はそれに目を背け、そこを離れるしか選択肢はなかったのだ。
「そう、これでよかったんだ!」
「そうです私達には耐えられません。下手したらやっちゃってましたよ!」と笑顔で言った。
「異世界の呪いは恐いな!」
「ええ、リア充に正義の鉄槌を!」とまだ呪われていないか!
「ツクモさん、戻って来て!もうここにウッテ達はいないよ!」と俺は叫び続けなければならなかった。
「リア充達をこの世から抹殺!」
「リア充達に鉄拳制裁を!」
「リア充を全員、ぬいぐるみにしてやる!」とか段々と難易度が下がってきたような?
「もういい、もういいから。」と俺はなだめ続けた。
「リア充・・・あれ、私は何を?」とどうやら正気に戻ったようだ。
「おお、良かった戻ってきたんだな?」と俺は安心した。
「どうやらこの体は、怨念を引き寄せる習性があるみたいですね。」と分析する。
「恐いな異世界!」と俺も気づけば何かに取り憑かれたりしてないよな?
あのステータスのことを思い出す。
「ああ。」と頭を抱えた。
もう手遅れだったとそれを認めたくはない、認めてしまえばそれになってしまうだろう。
俺は次のことを考えるのだった。
「そうだ。使い魔の話しだったな。どうすればいい?」とツクモに聞いていた。
「そうですね。魔力を乗せて周りに話しかければ周りから寄ってきます。」と説明してきた。
まるでそれを使ったことがあるように・・・
「ツクモさん・・・まぁいいか。」
いい女は秘密を持つものだと聞いたことがある。
それを聞くのはマナー違反だろうし、それに答えてはくれなさそうだしな。
俺は目を閉じて魔力を広げるように語りかけた。
「待ってください。」となぜか止めに入ってくるツクモさん。
俺は目を開けて周りを見ると大中小、種類も沢山のネズミたちに囲まれていた。
「やりすぎましたね。」とやれやれ顔のツクモ。
俺は唖然とした。
なんでネズミ?
どこにこんなに隠れていたんだ?
「あれ?」と首を傾受ける。
そしてそのネズミの群れを掻き分け、ネズミの獣人達が土下座して挨拶を始めた。
「我が神よ!我らに祝福を!」
「祝福を!」と声を揃えて言って、さらに頭を下げてくる。
〝や、やりすぎたー〟と心の中で叫ぶ。
ネズミたちもチューチューの大合唱だった。
俺はその大合唱に頭を抱える。
「どうしてこうなった!」と叫んだのは、自分は悪くないと思いたかっただけなのかもしれない。
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