相方との再会
俺は起きて一言。
「おはよう。」と声をかけた。
「おはようございます。」と声をかけてくるツクモさん。
「色々聞きたいことがあるんだけど。」ジト目をする俺。
「それは追々お願いします。」
「なんで追々なんだ?」
「ふふふ。」と笑うツクモさん。
「たぶん知ろうと思っても、知ることができませんので・・・」
何それ恐い。ファンタジーの不思議現象か?
「どちらかって言うと神の権限みたいなものです。」
「心を読まないでくださいよ!ああ、なるほど!ははは。」
「ふふふ。」二人は笑いあった。
そして俺は叫ぶ!
「納得できるか!」
「まぁ頑張ってください。」と励ましてきたツクモ。
落ち着いて対峙したあの男のことを思い出す。
アイツは一体何だったのだろうか?
「疫病神になったのですか?」と唐突に聞いてきた。
「ギク。」と驚いて身体が震えた。
何かを選択した覚えはある。
あの戦闘の揺れのせいで、何を選んだか正直分かっていないのだ。
「あの時どうして画面が消えなかったのか!」地団駄を踏む。
「それは仕方ありませんそう言うシステムなんです。」と答えてくる。
「くっそーーーー。」と叫んだのは仕方ないことだ。
心を落ち着かせる。よし確認するぞ!と気合を入れた。
「ステータス。」目を閉じどうか普通の神に!と願ったが・・・
「ああ、うんまぁ。」
「あらまぁ。」俺達はそれを見て驚愕した。
「ツクモさんも見れるのか?これどう思う?」
「ああ、なんといえばいいのでしょうか?」困惑していた。
「神様は兼任って認められてるの?人材不足なの?」
「そう言うわけではないと思いますが・・・」とはぐらかしてくる。
「このいらない方を誰かにあげたいけど、できる?」
「いや、私にはちょっと・・・」返答に困っている。
ちょっといじりすぎたか?
「いじりすぎですよ!」と、このやり取りも好きだな。
「心を読むなよな。」
「それが私の仕事ですから。」
「それを仕事にするなよな!」なんかツッコミ担当になっている?
俺は照れくさそうにしながら・・・
「まぁなんだ、おかえり。」
「ただいま帰りました。テト様。」
そう言いあったら、夢の中で見たツクモさんの姿がなぜか画面に映し出されていた。
「おい、これはなに?」指を指して言った。
「さぁ、存在進化したのかもしれませんね?」と自分にもわかっていないようだ。
「もうなんでもありだな。」と呆れた。
すべてのことがファンタジーと言う言葉で納得してしまう。
そのことが恐ろしくもあり、ドキドキもしてしまう。
「さぁ、旅の続きをしようぜ!」と言っていた。
「まぁ、動けないんですけどね。」
「締まらないから止めてくれ。俺のやる気を下げないで!」と抗議をしたのだった。
ウッテは気付けばワイバーンに連れ去られ、国境付近の山々の近くに来ていた。
目を擦り起きる。
「ふわー。」とあくびをしたが、それがいけなかったらしい。
絶妙なバランスで保っていたリュックの紐が外れて、ウッテは・・・
「うそおおー。」と叫び声をあげて落ちて行った。
俺はその落ちてきているものを見ていた。
「えっ、えっ?」と困惑しているクロン。
その男は地面にぶつかる間際、何か柔らかいものにぶつかりバウンドした。
こちらに飛ばされてくる。
まったく世話が焼ける。
さっきのクッション魔法を使ったのは俺だった。
ウッテはそのままクロンにダイブした。
あっ、これラッキースケベだ。以下略、ウッテだから飛ばしてもいいよね!
「キャー。」っと叫んでクロンの右ストレートがウッテに決まった。
「ああ、まぁウッテらしいよね。」
俺は納得した。ここにいるのはウッテだと・・・
しかし、何でここに?と言う疑問は尽きなかった。
「テト様上空を見てください。」
そう言われて上空を遠視で確認すると、ワイバーンの足が大きなリュックを掴んでいた。
「あれかー。」と俺は納得した。
「ウッテさん!死んじゃヤダ!」と叫び続けるクロン。
クロンさんの右ストレートのせいだね。と冷静に分析した。
「あの娘中々やりますね。」と褒めている。
あまりの涙っぷりに仕方ないかと魔法を使う。
「ヒール。」と声をかけた。
ウッテの身体が輝き始める。
そしてゆっくりと呼吸を始めた。
それに気付いたのか抱きついて嬉しがる。
「ウッテさん、ウッテさん。」と喜びまくっていた。
「おいおい。その程度にしておけよ。」と言う声は聞こえていないだろう。
「なかなかいい光景ですね。」
「ああ。」と俺は今まで一緒に旅をした仲間のことを重ねるのだった。
俺達はこの二人としばらく旅を続けていくのだった。
その周りでワイバーンがウロウロしていて、俺達を獲物のように見ていた。
ウッテやクロンにバレない様にこの物体を飛ばして・・・
そいつらに体当たり水魔法で、そいつらを倒していく。
「操縦は任せるからな。」とツクモに言う。
「アイアイサー。」と敬礼した。
どうやらいつもの調子に戻ってきたようだな。
俺達は無双した。
ワイバーン達相手に、それほど時間がかからなかった。
「そこそこ強いとされるワイバーンをこの短時間でやるとは!」と呟く。
「何言っているんですか?」とツクモが呆れた顔をしていた。
「一人強者を気取って見たかったんだ!」と憧れを口にした。
この人、本当に大丈夫だろうかと言う視線で見ている。
「どうして私はこの人を・・・」と嘆いた。
「何か言ったか?」
「いいえ何も。」
そんなことを気にせず亜空間に放り込む。
シェリーとファーに任せたのだった。
「なぁ、ワイバーンの肉って美味しいのかな?」
「さぁ、この映像を見る限り美味しいのでしょう。」
そこにはワイバーンの肉をステーキにして、美味しそうに食べる野盗たちがいたのだった。
「ジュルリ。」とよだれが垂れてきた。
「テト様、一言いいましょう。」
「何かな?」
「赤ちゃんにはまだ早いでしょう。」
「ああ。」と納得する。そしてその意味を正しく理解して・・・
「はっ!」と俺は固まった。
まるでマンガの吹き出しのように驚愕してしまったのだった。
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