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勝てないボス戦!!

ツクモさんが黙っているのはこの強敵に対峙していたからか・・・

そいつは男?だった。

迷いなく鑑定を放てばなぜか弾かれる。


「俺より強いってことか!」とそいつを睨みつける。


コントローラーを持つが逃げるのボタンを押すが反応しない。

何度も押すが動かない。


「ちょっとツクモさん。」と言うが聞き入れてくれない。


〝これってツクモさん暴走してないか!〟


まるで強敵を求めて戦いたがっているようなあんな状態だ。


「はぁ。」とため息を吐き。

「負けんなよ!」とツクモさんの応援を始めた。


目の前の男が話し始めた。


「貴方は一体、何なのでしょうかね?」と俺達を見ながら言ってくる。

「・・・」


「ダンマリですか?寂しいですね。」と少し肩をすくめて見せる。


男はどことなく危ない雰囲気を醸し出していた。

こちらが一歩歩けば首を搔っ切ってきそうな気がする。

俺の額から汗が出ている。


〝あれはヤバい〟と囁いてくる。


逃げれるのなら逃げるべきだ。

それさえも許してくれないだろうがな。


戦闘が始まった。


まずはツクモさんが鋭い一撃を入れようと剣を振るった。


それを難なく躱すアイツ。


「中々、楽しめそうですね。」


野盗相手に今まで無双していたのが嘘のように、連撃を繰り出してもすべて躱されていた。

向こうは武器を持っていないように見えるが・・・


唯一それだけが勝機に繋がりそうな気がした。

だがそれはどうやら甘かったようだ。


いつの間にか遮蔽物が多い森の中に入り込み。

俺達の動きはわずかながらに制限された。


「くっ!」と俺達は誘いこまれている。


「ツクモさん絶対罠があるよ。」と俺は言ったが・・・聞き入れてもらえない。


そんな時にまず足に絡みついた。

片足が動かないバランスが崩れる所を手、身体に撒きついてくる。


細い糸のようだ。


これはもう、お手上げだ。


全身が糸によって覆われてしまう。


「まさか、この段階で引き千切れないとは?頑丈さだけは・・・伝説級なのかもしれませんね。」とこちらを値踏みしてくる。


〝くっそ!余裕ぶりやがって!〟


「わけがわからないことを!」と俺は言い返した。

そんな声が届くはずがないのに・・・


その男は指を鳴らした。

このツクモの機体は締め上げられているようだ。

細かい振動が来ている。


指を鳴らすごとにまるで糸が生き物のように締め上げ、人型の身体を引き千切ろうとする。


再びコントローラーにコマンドを打つが全然反応がない。


「ツクモ!何があったんだ!」と声を荒げるが、反応が返って来ることはなかった。


そして人型は右手がまず落ちた。

そして左足も外れる。


弱い関節部が悲鳴を上げたようだ。


そうして右足が外れ、左手が落ちた。


相手はここがトドメと首を締め上げてくる。


人型の首が落ちた。


「ツクモさーん。」と声を掛けたが反応はない。


そうして俺はこの世界に来て始めて戦闘に負けた。

圧倒的に・・・この世には強い奴がいることを知った。


身体の部分だけになった人型の中で呆然となる俺。

今になって身体が震えて来ているようだ。


相手がこちらに近づいてくる。


バラバラになった部品を壊すつもりなのか?


そう思うと恐怖で支配されそうになる。


俺の喉が鳴った。


だが、俺は諦めていなかった。


「設置しておいて良かったというべきか?」

それは使うことはないだろうと思っていたボタン。


「これでも食らえー!」と押してはいけなそのいボタンを俺は押した。


それは頭部の自爆ボタンだった。

物凄い破壊力で辺り一帯を焼け野原に変えた。


しかし、その爆発は凄まじく半端なく。

ツクモさんのサポートがない俺は、胴体事ふっ飛ばされて気を失う寸前だった。


「こ、これで・・・」と辺りを見回す。


そんな俺の期待を裏切るかのように奴は糸の中に包まっていた。

まるで蜘蛛の糸に囚われている人のようにぐるぐる巻きになっていた。


「これはあまり優雅ではないのですよ。」と女の声で姿を現す。


その姿はさっきの姿とは違って女の顔をしている。


そう言えばシズクさんが百面相とか言う奴の話をしていたっけ、あまり聞いてはいなかったけど、納得は出来たかもれない。


「ば、化け物かよ。」と言って俺は気を失った。



「ふむ。」と言って辺りを見回す。


頭部が爆発したあの瞬間、私は全部の力を使ってこの糸防御を展開した。

それは爆発を防ぐ事は出来たが、久方ぶりに本来の姿に戻ってしまった。


「侮っていた。」と言っていいかもしれませんね。

焼け焦げ、原型を辛うじてあるかないかの頭部。


「出来れば研究用にして帝国に持ち帰りたかったのですが・・・」と言って周りを見れば胴体部分が無傷で残っていた。


「軽いですね。それに硬い、一体何でできているのでしょうか?」


コンコンと叩いていた。


「悪いがそれを渡すわけにはいかないな。」と声が聞こえてくる。


その者は女だった。

紫髪の上に角が二本生えていて、よく見れば尻尾が生えている。


「亜人か?」と百面相の女。


「ふん、あんなものと一緒にするな、私はリンド・ル・オロチ!」

その女は問答無用で攻撃してきた。


「話しが通じないタイプの亜人か?」と疑問を呈した。

「私は龍人族と言うことになるらしいぞ!」と暴力的で圧倒的な拳を振るった。


この私でも躱すのに精一杯だ。

「強いですね!」

「当たり前だろう!」と睨みつけてくる。

圧倒的な強者、その目に恐怖を感じる。


「こんなことは初めてですね。」百面相は己の敗北を悟った。

「?」と首を傾げる。


「だからこそ・・・面白い!」と言って懐からあるものを取り出して投げた。


「そんなもの私に効くか!」とそれを払い落とす。

「ええ、だからこそ効くのですよ!」と作戦通りだという顔をしていた。


それは煙玉だった。


圧倒的な衝撃が加われば、見る見るうちに煙が広がる。


「ごほごほ、くっそ見えない。あいつどこに行きやがった!」とわめき散らす。


魔法を使おうとして、元の姿ではないことを思い出した。

この姿では中々魔法の制御がうまくいかない。


「この姿の弱点だな。魔法がうまく使えない。なら、ぐぁぁぁぁー。」とそれは叫び声だった。辺りの煙がその声に押されて晴れていく。


夕方のそれが広がり、辺りは先ほどの爆発で焼け野原。


「まぁこんなものか!よし続きをするぞ!」と構えを取るがさっきの女はいない。


「・・・」と辺りを見回す。


「いない!逃げられた!」と地団駄を踏んだ。


その足踏みは辺りを揺らしていた。


「くっそ!次こそはお仕えできると思ったのに!」としばらく地団駄の揺れは止みそうになかった。

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