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神の選択肢

俺とイーツは野盗団の追撃をしていた。

ちなみに裏切った野盗たち、ウナイは男爵領に投降したらしい。


ジョンが捕まった時点でやってられなくなったようだ。


そして俺はゴースとダストの私兵を相手していた。


「全然歯ごたえがありませんね。」と文句を言っているツクモ。

「仕方ないだろう、追撃戦だぞ。もう負け確定の戦い続けたいと思うか?」

「まったく思いませんね。」


イーツの奴は元男爵領の兵を討ち取っていた。

「お前たちだけは許せねぇー。」と闘志に燃えている。

イーツに追われる事で、逃げる速さが増した気がした。


「なんで二人だけでこんな!」とか敵が叫んでいる。


そう俺たちは二人だけで追撃をかけていた。

つまり二人で無双している。

相手はたまったもんじゃないだろう。


「ひぃー」

「助けて―。」とか言いながら逃げている。

まだ何百と残っているのに・・・

この有様だ。


もちろん指揮官がやられていることも大きい。


その一人ゴースは俺がいち早く確保しておいた。

こいつ意外に逃げる判断が的確で、気付いたらいなくなりそうだったからな。



あとはダストを殴って、男爵領の裏切り者はイーツに任せておけば終わるね。


「ミッションコンプリート!」なぜか叫んでいた。


「しかし、そうは問屋が下りないのです!」と現れる男がいた。


なんだこいつ。大剣を肩に担いでいた。

恐らく味方の援護に来たのだろう。


「なかなか強そうですね!」とツクモさんがやる気だった。


しかし、それをイーツは止める。

「こいつには借りがあるので変えさせてくれないか!」と言って剣を構え対峙した。


「その構え、生きていたのですか?」と男が聞き返す。

「はっ、地獄から蘇っただけだ。」

「それは恐いですね。」しかしその男は喜んでいた。

前回の対戦は彼に取っては不本意だった。


こういう風に対峙してそして降したい。

その思いは実は強かったりしていた。


「私はあまり好戦的ではないのですが、貴方となら戦いたいと思いましたよ!」

最後の言葉を言った瞬間に大剣が火に包まれた。


あ、あれは魔剣!と俺の目はキラキラ輝いたのは言うまでもない。


二人の剣戟の応酬が始まった。

凄まじく早く。

凄まじく鋭い。

常人には見えないだろう。


「おおう!」と俺はアイテムボックスからミルクを取り出し飲みだす。


飲み終わる頃にも終わってはいなかった。

時間が経っても終わる気配がまったく見えない。

まるで二人でじゃれ合っているようだ。


「そろそろ追撃かけませんか?」とツクモが提案する。

「そうだな。ふわー。」とあくびをする。


俺は二人を置き去りに追撃をかけ始めた。


「眠たいな。」俺は目を擦った。

「仕方ありません。」と言ってくる。

「赤ちゃんだからな。」

「ちょっと頑張り過ぎですね。」


「・・・」

「・・・」と二人は追撃するとき黙った。


俺はこの時バンとミキシアのことを思い出していた。


「寂しくなりますね。」とツクモが言ってきた。

「ああ、だがこれもそう言う定めさ。俺は裏技を使っているだけ・・・」


「どうしましたか?」とツクモが聞いてきた。

「いや、俺は今何者なのかと思ってな。」


俺は今迷っている最中だった。


それを確認することは、俺自身じゃなくなりそうで・・・

躊躇いの方が大きかったりする。


戦闘に入り、野盗団をボコボコにした。

そして回収。


気付けば子爵領の近くまで来ている。

何人かは逃がしたが、目的は達した。


「帰る前に俺は確認するよ。」とツクモに言った。

「そうですか。」と何かを察していたのだろう。


「ふぅー。」と言って気合を入れた。


ステータス。

俺は俺自身のステータスを起動した。

思えばあの時から違和感があった。


そう辺境伯領で変身を起動した後、そしてもとに戻った時。

俺は凄まじい痛みに襲われた。


この変身と言うスキル一見普通に見える。


しかし、この変身が二段階目だったとしたら・・・

俺に負担が来たのはその変身を定着させるものだったとしたら・・・


そしてトドメに神達が俺の存在のことを言っていた。


俺はそれを知ることが恐かった。


二度目の人生普通の生活でいいと思った。

少しだらけてグーたらして、生きていけれればよかった。


それができない理由を俺は確認をしなければならない。


俺は目を閉じている。

これを開けば俺のステータスが目の前に出ているだろう。


ここで見ないという選択肢もある。

だが、それをして大事な時に何もできないのはたぶん、後悔するだろう。


ここは元の世界じゃない。

人が人を殺し、モンスターなんかも出てくる。

異世界ファンタジーの世界なんだ。

わかっていたことだ。それを理解するんだ。


バンやミキシアが命の尊さを教えてくれた。


そして俺は護りたい人たちがいる。

リースやリッテ、辺境伯領の人達。トッテやシズク、クロードや男爵領の人達。

それにツクモにイーツ。おまけでウッテ。


俺の実の親父。

苦渋の選択で手放さなければならなかった。悲しき背中。

せめていつか親孝行しに行きたいしな。

それにまだ見ぬ母に、弟か妹かな?


いつか会ってみたいものだ。


そうして俺は決意を固め、目を開けたのだった。


そこには驚愕の事実が書かれてあった。


次の選択肢中から進化先を選んでください。


「うん?あれステータスは?」と首を傾ける。


1、野良神 普通の神です。現在の状態ですね。

2、守護神 眷属を増やし護ることに特化した神。

3、疫病神 詳細不明 きっと何か起きる。事が起きやすい?


俺の目の前のステータスはこの三択を突きつけてきた。


良し一旦閉じようと思ってステータスを消すように言うが全く消えない。

「えっこれ消えないの?」と選択肢を選ばせようとしてくる。


「というか人間と言う選択肢がない・・・事が悲しい。」


「この中ではもちろん俺の選択肢は野良神一択。」

それを押そうとしたら急にツクモが動き出した。


「なんだ。なんだ。」と周りの景色が回っている。


気付けば選択肢の項目が消えていた。

間違って何かを押したようなそんな気がした。


「ちょっと待って!俺なに選んだの!」と再びステータスを開こうとして・・・


敵が現れた。


そいつは普通ではない雰囲気を出している。


〝こいつ、強い!〟

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