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疫病神と呼ばれてますが、バレないように影で活躍中!!  作者: 矢斗刃
第二章 ユーグ男爵領vs大野盗団
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スライムのルル!

俺たちは聴覚強化で離れた場所でそれを聞き取っていた。


「おい、今更出て行ってあれ本当は違うの!とか言える感じじゃないんだけど?」

テトは起きて目を擦り、困った顔をしていた。


「それは仕方ありませんよ。」回復して戻ってきたバン。

「うんうん。と言うことであの赤ちゃんはナルミちゃんに決定!」

ミキシアはさっき一瞬意識が誰かに呼ばれたらしく。行動を停止していたが戻ってきたらしい。


「さっきまで俺って言ってませんでしたか?」

「そんなことないよー。」とミキシアが言った。


「ああ、まぁ作った本人がいいって言うならいいが・・・」ちょっぴり残念かな?


「ああ、寂しがってます。また新しいの作ってあげますよ!」と慰めてくる。

「はいはい、次回作に期待してますね!」と適当にあしらった。


「さて、これからどうしようかな?」と再び土人形を出した今度はレベルを上げてね。


その土人形をトッテとシズクさんにけしかける。

ウッテはもう、ダウンした。


「もうだめだ。」とまったく動かない。


トッテとシズクの連携は見事で、まるで長年一緒に行動してきたかのように見える。


「お代わり追加。」この二人のレベルはどんどん上がっていく。」だけどそれもそろそろ限界のようだ。


「ふむ、レベルアップの成長痛か?」ウッテはそれでダウンした。

トッテやシズクさんもそれでダウンしそうになっている。


もはや立っているのがやっとだろう。回復魔法でもかけるか?

いや、いくらレベルが上がってるからって、それに馴染む時間もいるか・・・


ここで打ち止めだな。と最後の一体にトッテが何とかトドメを刺した。

息も絶え絶えに、立ち尽くしている。


「おい、そこまでだ!寝ていろ!」俺は思わず声をかけた。

「お前は一体?」と口に出し倒れ伏す。もはや動けないだろう。


俺がそんなトッテに近づこうとして、首筋に大きなクナイを当てられる。


「それ以上、近づかない、で、くれますか?」と死んでいるような目が恐い。きっと節々が痛いのだろう。


「お前も寝ていろ、悪いようにはしない。」一瞬の沈黙。


その言葉を聞いて安心したのか、倒れ伏すシズクさん。

「トッテさん。」と倒れる前に言っていた。


「二人は知り合いなのだろうか?」なんだかそんな感じがした。


俺達はそんな倒れている三人組を宿屋に連れて行き、街の中を移動する。

城壁と堀なんて俺達にはあってないようなものだった。


まずは服屋でフード付きのマントとシェリーとファーの衣類を買って、なんか店主に怯えられていたが・・・


それから領主邸に乱入して、倒したモンスターを出して食料を渡して・・・


あとはミルクをたっぷり補充して・・・


「こんなもんだっけ?」とツクモさんに聞いた。


「後はスライムのルルに会っていかれたらどうですか?」


「むっ、確かに。しかしルンが厄介だぞ!」

俺は宿屋にいる、テトのお姉ちゃんだと言っている娘の事を思い出していた。


「ルン?」ツクモは会っていなかったな。

「あそこの宿屋の娘だ!ちなみにイーツの娘だ。」


「なるほど。イーツ殿も中々強かったので、その娘となると手強そうですね。」と答える。


「ああ、一度赤ん坊の姿で捕まると逃げ出せなくなる。まるでゲームのボスを相手しているようだった。」とあの激闘を思い出していた。イーツもボスに寝返りそうになる始末だ。


「はっきり言ってもう敵にしたくないんだよね。」とルル頑張ってくれ!応援しているぞ!


とか思っていると視界に飛び跳ねているスライムが見える。


「あれ、どうしたの?」と俺は聞いた。

「お兄ちゃん、助けて!」とスライムが俺にダイブしてきた。



「えーと、要約すると赤ちゃんに疲れて抜け出してきたってこと?」

「うん、だから助けてお兄ちゃん。」となんだか喋り方が流暢なっているような気がする。


「うーん。どうしよう?ツクモはどうしたらいいと思う?」と俺は聞いた。


「連れて行けばいいのでは?」と言ってきた。

確かに連れて行って戦力として見れたらいいのだが、正直このスライムの実力がわからない。


「しかしなー。」と俺たちの弱点は実はこのルンと言う娘なのだ。


俺のお姉ちゃんと言われて情がわかない方がおかしい。

それにイーツの娘だしな。


「正直スライムのルルにはルンを護ってもらいたい気持ちがあるんだ。」と答えた。


「うぇーん。」と泣いている。


「テト―、テト―どこ。」と大きな声が聞こえてくる。それに驚いているルル。

心なしか震えているような気がする。


ヤバいな拒否反応が出ているぞ。


どうするかな?おおうそうだ。

「ルルどうすれば、もうちょっと頑張れそう?」と俺は聞いた。


「お兄ちゃん、なでて!なでて!」と言ってくる。


「おおう。」と俺はなでてやる。なんだかうれしそうだ。

正確にはツクモさんがなでているのだが・・・


「もうちょと頑張れるかも・・・」と言ってきた。

「ごめんな!頼む。ルルしか頼れる奴がいないんだ。」

「うん、頑張ってくるね!」と答えた。


そのスライムが俺の赤ん坊の姿になる。

「ルル。ルンと二人の時には少し、話してもいい。」

「へ?」と答える。


「疲れたのなら、疲れたと言うんだ!イーツの件もある。たぶんわかってくれるだろう。それと喋れる事は内緒にして欲しいと言っておくんだぞ!じゃないとお姉ちゃんじゃなくなるかもって言っとけ!」と俺は俺自身の姿に化けているルルをなでてやる。


「うん。」と納得したようだ。


「お前も俺の?そう言えばルルは男の子?女の子?」と俺は聞いていた。


その答えは・・・・


「うーんと、女の子かな?」と答える。


「えっと?女の子?」と言うかスライムに性別があるのか?


「うん、女の子。」


俺は確認した。


鑑・定・で・!


あっこれバレる。どうしよう。とか思っていると。


「あー見つけた!」とルンが声をかけてきた。

俺達二人は見つめ合った。

「あれ、おかしいな?テトが二人いる?」と疑問に首を傾ける。


そう聞いた俺の選択肢は、ルルを渡すしかなかった。


頑張れ!ルル!負けるなルル!俺は応援をすることしか出来なかった。

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