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疫病神と呼ばれてますが、バレないように影で活躍中!!  作者: 矢斗刃
第二章 ユーグ男爵領vs大野盗団
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ルン

ルン視点のためひらがな多めになっています。

わたしのおとうさんはつよい兵士。


せいほうなんちゃらって呼ばれている。

とってもつよくていつもわたしたちをまじゅうやわるい人から、家族をまもってくれる。


でも、そんなおとうさんがいなくなったって・・・


おかあさん、うそだよね。おとうさんいなくならないよね!

詰め寄っていつもお母さんを困らせていた。


おかあさんはわたしを抱いてくる。

「大丈夫よ。私がルンを護るから・・・」って泣かないでひっしにつよがっている。


そんなわたしたちのところにクロードお兄ちゃんがやってきて、いつもお酒をのんでかえっていく。わたしはそんなお兄ちゃんは嫌いだった。


前みたいに笑ってくれればいいのにっておもう。くらいくらい顔のお兄ちゃん。


だけど、この日はちがった。


見知らぬお客さんがきたとおもったら、そこにおとうさんがいたのだ!


すがたかたちはちがったけどおとうさんだった。

わたしはげんきを取り戻しおとうさんの話しをおかあさんにするけど、聞いてもらえない。


どうしてわかってくれないんだろうか?と疑問におもっていると。

「おかあさんにはおとうさんが見えていないんだ。」とおとうさんが言う。

おとうさんが言うなら、きっとそうなんだろう。

わたしはげんきを取り戻しこの日はがんばって働いた。


お兄ちゃんがきょうも来て、またお酒をのむんだとおもったら、お客さんとけんかになっていた。


またかーとおもった。


途中、おかあさんが悲しそうな顔をしていて。おとうさんがげんき出してとはげましているのが見えた。


「おかあさん、げんき出して!おとうさんも言ってる。」と言ったとき抱きつかれて泣かれてしまった。


おかあさんのこんな顔は見たことがなかった。


さっきおかあさんと話していたお客さんがお兄ちゃんとけんかを始めた。


結果、お兄ちゃんがたおれると、ちょっとスカッとしたかもしれない。

「もっと、しっかりしなさい!」とおもわず言っていた。

その姿におかあさんがげんきを取り戻したような気がした。


そのあと、そのお客さんがお酒に口をつけると、たおれた。


かっこわるかったなー。


でも、かっこよかった。


わたしはこのお客さんにおとうさんを重ねていたのかもしれない。


まわりでおとうさんが漂っているが・・・そもそもわるいのがおとうさんなんだから知らない。とそっぽを向いた。



つぎの日、おにいちゃん達が起き出した。


きのうの敵はきょうのなんちゃらとはよく言うもので、お客さんとお兄ちゃんは仲良くなっていた。


えーと酒友らしい?わけがわからない。るいは友をよぶ。ということだろうか?と不思議なものを見る目でふたりを見ていた。


お兄ちゃんをたおした人があらわれてなんだかんだと、みんなでおとうさんの墓を作ることになった。


見晴らしのいい丘だった。


刺さっている剣はおとうさんのもの。

ボロボロで最後までたたかっていたのがわかる。


お兄ちゃんがけついを言って、おかあさんがその剣にお酒をかけている。

ふたりは抱きついて泣いていた。わたしも抱きつく。


おとうさんは生きているのに、なんで泣いているのかわからない。

火の玉になって飛び回っている。

わたしの顔はどうひょうげんしたらいいかわからないようになっていた。

そんなわたしを見ている子がいた。


なんてかわいいのか!


おもわず駆け寄りそうになるおもいを堪え、がまんする。


わたしはチャンスをものにするおんななのよ!と燃えていた、


チャンスはすぐに訪れ、この子の世話をすることになった。


「かわいい、かわいい。」とあやす。

お父さんがなにか言っていたけど知らなかった。


この赤ちゃんのなまえはテト。

「わたしは今日からルンおねえちゃんだよ!」と上機嫌だった。


おとうさんがまたなにか言っている。

その中でおとうさんがテトと話せるそうだ。


わたしはその言葉には耳をかたむけた。

途中けっこんしてくれるみたいな話しをして、わたしの将来はテトのおよめさんだと硬く決めた。


いっしょに昼寝をすることになり。

テトを抱き枕にしておやすみした。


「?」と起きてみるとテトはいるのにテトじゃないような気がした。

「気のせいかな?」とわたしは気になったが、まだ寝ているこの子を起こさないようにみせの外に出た。思いっきりのびをした。


そうしているとき、あの人たちに会った。

その二人組はおとうさんとおなじ雰囲気をしていた。


その人たちが言うにはこのオオカミの子を、おとうさんがわたしに渡してほしいと言っていたそうだ。

わたしはそのオオカミの子を、ベットまで見つからないように運んだ。


「ふっー。」と一息ついたとき。


「ルン、あんたそれはどうしたの!」とおかあさんが叫んだ。後ろにいたのだ。

おもわず振り返ると、こわい顔をするおかあさん。


「だめだよ!おとうさんにお願いって言われたもん!」

「だから、お父さんは死んだって言ってるでしょ!」とおかあさんが怒鳴ってきた。


「どうして理解してくれないのよ!」と説得する。

「だって!」と抗議するわたし。


そんなわたしたちの所にお兄ちゃんがたちが来た。


「何があったんですか?」とシズクさんと言われている奇麗なおんなの人が私たち二人のけんかを止めた。


お兄ちゃん達がへやのようすを見て、子供のオオカミに気づく。その横でテトが一緒に寝ている。


モンスターとたたかうつもりのお兄ちゃんたち。


「ダメです!」と仁王立ちする。


おにいちゃんたちは戸惑う。


「この子はおとうさんに頼まれたのです!だから、ダメです。」と必死になって言葉をだした。


「ああ。」と言ってたおれそうになるルシールをお兄ちゃんが支えた。

「旦那がいなくなって、私の子が何かに憑りつかれて・・・」と悲しむ。



「見たところ子供のオオカミは動く気配すらなく、ぐったりとしている。」とトッテが言っていた。


「恐らくどこからか入ってきた弱った子を看病するために、ここまで連れてきたんだろう。」と予想を口にする。


お客さんのトッテさんはゆっくりとルンに近づき優しく頭をなでてきた。

「大丈夫だ。俺たちが悪かった。」

そう言ったしゅんかん、ぱっと、あんしんするように顔を明るくするルン。


「この子はね。うーんと、そうココにする!」ちょっと考えながら決めた。

「そうかココか大事に育てるんだぞ!」

「うん!」とげんきよく言った。


おかあさんは気落ちしている。

おにいちゃんはそんなおかあさんに・・・


「ルンは元気に振舞っているようだが、ああ見えてやっぱり寂しいのかもしれない。だから、あのオオカミのことを助けたんじゃないかな?だから、許してやってくれないか?」とお兄ちゃんが説得する。なんだか昔のお兄ちゃんに戻ったみたいでうれしかった。


「はぁーわかりました。これもあの子のため。」とおかあさんはなんとなっとくしてくれたのです。


「ルン、しっかり面倒を見るんだ。もし見ないと食っちゃうからね。」とおかあさんがこわく見えた。


「・・・うん。」と最初はおかあさんをこわがったが、決意をこめて頷いた。


わたしはベットにむかいココをなではじめた。


「へへ、良かったねココ!テトも!」そう言って両手でふたりに抱きついた。



わたしは今日、ふたりの家族を手に入れた。将来この日をわたしは忘れないだろう。




〝おにいちゃん早く戻って来て!〟


もう一人の家族、テトに変身しているスライムのルルは思っている。

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