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疫病神と呼ばれてますが、バレないように影で活躍中!!  作者: 矢斗刃
第二章 ユーグ男爵領vs大野盗団
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悩む策の閃きは・・・

トッテ達はクロードを担ぎながら街に帰っていた。


「ぐはーっ。」と宿屋の椅子に腰掛ける。

クロードは先ほど宿の部屋へと連れて行った。


「なんというか、もう何が起きているのかわからない。」

モンスターを倒していたらやられそうになって、クロードの目の前に剣が出てきて、おまけにあの人型のモンスターだ。


モンスターに見逃された。

それだけで、わけがわからなくなる。


「リビングデッドって奴か?」物凄く強く、そして賢かったりする。

グールから進化したとかいう奴もいるらしい。

そんな強敵にあたって、良く生きていたと言うべきか・・・


悪運だけが強い男ウッテを見た。


「これで証明されたな。」とトッテはウッテに言った。


「な、何がですか?」と汗をかいている。


「お前の方がテトよりも、トラブルに巻き込まれやすいと言うことが・・・」と頷く。

「そうですね。ウッテさんはもう、ここで大人しくしておいた方がいいのでは。」


「ちょっと、シズクさんまでやめてくださいよ!」慌てながら抗議する。


まぁそんな風にウッテをからかってないとやっていられないのだ。


「魔の森は恐い所だったな。」としみじみ言う。

「ええ。」

「もう行きたくないっす。」と帰って来てから逆に元気になってないか?


「ほら、お待ちどーさん。」と女将さんのルシールがオークのシチューを出してくれた。


「おお、うまそうだ。」と言って食べる。おおう、なんか泣けてきたぞ!

「生きているって素晴らしい。」とか言いながらウッテも泣いている。


シズクは冷静に食べていた。

「美味しいですね女将さん。」


「あんたらのおかげで美味しいもん食える。あんがとさん。」と感謝を伝えてきた。


「まぁきつかったけど、悪くはなかったかな。」と言って照れる二人。


「ふふ。」とそんな二人を見て笑うシズク。

「こういうのも悪くないですね。」と言った。



トッテ達は食事を終えて、作戦会議の時間に入っていた。


「さてどうしようか。」と言って二人を見た。


「逃げた方がいいんじゃないすか?」と提案するウッテ。

「そんなことできるわけないだろ。もっと真面目に考えろ!」とゲンコツ。

「私も出来ませんね。」


「痛!」と頭の上を抑える。


総スカン(好きではない)された。


「おいおい、十人くらいしか領の警備についていない。となると辺境伯様に助けを求めるのが筋だろう。」ウッテは正論を投げかけた。


「珍しいなウッテがまじめに答えている。まぁそうなんだがな、それはできない。」と首を振る。


「なんで!」と意外にも立ち上がるウッテ。


「今、辺境伯様は王都に行かれている。次の辺境伯継承のためだ。」


「うそー。誰ですか次!」と詰め寄るウッテ。

「リースだ!」

「そうっすか、ここ詰んだ―。」と椅子にもたれかかりながら、やる気をなくす。



「シズクは何かいい案はないか?」

「うーん。現状取りうる策は・・・逃げるか、戦うです。」

「俺も同意見だ。」二人は頷きあう。


「まず逃げる意見、これは厳しいでしょうね。魔の森が広がり、そっちに逃げることはできない。」

「ああ、魔獣が出るからな。しかもどこに強い魔物がいるかわからない。」


さっき戦ったオークチャンピオンや、人型のモンスターとあたれば逃げる街の住人に被害が及ぶだろう。下手したら全滅だってありえる。


「それに子爵領へと逃げる道は、関所で封じられています。無理ですね。」


「さてそうなると、戦うって選択肢になるが、そもそも十対何百とか言うレベルじゃあ、話にならない。」


「やはり防衛線は厳しいですか?」と声をかけていた。


「ああ、まぁそれでも最後まで抵抗しなきゃいけないだろう。俺は兵士なんだよ。最後まで民を護ってやりたいんだ。」決意する。


「トッテさん。」と手を重ねてきた。


その手を振りほどかなかった。俺も弱気になっているようだ。



「どう勝ちにつなげたらいいでしょうか?」とシズク。

「わからないな。」ともはや考えが浮かんでこない。


そんな時、シズクがルンに抱かれているテトを見ている。


「どうした?」思わず聞いていた。

「うーん、いや勘違いのようです。」

「?」

「まるで誰かが別人のように見えましたので・・・こちらの話です。」と答える。


「そんなことあるかよ。」と笑った。

「そうっすよ。恐いこと言わないでください。」といつの間にか片手にジョッキを手に、お酒を飲み始める。


「ぷはー。美味しい。女将お代わり。」と再び要求。


「はいはい。」と答える。そう言う客を相手に商売上手なのかもしれない。


「あーあ。」とウッテに呆れるシズク。


「あーあ、おはよー。」とか言いながら、階段を降りてきたクロード。

こちらのテーブルにやってくる。


「おっ、酒飲んでいるのか、俺にもくれよ!」とジョッキの奪い合いが始まった。


「クロード兄弟は別の頼んでくださいよ。」と己のジョッキを死守しようとする。

「兄弟なら同じ酒を分け合う仲だろう。」とそんなウッテのジョッキを掴んでいる。

「なら兄弟なら酒を分けてくれるっすか?」


「・・・ああ、分けてやるぜ!」

「今、間があったじゃないっすか、やっぱり独り占めだ!」

「疑い深い奴だな!」と言い争いを続ける。


「いい加減にしなさいよね。」とシズクが切れた。

「そもそも、いい大人が・・・」とか説教している。案外面倒見がいい奴なんだよな。


そんな二人の喧嘩と、シズクを見ていた。


その時、トッテは閃いた。


「これだ!これしかない!」と立ち上がる。


「「うん?」」と二人は首を傾け。


シズクは何かを悟ったように頷いている。


「しかしそれは・・・」

「わかっている。」


「だから、二つの策を合わせてやる。それしかないだろう。」


トッテは両手を合わせながら言った。


「やっと希望が見えたぜ!」と、ほっと一息付いた。



「ルン、あんたそれはどうしたの!」と大きな声で女将さんが叫んでいる。


「何かあったんでしょうか?」

「見て来よう。」

「俺も行くぜ!」とクロードがウッテをボコり終えたようだ。


「だめだよ!お父さんにお願いって言われたもん!」

「だから、お父さんは死んだって言ってるでしょ!」と母娘の喧嘩のようだ。


「どうして理解してくれないのよ!」と説得する。

「だって!」と抗議する娘さんの所に俺たちがやってきた。


どうやら娘の部屋の前で喧嘩しているようだ。

「何があったんですか?」とシズクが二人を止めに入る。


俺たちはその部屋の中を覗いた。


そうしたら・・・

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