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疫病神と呼ばれてますが、バレないように影で活躍中!!  作者: 矢斗刃
第二章 ユーグ男爵領vs大野盗団
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オーマイガー!

「さてと、休憩は終わりだ。」と起き上がる俺。


次は・・・

「次は何をするんですか?」とバン男爵。心なしか目が輝いている。


「ふふふ、バン男爵よ!よくぞ聞いてくれた。」と俺は赤ん坊なのに同志を得たような心境だったと思う。


「これから俺は、自分専用の人型機動ゴーレムを作る!」と決意を述べる。

「おおー。」と感動するバン。


「はー。」と子供になったような夫に溜息を吐くミキシア。

「時々、子供に帰るのよね?まぁそう言うところもいいかもだけど!」と自分の顔に指を当てている。


「しかし、今までのゴーレムは私たちのような、魂が憑り付いたことで動いたのであって、他のゴーレムとは?」と聞いてくる。


「ふふ、助手君!そこはそれ、この世には魔力があるのだよ!」

「おおーテト様は魔法が使えるのですね!」と驚く。

「うむうむ。」と鼻を高くする。


「それは凄いことです。魔法が使える人なんて極々一部なんですよ!」と答える。

「そうなのか?」と俺は聞き返す?


「はい、あの辺境伯様の所にいる魔術師でも、両手の平で数えるほどしかいないらしいのです。」と説明してくる。

この世の事情に疎いから助かる。


「なるほど!それはもったいない!お前たちもたぶん使えるのではないか?」と俺は何気なく言ってしまった。


「え?」と聞き返すバン。

「うん?」とミキシアも聞いてくる。


ミキシアは意外に話しを聞いていたようだ。と二人が俺ににじり寄ってくる。

二人の顔がドアップで俺に迫ってくる。


〝恐い!゛


「あのお二人さん?近い、近いから!」と俺は抗議の声を上げる。


「ねぇ、テト様。魔法教えてくれますよね!」とミキシア。

「テト様。魔法、魔法!」と目が少年のようだ。


「ははは。」と顔を背けた。


ゴーレム人形の身体で、両方の肩を二人が掴んだ。


「ちょ、ちょっと!痛い痛いから!」


「さぁやりましょう!」

「教えてください!」と二人はマジだ。


「はぁ、仕方ないな。簡易鑑定!」あまり使いたくないが・・・

簡易鑑定とは、知りたいことを知りたいものだけ引き出し、その結果を表示するスキルである。


バン 火、土。槍術。小内政。

ミキシア 火、土、回復。弓。


「ふむふむ、あれ意外とこの二人優秀なんじゃない?」と俺は思った。

「意外とは心外です。」とちょっと落ち込んでいるバン。

「それで結果は?」とワクワク顔のミキシア。


この二人、ゴーレムを己の身体のようにうまく使っているな。

まぁ、馴染んでよかったと言うべきか。


「ああ、まずはバン男爵は火と土、後、槍術を使えるようだ。」小内政ってスキルがあるけど、今はいいだろう。

「おおー。」と喜んでいるバン。


「えーとミキシアさんは火と土、あと回復が使えるな。」と声をかける。

「まぁ、そう言えばよく怪我をしたお兄様達を祈っていたことがあります。回復が速かったような?あれは魔法だったのですね。」と最初は口に手を当てて驚いていたが、目を輝かす。


えーと、この二人似た者夫婦なのか?


「しかし、火と土?」と考え出すバン。

「どうした?」と俺は聞いた。

「いやどうして、ミキシアと同じ属性が発現したのか考えていたんだ。」

「へぇー。」と驚く。


スキルに小内政って言うのがあるから、意外に研究とかも好きなのかもしれない。

領主とかだったから、内政とかよくするために頑張っていたのだろう。


「ああ、魔術の使い過ぎには注意してね!」と振り向いたら、それぞれなんか魔術使い始めていた。

「さっき聞いてきたこともういいのかよ。」と呆れた。


「できた。出来た。」と喜ぶミキシア。

「おおー、私が魔法使いになるとは・・・」と感慨深げなバン。


ああ、まぁ。放って置こう。

魔力がなくなって、後で痛い目に会うだろう。


たぶん二人の火、土の魔法を使えるようになったのは、死んで魂の状況になったことで火の魔法を、それにゴーレム人形に乗り移ったことで、土の魔法を発現したのかもしれない。


それに・・・いや今は気にしてはいけない。




「さて俺のゴーレム機体の作成だ!」


基本的にはイーツタイプをベースに・・・

身体を作り。角も付けよう。カッコいいから!


後、俺の機体は一つ目にして集音できる機能もつけてっと。

髪は・・・要らないな。鼻も要らないかな。


それでいて俺が乗れるコックピットを作り。


あとは空調設備がいるな。空気の入れ替えができるように目に見えない穴を作る。

しかし、攻撃を遮断できるように何層も重ねよう。


たぶん大丈夫かな?


自分自身を固定するためのベルトをつくって。


ちょっと上半身が大きくなった。

調整して足もとを太くして重心を調整。


バランサーは後で乗りながら調整するとして・・・


手は少し細い感じでもいいかも、バランスが大事だ!


頭にある一つ目から映像を取ってくる。

頭に他に二つのサブカメラを併用して、配線から映像を引っ張ってくる。


「いや、ここはファンタジーだったな。」と思って思案する。


周りをすべて可視化して見えるようにしよう。


この映像機能をいや、サブとして残すか?

一応つなげられるようにしておこう。

それに頭にはもう一つ面白い機能をつけて!


中でゴーレムを操作するゲームのようなコントローラーを作り。

ハードからの接続により、コントローラーからの魔力供給。


いや、こっちも操縦できるようなレバーも予備に作ろう。

そこからの魔力供給もプラスして・・・


足で踏み込む場所も作るか?

いや、赤ちゃんの踏み込みはまだ力が弱い、あくまで補助的にしながら・・・


そう考えるとコントローラーも調整がいるか?

赤ちゃんの指をにぎにぎし。

俺の目の前にあるコントローラーを操作する感じで調整をかけて・・・


「強化!強化!」と強度を上げていくボディ。


俺はそのコクピットに浮かび上がり乗り込み、乗り心地を確認。硬いな。

もっと柔らかく衝撃を和らげる土のクッション。

ジェルのように柔らかく!滑らか。

包み込むように、包み込むように。


あ、これってチャイルドシートだ!


角まで生やしてカッコいい機体なのにチャイルドシート。


カッコいいはずなのに!カッコ悪い。

そんな人型ゴーレムの機体が出来上がった。


「はぁ、まぁ仕方ない。これで最終決戦には参戦できるだろう。」と思った。



コックピットで俺は起動するためのボタンを押した。

機械のような周りの景色が一変し、外の様子が360度映し出される。

「ファンタジーだから、このくらいできると思っていたけど凄いな。」


バン男爵とミキシアさんのゴーレムが横たわっている野が見える。

魔力切れだろう。


コントローラーから魔力を供給する。グッと握り込んだ。


「名前は何にするかな?試作型だしなー。あっ、ツクモにしよう!」

うんうん、いい名前なんじゃないかな?


「よろしくなツクモ!」と俺は声をかけていた。


「はい!」と、なぜか機械音の返事が帰ってきた。



「・・・」

「・・・」と無言になる。


「オーマイガー!」と、俺が叫んだのは仕方ないことだと思う。

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