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疫病神と呼ばれてますが、バレないように影で活躍中!!  作者: 矢斗刃
第二章 ユーグ男爵領vs大野盗団
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丸型ゴーレムの脅威!

俺たちは山から登り、降りを繰り返した。


そうここまで何もなかった!

愕然としている僕。

「うあー。」と俺は暴れたね。


「なんだ、なんだ。」と言うトッテ。


「あうあうあー。」抗議ですよ抗議!ファンタジーを体験したいのに!

何もないだなんて!俺は・・・悔しい!


「道が道だから、退屈したかもしれませんね!」と言う女忍者さん。

「あうあうー」そうそうと頷く。


「はぁーまぁここまではいいんだよ。」と言うトッテ。


「そうね。」と頷く。

「えーと、どういうことですか?」ウッテは聞く。


「この向こう側と、こっちはヤバさの質が違う。」説明してくれる。

「ゴクッ」と息を飲むウッテ。


「あうあうあー。」お前いたのか?

「ひどいひどいですよ!」となぜかわかっている風に答える。

「そんなこと聞いてませんよ!危険手当出ますよね!」必死だ。


「さぁな、一応言うつもりだ。」と説得する。

「話しを続けるぞ。この山を超えたら、魔の森に隣接するんだ。そこはとんでもなく強いモンスター達がウヨウヨしているらしいぞ!まぁ聞いた話だが。」

「行ったことないんすか?」

「ああ、ない!行く必要がないのに行くやつはいない。冒険者か商人くらいのものだ。」

「辺境のさらに果てですからね。」首を振るシズク。


「そんな所で兵隊やっている人って。」と聞き返すウッテ。

「ああ、強いぞ!俺よりも強いかもしれん。」と答えた。

「へぇーそうなんですね。」


「さてと見えてきたか!」とトッテは言う。

そこには大きな洞窟があった。


「これは?」と聞くウッテ。

「ダンジョンだ!と言っても通過するために出来たダンジョンだからな。」


「あうあう?」えっそれってどういうことと俺は首を傾ける。

「この世にはダンジョンマスターって奴がいるらしい。そいつがこのダンジョンを作った。あれなんで俺は説明しているんだ?」首を傾げるトッテ。


「あうあう!」おおう、これぞファンタジー!


「だが、ここのダンジョンは・・・ヤバいからな。死ぬなよ!」と俺たちに向かって呟く。


俺たちはその洞窟ダンジョンの中に入り、ゆっくり進んでいく。

中は光が所々転々とつけられている。なんだダンジョンの土や岩が光っているのか?

警戒している女忍者のシズクさん。


「ガコン。」という音がして、矢が俺めがけて飛んできた。

俺は恐怖した。

それを振り返って剣で弾くトッテ。


「ごめん、うかつだった。」と謝ってくるシズクさん。テヘペロしている。

「あうああー。」俺は恐怖で錯乱したかもしれない。泣きじゃくる。


ファンタジー恐い!


またガコンという音がして今度はウッテに矢が飛んでいく。

それをシズクさんがクナイで落とす。


「ウッテぼさっとするな!死ぬぞ!」と声をかけるトッテ。

「このダンジョンはトラップだらけだからな。」カッコいい顔で言うトッテ。

しかしそのトッテがガタと踏んでしまった。

「あっ」と自分のミスに気づき青ざめる。


今度は大きな丸い物体が転がってくる。


「逃げろ―――。」とトッテの掛け声で俺たちは全速力で駆けだした。


ある程度走っただろうか。

前に細い平均台のような道がある。


「あれは無理―。」というウッテの声が聞こえる。

何が無理―なのかわからない。

俺はトッテの背中で迫りくる丸い物体を恐怖の面持ちで見ていて、前方で何が起こっているかわからないのだ。

俺はさらに泣きじゃくる。

「ぎゃー。」もはや悲鳴に近かったのかもしれない。


そんな中、俺は見てしまった。

この四人がいる場所を、一本の細い平均台のような場所を走っている。


周りは崖だ。

俺は高所恐怖症だった。これは無理だった。

たぶん赤ちゃんになって一番泣いたかもしれない。

そして一番暴れたかもしれない。


それがいけなかった。

俺は俺を支え固定していた布からこぼれ落ち、崖下へと落ちていく。


「テト様!」俺が落ちていく所をシズクさんが抱きつき落ちていく。


「シズク、テトーーーー。」と叫ぶ声がなぜか良く聞こえる。


シズクが力いっぱい俺を抱きしめる。

このままじゃ地面に激突して死ぬ!


何とかしないと世界はスローモーションのように見えた。

その時間が俺に考える時間を与える。

どうする。何がある。何ができる。


俺のせいでシズクさんを死なせるわけにはいかない!


水、大きな水をイメージ、その中に粘土のような柔軟性。

衝撃を和らげる。クッションのような水!


「あうあー。」アクアクッション!と落ちきる間際に発動。

俺たちはそのクッションで弾み、不時着した。


「ここは一体どこに。」最後の瞬間に目を閉じたのだろう。

何が起こったのか把握していないようだ。


俺も投げ出されている。

どこか痛いような。と感じたら魔力が身体に巡り痛みが勝手に引いてきた。


ふむ大丈夫なようだ。

「あうあうあー。」と勝利の雄たけびをあげた!グーを天に突き上げた。


「さてどうしましょうか?」と悩んでいるシズクさん。

どうやらシズクさんも無事のようだな。

近づいてきてギュッと俺を抱きしめる。


「あうあーあ。」と俺は元気づけた。


しかし、そこにあるものが降ってくる。

それは俺たちを追いかけてきた丸い物体。

俺たちは一転窮地に立たされる。


ズドーン!という音とともに、辺りに土煙が舞う。


何とか躱せることが出来たみたいだ。

シズクさんは立ち上がり警戒する。

なんだか緊張しているみたいだ。


「?」と思っていると。


その物体が動いた!


シズクさんは俺を背中に括りつけ、戦闘態勢に入る。

なんという早業!

「岩ゴーレムなんて、私と相性最悪なんですがね。」と一応はクナイを構える。


物体がその場で回転を始める。


俺は周りを見た。

なんとか抜け出せる道はないかと考えたが、見当たらない。


万事休すかと目を閉じ悔しがる。

何とか躱し続けるシズクさん。


「くっ。」と転びそうになる。

何本かのクナイを地面に投げ、その物体の軌道を変えるのに成功する。


「これもあの人を置いて行った罰ですかね。」と言葉を漏らす。

俺の耳は聞こえていた。

足音がどこかで聞こえる。


こっちに向かってきている。

洞窟だから、反響して場所が特定出来ない。

こういう時は気配察知!


あの大きな岩の向こう!

そこから声が聞こえる。

「くっそ!ここで行き止まりか!」と悔しがるトッテの声が微かに聞こえる。

「向こうなんかすっごい音してますよ!ヤバいですよ。」とウッテ!


なんかその声を聞けば安心するなウッテよ!

「あうあー」と言って俺はアクアカッターを放った。


岩が崩れる。


「なんだ。何が起こった。」と慌てるトッテ。

「だからヤバいって言ったじゃないですか!」と抗議を上げ続けている。


俺は戦闘に集中しているシズクを叩いてトッテがいることに気付かせる。

シズクは一瞬でそれに気付き、逃げ出す。


「逃げますよ。トッテさん、ウッテさん。」と先頭を走り始めるシズク。

トッテとウッテもそれに続いて走り出す。

彼らが降りてきた階段を昇り始めた。


後ろからは丸い物体が追いかけてくる。

「「なっ!」」と二人して驚いていた。

あの丸い物体が昇り階段を追いかけてきているのだ。


「あれは丸い形をしたゴーレムです。このダンジョン内にいる限りどこまでも追いかけてきますよ。」と警告した。

必死の形相で走り出す二人。


「ここを登り切った先に光があった。きっと出口だろう。」とトッテは答えた。

「そうですか、先行お願いします。知らない道だと、行動が遅くなりますから・・・」

「ああ、わかった。」そう言って先に走り出す。

ウッテもそれについて走り出した。

シズクさんは後ろで殿だ。


「ええい、しつこい殿方は嫌われますよ。」とクナイを投げた。

「一発だけの必殺技です。食らいなさい!」

物体にクナイが刺さると爆発した。


「これで少しは足止めに・・・なりませんでしたか!」と丸ゴーレムは無事の姿を見せる。

多少は傷ついているかもしれない。そう信じたい。


「もう少しだ頑張れ!」と言ってくるトッテ。

ウッテはバテバテだったりする。きつそうだ。


「良し出た!」とトッテは安堵する。

ウッテは疲れて倒れた。

シズクもダンジョンから出て、その丸ゴーレムを見たら、こちらを睨んでいるように見えた。


その場から去って行く丸ゴーレム。シズクは安心してほーっと溜息を着く。


その異変に最初に気づいたのは意外にも俺だった。

皆が皆安心しているように見えているが・・・どうやらトッテもちゃんと気付いたようだ。



そうダンジョンを出た場所はゴブリンの村中だった。


もうダンジョンは懲り懲りだと思ったら・・・


モンスター達のど真ん中に出ちゃったよ!


どうするよ!?

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