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疫病神と呼ばれてますが、バレないように影で活躍中!!  作者: 矢斗刃
第二章 ユーグ男爵領vs大野盗団
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新たな戦いの予感

拝啓 


くそったれな上司様いかがお過ごしでしょうか?

私が仕事を辞めたあと困っていたら幸いです。


そして今、私は死んでしまって・・・天国にいます。


メ・イ・ド天国に・・・



「ミルクですよ。ミルクはいかが!」と哺乳瓶を掲げている。

「おパンツ変えましょうね。」は、恥ずかしい。

「バブーですよ。バブーです。」とバブーを言わせようとしてくる。

ほっぺをツンツンしてくるメイドたち。


ふっ、勝った!

あの上司にこの姿を・・・うん、見せるのはちょっとな。


もう一度言いますね。

俺は今、メイド天国にいます!とドヤ顔。

そんな顔をするとキャーキャーと言っている女たち。


「あうあうあー。」ふっ勝ったな!とあのくそったれな上司の顔を思い浮かべて言った。




そこは男爵領、外れの街道。


クロードはユーグ男爵領軍に従軍してある場所に向かっていた。

先日男爵を殺害した。野盗団の討伐である。


野盗団と言えば、装備が貧弱で弱いと言うイメージがある。

俺たちも例に漏れず、今回の戦いは楽勝だと皆が皆この時、思っていたのだ。


それは夜が深くなる時。

ちょうど0時くらいだったと思う。

馬蹄の音が響いてきて、俺たちはなすがままに蹂躙された。


「クロードお前は逃げてこのことを男爵領に伝えよ。」

剣戟や魔法が飛び交う。やられていく同僚達の声。

俺がどうしようかと棒立ちになっていると声を掛けてきた男がいた。

討伐隊の隊長のイーツ、親父だ。


「しかし、それじゃ皆は?」と俺が呟く。

親父は強引に俺を馬に乗せ、鞭を打たせ走らせた。



「親父、親父ーー!」と俺は馬を駆けながら叫び続けたのだった。


「おうおう、この俺の前に前に立つとは勇敢な男だな。」と男は言った。

それを睨みつけるように見るイーツ。


「どうしたかかってこないのか?」とすでにイーツは辺りすべて敵兵に囲まれていた。

「お前たち裏切ったのか!」と元男爵領兵の奴らがいることに気づいた。

こいつら確か男爵の護衛のそれに・・・

「今回連れてきた奴等も裏切ってるのか?」とそいつらに向け剣を向ける。


「そんなこといいなさんなよ、イーツ隊長。しかしこれで、男爵領の兵はあまりいなくなりましたね。ふふふ。」と笑う。


「それはどうかな?ここでお前たちを切り伏して俺も帰れば一人は増えるだろう。」とそいつらに剣を向けた。


「お前。」と言って後ずさる兵達。隊長の圧に押された。


そのことが悔しいのか。

「お前たち一緒にやるぞ!」と全員に攻撃をされ、そのこと如くを捌いていくイーツ。

「どうしたその程度か!」

すでに身体強化を掛け、強くなっているイーツ。


しかし時間が経つにつれ形勢は逆転していく。

生傷が増え、すでに魔力は尽き、立っているのがやっとだ。


「さすがですね。西方五剣は伊達ではないようです。」と前に出てくる男。


「ああん?」


「しかし、ここまでのようですね。では良い死出の旅路を・・・」その男は大剣に炎を纏わせイーツを切った。


〝ああ、クロードすまん、お前に重荷を背負わせることになる。〟と思いながら、夜空を見上げながら、逝った。



「・・・敵ながら立派な男だ。惜しむらくは戦場で会いたかったことか。」と大剣を持った敵の将が言う。


「何をバカなこと言ってんですか?」と先ほど敵将を挑発していた男が言っていた。

顔が恐怖で歪んでいたさっきとは違い、今は喜悦に変わっている。


その敵将に近づいて遺体を蹴りだした。


「こいつ、こいつのせいで、僕は・・・僕は怪我をしたんだぞ!おい起きろよ。」と何度も蹴る。

大剣を持った男は、死屍累々な周りを見て溜息をついた。


「そんなことよりやることがあるのではないのですか?」思わず声に出していた。

「ああん?」と蹴っていた男がこちらを見る。


「ふん、気に入らない男だ。子爵家から派遣されてなきゃ、僕がリーダーなのにな。皆、子爵領で手当を受けるぞ!ふん、男爵領などすぐに僕の物にしてやる。」と言って去って行く。


「はーお守りも大変ですね。」と一瞬後ろを振り向き、その男の遺体を見た。


「これで一つ王国の大事な駒が消えたか。」と敵の冥福を祈るラーズ辺境伯領、元隊長ゴースがいた。

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