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私は考える
声が聞こえて、私は目を覚ました。
私は□□□□□。その事実をただ反芻する。それ以外のことを一つも知らなかったから。私は□□□□□、その事実にすら少し違和感を覚えたけれど。不便というわけでもないし、気にする事でもない。
次に私を起こした声について考える。
それは怒りの声だった。そうそれは、どこまでも純粋な怒り。
なぜ私の領域を侵したのか。どこまでも単純明快な怒り。
とっても怖い人だけど、私は彼に感謝しなければならない。その怒声が天に轟かねば私が目覚めることもなかったと思うから。ふふ、でもきっと本人はまるで興味を持たないだろうなあ。彼の声を聞けば誰にだって分かる、彼がそういうモノだということが。
そして、私は考える。これからどうしたいのか。
少しばかり高い丘の上。私は一人考える。
ふと、また新たな声が聞こえた。それは私を呼ぶ声。私に語りかける声。
さて、これからどうしたものか。
私は一人考える。