表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
大罪持ちの復讐計画  作者: 晴
幼少期編
5/29

異-2 二つの願い

 異世界に転生して二日が経った。

 脳内が破茶滅茶に混乱していた二日前とは違って、今は冷静に物事を考えることができるようになった。


 まずわかったことがある。僕に授乳してくれる美少女は、やはり僕の母さんらしい。

 授乳の度に「お母さんでちゅよー」と言うので、まず間違いないだろう。

 あんな美少女が母であれば、僕が美男子になることは約束されたようなもんだな。


 ちなみに僕がいる部屋は縦横四メートルの正方形で、僕のベッドは扉から離れた位置に置いてある。

 あと重要なことがわかった。僕がいるのは洞窟の中の一部屋だ。壁は岩でできており、窓は一切ない。なぜこんな場所で住んでいるのかはわからない。


 天井には照明器具が吊るされ、ぼんやり燐光のごとく輝いている。

 電気で動いているようには見えないが、動力源はわからない。


 そして今は神様との会話を思い出していた。

 神様は僕の願いを叶えてくれると言っていた。

 僕が願ったのは二つ。


 一つ目の願いはは『相手の能力を奪う能力』。

 これは実現可能と言っていたので、その能力を有しているはずだ。

 自称神様が嘘を言っていなければの話だが。


 あの白髭オヤジは最後の僕の願い、『ハーレム』を無視したのだ。信用ならない。

 しかし能力の確認方法がわからない。


 そもそもどうやって相手の能力を奪ったことがわかるのだろうか。

 そもそもこの世界の人間は魔法以外になにか特別な能力など持っているのだろうか?


 時間がなかったにせよ、安易に決めてしまったことを後悔し始めている。

 あの時へ戻れるなら、まず最初に願うのはハーレムだろう。


 二つ目の願いは『チート能力』。

 チート能力といっても具体的なことを言ったわけではない。

 あの時は頭が混乱していたので、どんな能力かは神様に任せた。

 まさに神頼みってやつだ。


 これも確認のしようがない。





 あれ。


 もしこのまま確認もできず能力も発揮できなかったら、普通の人間と変わらなくね。

 いや、前世の知識を持っているから、一般ピーポーよりは遥かに優れているはずだ。

 でもせっかく持っているのに使えなかったら、宝の持ち腐れというやつだ。


 んーーーーーーーーーーー。






 早くおっぱいの時間こないかなー。


 暫く考え込んでみたが、全くいい案はでてこなかったので考えるのを辞めた僕。

 まだ転生して二日目だし、そんな急ぐことはないだろう。

 頭を使ったらお腹が空いてきたので、おっぱいの時間が待ち遠しい。


 あーそれにしても暇だなー。

 まだ生後間もないので動くこともできず、ただ天井を見ることしかできない。


(ん、目にゴミでも入ったかな)


 視界右上に丸いボタンのような物が浮いていることに気づいた。

 わずか直径一センチくらい。とても小さく今まで全く気づかなかった。

 目をこすってみるが取れない。


 焦燥感に駆られ、それを手で触ってみる。

 すると目の前に光るボードが出てきた。


(マジか……)


 そのボードはまるでスマホアプリにあるAR(拡張現実)表示だ。

 ボードの下部には三つ『アイコン』がある。

 アイコンを見つめると文字が浮かび上がってきた。


 左から、【職業】、【スキル】、【持ち物】。

 持ち物は触れないのかグレーアウトしている。


 まずは職業から選択する。

 すると職業一覧という画面が表示された。

 しかしそれ以外の表示は何もない。


(まだ職業は得てないってことかな)


 ちょっと残念だったが、気を取り直して次に行ってみよう。

 次はスキルを選択。

 するとスキル一覧の画面が表示された。

 よく見るとスキルが二つある。


 僕は目を二、三度と瞬かせた。


(よっしゃーーーーーーーーーー! スキルあったーーーーーー!)


 嬉しさのあまり、ガッツポーズをとる。もちろん実際にはできないので心の中でだ。


 二つのスキルの名称は、【暴食】と【幸運】。


 暴食は一つ目の願い、『相手の能力を奪う能力』だろう。

 しかしどうやって相手の能力を奪えるのかがわからん。


 暴食っていうくらいだから、食べなきゃならないのか?

 僕って意外と美食家なの。

 人を食べるとか無理。

 いるかわからないけど、さすがにゴブリンやオークといった人型モンスターも無理。


 食べなきゃ能力手に入らないんだったら、僕無理じゃね。


(………)


 幸運はその名の通り、運がよくなるってことだよな。

 これは二つ目の願い、『チート能力』なのか?

 チートっていうくらいだから、宝くじで一等が当たるくらいじゃなきゃイヤよ?


 まあ、きっと今後わかってくるだろう。


 これらスキルにはON/OFF機能がある。

 OFFにする必要はないので、ONのままにしておく。






 試行錯誤してみたところ、ボードはボタンを押さなくても考えるだけで開けれることがわかった。

アイコンも考えるだけで操作することができた。


 ボードの取り扱いがわかったところでやることがなくなった。


(……)


 ぼーーーーっとする。




 考えるのも疲れたし、おっぱいの時間まで寝るとするか。

 寝る子は育つって言うしね。


 早くおっぱい吸いてーなー。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ