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始
この世には二つの人種しか存在しない。
勝ち組と負け組。
家庭環境に恵まれ、挫折を味わったことの無い勝ち組。
大きな壁を乗り越えて、自ら成功を手にした勝ち組。
家庭環境に恵まれず、ずっと燻って生きてきた負け組。
人生終盤になってから転落し、その後這い上がれなかった負け組。
種類は様々だが、根本にあるものは勝ちか負けだ。人生はバトルロワイヤルだ。
なぜ勝った。なぜ負けた。なんて、そんなことはどうでもいい。
今の世の中、結果が全てだ。
結果を残せないものは負ける。そんな単純な世の中だ。
それなら、勝つってなんだろう。負けるってどういう事?
大企業に勤めたら勝ち。理系の国立大学に合格したら勝ち。
フリーターは負け?高卒は負け?
女だったら?男だったら?
恐らく多くの人はこう答えるだろう。
「そんなものは人による」
確かにそうだ。そんなの当たり前だ。
でもね、自分で勝ち負けを決められなかった、親と友達に全部決められた。
そんな人間もいるんだよ。
私、鹿角美琴みたいに。