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複雑だけれど単純で  作者: 朱羅
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妖都へ行きました

過去の世界、平安時代にタイムスリップしてしまった杏。


そこで出会ったのは三大悪妖怪の酒呑童子そして茨木童子。

杏の運命はいかに…


私は少しの間茨様と酒呑様の家で住まわせて貰えることになった


「あの、茨様傷は大丈夫ですか?」


私はずっとさっき血を分けてもらった時の傷を心配していた


「このぐらい大丈夫だって言っているだろ」


引っかき傷だとしてもこれは深すぎる


「…なら少しだけ治させてください」


茨様は私にキズのある腕を差し出した

私が傷に触ると少しずつ傷が癒えたでも私の今の力じゃ足りず完全に回復出来ないのでありったけの力を出した


「おい!もういい少しだけと言っただろ」


茨様は傷のある腕を引っ込めた


「あ、すみません」

「…こいつの女治癒の力で死んだんだよ」

「え?」

「おい、酒呑!」

「お前がいつまでも怖がってるからだろ」


治癒の力は自分の命を削る代わりに人の傷を癒す。

きっとそのせいだろう


「…茨様大丈夫ですよ、この力は私の命を削ることは無いので」

「そうなのか?」


茨様は安心した素振りを見せた


「はい、生まれた時から治癒の力を持っている人は命を削る可能性があります、けれどその治癒力は強大で完全に回復ができます。でも私の使っていた治癒の力は陰陽術であって体力を使い果たすだけです」

「そうか…」


茨様の今の顔は一生忘れることが無いだろう

大切な人を亡くしたんだもんね


「そう言えば杏」


突然名前を呼ばれたので正直驚いた


「な、何でしょうか」

「お前、あの時なんで俺達を守った」

「…探している妖怪が居るのです」


陰陽師の家系として妖怪を助けるなんていけない事けれどこの妖怪達に私の願いを託してみたい


「…わかった、助けてもらった借りは返さなきゃいけないしな。その妖、俺達も探す。良いよな?茨木」


茨様はゆっくりと頭を下げた


「あぁ、当たり前だ。助けてもらったら返すのが礼儀だ」

「ありがとうございます!あ、それと祢々切丸と鬼切丸…髭切には気をつけてください」


二人は顔を顰めてなんだそれと言った

私はその二つの刀を淡々と説明した

祢々切丸は妖怪の妖力を吸い殺してしまう最悪な妖刀。

髪切、別名鬼切丸は茨様の腕を切り落とした妖力

特に祢々切丸は厄介だ

何もかもうまく行きますように






次の日、茨様は私の服だと目立つと着物を買ってきてくれた

実際買ってきてくれたのはそこら辺にいた化け狐だけど…

その着物は黒と赤の着物で蝶の絵柄が書かれていた

今の時代この手の着物は高い着物だろう


「こんな高そうな着物貰ってしまっていいのですか?」


茨様は煙管をふかしながら頷いた

着てみると凄く綺麗で可愛かった


「あぁ…こっちへ来い髪を結ってやる」


私は慣れない着物でいそいそと茨様へ近ずいた


「お前、犬っころみたいだよな」

「え?犬ですか?」

「あぁ、動きが犬みたいだ」


茨様は慣れた手つきで私の髪を結ってくれた

ついでに簪までくれたここまでやってくれる人なんて居ないのではないか?


「うん、似合うな」

「あ、ありがとうございます」


何だか急に恥ずかしくなって顔が火照った


「よし、じゃあ行くか」

「え?何処に行くのですか?」

「…お前が普段行けない場所だ」

「おい、お前ら準備は…」


突然入ってきた酒呑様は私を見るなりときが止まった


「…どうしました?」

「…あ、いや、何でもない。茨木!お前は準備出来たのか?!」

「あぁ、出来た」

「じゃあついてこい」


酒呑様は私の手首を掴んで水龍の元へ向かった

着物で動きづらい私にちゃんと歩調を合わせてくれてるから嬉しかった


「よし、ほら捕まれ」


私が酒呑様に捕まると軽々と水龍の上に乗せてくれた


「じゃあ行くぞ、落ちるなよ?」


その言葉が合図だったのかのように水龍は天へと登った

昨日の夜に比べ朝の平安京は賑やかだった


「凄く賑わってますね」

「まぁそうだろ、ここが平安京だから各地から色々な人が集まる」


そんな話をしながら私達はある場所へ向かった


「ここって」

「東寺はお前達の時代にも残ってるのか?」

「はい、残ってます。観光名所として有名ですよ」

「ほう、じゃあ行くとするか」


茨木さん達は東寺の池で止まった


「え?ここですか?」

「この中に飛び込め」


今の季節は冬、池に飛び込むバカは居ないだろ


「いや、ちょっ寒すぎます」

「大丈夫だ信じろ」


すると茨様は池の中へ飛び込んだ


「ほら、行くぞ」


酒呑様は私の手首をつかみ一緒に飛び込む形で入った


「えっ、まっ!」



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