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複雑だけれど単純で  作者: 朱羅
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過去に行きました

「今日から高校生か」


嬉しいけど行くのが嫌だな…

街中を通り桜並木を通った。

これが私の学校への通学路

この並木道は千年前から存在していると言われている

私は立ち止まり一本の桜の木に手をかざした


「千年前か…どんな世界だったのかな?」


今から千年前平安時代、魑魅魍魎が沢山いた街…

一度でもいいから行ってみたい、特に"あの"妖怪に会いたい

そう思っている時だった一瞬何かが私の後ろを通り過ぎた気がした

その影の方向を見ると路地裏が光っていた気がした

私は迷うことなくその路地裏へ入った

その瞬間沢山の桜の花びらがわたしを覆う、目の前がだんだんと暗くなっていく…




気がつくと体が宙に浮いている感じがした

いわゆる某国のあのマンションみたいな感じ


「あれ、この感覚…本当に落ちてる?!」


下には綺麗な街並みが見える

中央には見たことのある城が見える


「あの城どこかで…ここって京都?!ってそれどころじゃない!」


私は目をつぶり死ぬ覚悟決めたその時だった

何かに抱き抱えられた感覚があった


「娘、大丈夫か?」


目を開けると龍のような生物に乗っていた

龍には私を抱き抱えてくれた男の人の前にもう一人の男の人が乗っていた

よく見ると角が生えている

私は何の躊躇いもなくその角を触った


「…硬い……鬼?!本物?!」

「おい、そんなに暴れると落ちるぞ」

「は、はい!」


今はこの状況より命を優先しよう

龍は急降下し、地面に着陸した


「…お前、人間だよな?」

「は、はい」


さっき前の方に乗っていた男の人が話しかけてきた


「やっぱりそうだよな…俺は酒呑童子だ」

「…俺は茨木童子」

「わ、私は瑞希 杏です!」

「杏か、可愛らしい名前だな」


茨様は私にやさしく微笑んだ

美形なので惚れてしまいそう


「あの、ここって京都ですよね?」

「あぁ、そうだ。それより妙な着物を羽織っているのだな」


茨様は私の服を見ながら不思議な顔をした


「え?妙?これが当たり前ですよ?それに、これは着物ではないですよ?…今何年ですか?」

「784年だ、頭でも打ったのか?」


酒呑様は心配して私の頭をぺたぺたと触って確認をした


「いや、あのでも私のいた時代って2017年なんですよ」

「は?!」

「今から1000年後か」


口をあんぐり開けて驚く酒呑様にたいし茨様は冷静だ

この真逆な二人はあの平安時代を騒がせた三大悪妖怪の一人、酒呑童子様とその家来茨木童子様なのだ

良く考えるとこの時代に"あの妖怪"がいるかもしれない


「お前、行く当てあるのか?」

「いや、全く無いです」


そりゃそうださっき落ちてきたばっかだもんな

その時だった


「お前ら!やっと見つけたぞ!」

「やっと見つけましたね…そこの女子、早くこちらへ来るといい」

「お前ら、また人を連れてきたのか!」

「は?!何でそうなるんだよ!」


何やらずっと言い合っている


「茨木さん、あの方々は?」

「お前、俺達を知らないのか?」

「はい、さっぱり」

「あの偉そうなのが源頼光、そしてあの頭の悪そうなやつが安倍晴明だ」


そういい茨木さんは指を指した


「え!あの安倍晴明?!」

「知ってるのか?」


酒呑様は私を見てきた


「はい、もちろんですとも!安倍晴明は数々のようは倒し、封印し、陰陽師の中でも実力のある人ですよね。そして、あ…」

「何だ?」


みんなが私の事を見てきた

私が茨様の方を見ると何か感じたのか首を縦にふった


「…茨木童子様の右腕を斬った源頼光、酒呑童子様を倒した安倍晴明…です」

「そっか、俺達こいつにら殺されるのか…」

「あ、いや茨様は右腕を取り戻し生き延びたという話です。ですがこれが本当かは分かりません」

「それじゃあ今を謳歌しないとな」


すると突然私達の周りが光出した

周りには複数の札が浮いている


「嘘だろ、これじゃ逃げられね」


茨様と酒呑様は苦しそうにしていたけれど私は何の影響もなかった


「そこの女子こちらに来い」


ここで茨様達を死なせる訳にはいかない


「安倍晴明、源頼光。今すぐ二人を解放して」


突然表情を変える私に驚いたのか二人はその場で固まってしまった


「茨様、少し血を分けてはくれませんか?」

「血か?」


茨様は私の手に血を付けた

私はその血を青く光る地面に押し付け唱えた


「急急如律令」


すると札ははじけ飛び硝子のように割れた

茨様は私を抱え後方に飛んだ

破片が刺さったのか腕が痛む


「お前、なぜ陰陽術が使える」


茨様は私を地面へ下ろしてくれた


「こう見えて私の家系は陰陽師でね」


私は茨様の血を舐めた

やっぱり強いみたい、妖気が体に入ってくるのがわかる


「…なぜ陰陽師が妖怪の味方をする」

「陰陽師の家系ってだけで本物の陰陽師では無い、それに私の命の恩人は妖怪だからね」


私はニコッと笑った

そう、私の家は代々陰陽師としてならなくてはならないけれど私には力はあるが妖怪を見る力は無かった

突然足元が宙に浮いたので後ろを見ると茨様が私を抱えていた


「そろそろ行くぞ」

「あ、はい!」


私達は龍に乗るとその場を離れた






「あの女子、よく考えたな」

「あれ、安倍晴明様が人を褒めるなんて」

「あの術、普通なら出来ないそれにあの血を舐めるとは度胸のあるやつだ」


茨木の血には膨大な妖力があるあの血を舐めると体は抵抗を起こす

それなにあの女子は躊躇いなく舐めて何事も無かった

あいつが欲しい

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