俺のお願い
急いで書き上げたものなのでおかしな点が多々あると思いますがそれでも良いという方は読んでいって下さい!すみません!
あれから一ヶ月が経った。
俺は今、ジーンと一緒に暮らしている。
ジーンは衣・食・住の全てを用意してくれた。お陰で健康的な暮らしを送れているが、全ての世話をされると言うのは落ち着かないものだ。
だが、それよりも困った事がある。それは、ジーンが過保護だった事だ。
最初の5日ぐらいは俺が部屋から出ることを許さず、5日がすぎると歩き回らないことを条件に家の中なら自由にしていいと言われ、1ヶ月後にやっと外に出ることを許されたのだ。まぁジーンと一緒に行くことが条件だったが。
俺は思う、はっきり言って「ウザい!」と。
いや、だってそうだろ。日本では俺は21歳で成人してたんだからな!一人暮らしの方が気楽だったわ!まぁこの世界では見た目は4歳の子供だろうから仕方ないんだが。にしても過保護すぎだろ!俺はめっちゃ暇だったぞ!
あ、言っておくが俺はジーンの家で日がな一日ゴロゴロして過ごしてたわけじゃない。ジーンの家には何故か大量の本があった。勝手に読むのは流石に駄目かと思い、ジーンに読んでいいか聞いたら「別にいいぞ。」と快く頷いてくれた。日本ではラノベ小説を読んでいた俺だ。本を読むのは嫌じゃなかった。まぁ、大量にあっても読みきれなくて困るがな。
だが、今の俺は昔の俺とは違う。暇すぎて時間を持て余しているんだからな。大量の本でも1ヶ月読み続けたら全て読めた。何故か子供向けの題名が書いてある本が異様に多かったからわかり易かった。ついでに言うと、この世界の文字は日本語だった。俺に漫画みたいなチートがあって読めるのか、それともただ同じ文字なのかは分からないがとりあえずは安心した。
そして、俺の知ったこの世界のことについて簡単にまとめるとこうだ。
・この世界には魔法があり、魔物や冒険者もいること。
・人間の他にエルフ,獣人,ドワーフ,使族,魔族がいること。
※使族というのは背中に白い翼があり、日本で言うところの天使らしい。
・使族と魔族は仲が悪いこと。
子供向けの本ではこれ以上詳しいことは分からなかった。
だが、この世界は漫画や小説で言う所の剣と魔法のファンタジー世界らしい。魔法が使えるなら使ってみたいな。
まぁ、でも今は先に仕事を探さないとな。四歳児を雇ってくれる所があるかは別として、いつまでもジーンに世話になるわけにもいかないし。
冒険者とかいいかもな。
☆☆☆
という事である日、ジーンに聞いてみた。
「ジーンさん。俺、冒険者になりたいんですけど。」
「は?冒険者だと!?駄目だ!お前にはまだ早い!」
おい!即答かよ!話ぐらいは聞いてもいいんじゃねぇか?まぁ、大体予想通りだがな。過保護なジーンが直ぐに許可を出すとは思っていない。
「早いって事はいつからならいいんですか?」
「い、いつから?えーと、十一年後だ。お前が十五歳になったら冒険者登録が出来るようになるからな。」
へー、十五歳で冒険者になれるのか。こちらの世界では十五歳から働くのが普通ということか。
日本では考えられないな。
「レンは冒険者になりたいのか?」
「え、はい。そうです。俺、自分で働いてお金を稼ぎたいんです。」
「へぇ、偉いな。レンはお金を稼いだら何に使うんだ?」
何に使うのかと聞かれても困るな。正直に生活費と答えるのはどうかと思うし、もっと子供らしい理由がいいよな。
「そう、ですね。魔法の本が欲しいです。俺、魔法が使えるようになりたいので。」
「魔法か。まだ早いと思うが。」
まだ早いってじゃあいつから勉強するんだ?
「普通はいつから魔法の勉強始めるんですか?」
「普通は十歳ぐらいだな。貴族は五歳には始めるが体への負担が大きくなるからやめたほうがいいと思うぞ。」
えっ、体への負担が大きいって分かってるのに貴族って小さい頃から魔法の勉強させるのか?
うわー、貴族に生まれた子達可愛そうだなー。
そういえばジーンも貴族って言ってたな。
「ジーンさんも五歳から魔法を習ってたんですか?」
「ああ、そうだ。まぁ、俺の場合は母が水魔法を使えたから大丈夫だったんだがな。」
「え?水魔法を使えたら大丈夫なんですか?」
「?知らないのか?水魔法は光魔法と同じで怪我や疲れを癒す力もあるんだ。まぁ、光魔法には劣るけどな。」
へぇ、癒やしの魔法は光だけじゃないのか。流石異世界。日本の小説や漫画通りではないよな。
・・・というか話がずれてるな。もとに戻そうか。
「じゃあ、俺が魔法の勉強を始められるのは十歳くらいと言うことですね?」
「ああ。大体そのぐらいだな。」
「そうですか。分かりました。」
じゃあ、魔法は十歳まで諦めるとして、せっかく異世界に来たんだから剣を学んでみたいな。日本じゃ両親が許してくれなかったから運動すら満足に出来なかった。
でも、そう考えると体が小さくなったのは良かった。日本での元の体は全く運動してないせいで長距離を走ることすら難しかったからな。
「どうした?まだ何かあるのか?」
「そうですね。…ジーンさん、俺に剣を教えて下さい。」
「………………は?」
呆然としてるな。まぁ、当たり前か。魔法を諦めたと思ったら今度は剣を教えて下さい、だもんな。そりゃ驚くよな。
「…レンは剣を習いたいのか?」
「そうです。俺、自分の身は自分で守れるぐらいの力が欲しいんです。」
「だから、魔法が無理なら剣を、ってことか。」
「はい。そのとおりです。」
ジーンも俺の考え方が分かるようになってきたな。まぁ、一ヶ月も一緒に暮らしていれば当たり前か。
「レン。俺はお前に危険なことはさせたくないんだ。」
おお!ジーンは優しいな。
でも、こんなこと言われると申し訳なくなってくるな。
ジーンを困らせたい訳じゃないし、今日はとりあえず諦めてまた次の機会にこの話は持ち出すか。
「ジーンさん。俺は無理にとは言いません。もし貴方が駄目だと言うのなら。俺は…」
「まぁ、待て。話は最後まで聞け。俺はお前に危ない真似はさせたくない。だが、お前のその心意気は買おう。だから、無理をしない・俺の言うことは絶対聞くと言う条件を守るならお前に剣を教えてやる。」
説得を半ば諦めかけていた俺はジーンのその言葉に思わず顔を上げた。
「本当ですか!?ジーンさん!ありがとうございます!」
「良いんだよ。でも、条件は絶対に守れよ?」
「はい!」
俺は笑顔で返事をした。
まさかジーンが引き受けてくれるとは思っていなかったから嬉しくて仕方がなかった。
こうして俺はジーンに剣の稽古をつけてもらうことになったのだった。
ジーンの家に子供向けの本が多かったのはレンのためにジーンがわざわざ買いに行ってたからです。