完結お祝いをしよう!
「はい、と言う訳で「BORDER:ARRIVE」1部が完結しましたー拍手ー」
ボクが拍手を求めても、誰も手を叩こうとしない。
「拍手ー」
もう一度言っても変わらない。
「樹海で変に物音立てたら殺されるよ?」
ボク達皇龍の牙は、ひょんな事から巨大な樹を登らないと帰れなくなってしまっていた。
そして今、夜の樹海で池を見つけ、その近くで焚き火を囲みながらボク達なりに完結をお祝いしようとしている訳である。
「……オレ達の退場の仕方が不満ネ、あんなのってないアル」
「式十が「死なせたら次回作で生き返るのクソ熱い展開だと思うから扇風機買ったよ!」とか言ってたのも何だって話だよね」
トランと淋が茹でたザリガニの殻を剥きながら愚痴った。
退場したハズの彼女達が、何故ここにいるのか?誰もがそんな疑問を浮かべるだろう。
これは二次創作と言う名の魔法だ。
「まぁ僕らは死なないし結婚も済ませたしその後幸せな日々も約束されたし良かったよねぇ」
ネムがそう言いながら澪の肩に頭を乗せる。
こいつは何も分かっていない。幸せな日々が約束されてそうな人ほど消されるのだ。この話の作者……式十は女の子の絶望する様を見るのが大好きな鬼だぞ、と言いたくなった。
「……トランよりオレの方が酷い死に方じゃねぇの……?」
「わたしはよく分からない事になったし」
時紅と千絋は三角座りして焼きリンゴをかじっている。
退場したハズの彼らが何故ここにいるのか?
ボクは何度も言わせる様な人が嫌いだ。
「お祝いのハズなのに、これじゃまるで葬式じゃないか。気晴らしにママさんバレーボールでもしよう、トランと時紅のためにマタニティドレスと胎児代わりの100均で売ってるボールを用意してるからね」
四次元リュックからバレーボールやネットを取り出す。
「なんでそんなのを樹海に持ってくる必要があるのさ!!」
「ふざけるのもいい加減にするネ!!」
「オレは千絋の子なら産める」
「……皆、そんなに騒いでいたら……」
千絋の言葉で背後を見ると、巨大なザリガニが何匹もいた。
「……ふざけるんじゃないよこのアホ共がああああ!!」
数時間後、ボク達は新鮮なザリガニでパーリナイした。ネムだけは念仏を唱えて頑なに食べようとしなかったけど、それはそれで良かったと思う。
どこの樹海でしょうねぇ……