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異世界山行  作者: 石化
第二章:エルフ

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51/251

エピローグかも

 僕らは三人が次第に離れていくのを黙って見送った。正直、僕らにできることは既に何もなくなっている。あとは彼らの問題だ。そのままの場所にもう一度村を作るのもよし、別の場所に移り住むのもよしだ。どちらにせよかなりの苦労が待っているだろう。でも、アンナさんなら絶対に乗り越えていく気がした。


 勝手な期待だけど。それくらいいいじゃないか。去っていくものには、輝いていて欲しいんだ。


ドカン。空に火花が打ち上がった。⋯⋯ あれは、サクラだな。あっちは大丈夫だったのだろうか。気になる。アンナさんのたくましさを考えれば、多分助けはいらなかったと思うけど。




その火を目印にいくと、サクラとイチフサがボロボロになって待っているのを見つけた。


「何があったの?」

「エルフ怖かったです。」

「私は助けようとしただけなのに。」

「炎を使うのもだめだとは思いますけど、あんな本気で反撃するのは頭がおかしいと思います。」

「悪気はなかったのよ!」


なんでも、倒壊を始めた集落の巨木をサクラが燃やして消し炭にしたのに反応して、エルフの皆さんがもう反撃してきたらしい。神様の二人でも命の危険を感じるほどだったとか。どんな戦闘民族だ。アンナさんと友好な関係を築けてよかったよ。






「さて、わしらも、店じまいじゃのう。」

 シロの言葉で、いつもの時間を大幅に超えていることに気づいた。気を抜く暇もなかったというのが正しいのか。今頃、お腹がすいてきた。どうしよう。家を出せるような空き地もないし、今夜はテント泊かな。シロに言ってテントを出してもらう。


 オスカーが(ry ⋯⋯もういいかなこれ。まあ、もともとこの世界にも野宿を快適にするために作られたテントらしきものはあったのでそれを改良したものが僕たちの持つテントである。


 幸い、シロというチートがいるため現実で追及される折りたたんだ時のコンパクトさは気にする必要はない。すなわち、家と同じ論理で完成形で保管されている。あとは地面に留めるだけだ。⋯⋯ 今回は森であり、突風が吹く心配もしなくていいため、そこまで厳重に気をつけなくていいのはありがたいな。


 冷えてきた外気から逃れるように僕らはテントの中へ潜り込んだ。ご飯に関してはこれまでの余り物を全てシロの時間停止空間の一部に入れておいたので、それを食べることにした。


 落ち着くのが遅かったんだって。新鮮な料理が良かったけど。まあ、仕方のないことだ。冷え切ってるけど仕方ない。コンビニ弁当だって美味しいものだよ。いや、これはユウキの作ったご飯の成れの果てだけど。構造的のものが似ていたんだからしょうがないじゃん。 そう時短のための食べ物という一点がね。⋯⋯ あんまり似てなくないか? まあいいや。気にしたら負けだ。




 一夜明けて、翌日。朝霧がわだかまる中、夜露を吸って重くなったテントから僕らは這い出した。新鮮な空気を吸い込んで気分を新たにする。


 とりあえず、やっぱり簡易食材で簡単なご飯を作ることになった。やっぱり、台所ないと本格的な料理は作りにくいよね。というわけで、今日のご飯はお茶漬けだ。早いうまい安いの三拍子そろった優れもの。


 ⋯⋯ 安いはいらない気もする。まあ、ちゃんとしたお茶漬けでもないしね。乾燥した調味料のごった煮って感じである。不思議とお茶漬け感は出ている。朝はたくさん食べる主義の僕だが、朝は軽めに済ます主義の人の気持ちがわかってしまうほど、そのお茶漬けは美味しかった。




 さて、ご飯を食べ終わったら出発だ。エルフの皆さんに気づかれないようにしてここを立ち去ろう。

 迂回して進むは湖と反対側の囲み先。特徴のないのが特徴とでもいうべき山々が連なっている。もう少し変化つけてもいいんだよ。⋯⋯ まあ、特別な地形作用が起こらないと大体こんな感じなんだろうなというぽこっとした山が何個もつながっている。でも、僕はあそこに行きたかった。




 山に上るのはいつだって楽しい。山に登った先に展開するであろうまだ見ぬ景色、後ろに見られるであろう来た道のどこか見覚えがあって、でも見たことのない景色。それらへの期待が僕を駆り立てる。

  ⋯⋯ 地震の爪痕が濃く残って、なかなか難易度が上がっていたことを報告して、この章を終わろう。








あけましておめでとうございます。今年もどうぞ宜しくお願いします。

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