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異世界山行  作者: 石化
第二章:エルフ

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全員集合

いつも身にならない話しかしないので久しぶりにちゃんとした会話が書きたかった。⋯⋯ 主人公は相変わらず身の無い思考してるけど、これがあいつなんだよなってもう諦めがついたので、仕方ないでしょう。

 三度みたび地が揺れた。さすがに3度目ともなると耐性がついてきたのか、すぐさま上部を警戒した。



 木々が落ちてくるのを刀で両断。幸い今回は幹が落ちてくるようなことはなかった。よって技量の拙さはあまり問題にはならなかった。一刀の元に切って捨てる。そんな名人芸を披露する。いや、ユウキの方がはるかに上手いことはわかってるけど。僕だって捨てたもんじゃないんだぜ。揺れが続く中でちゃんと刀を振るえたんだし。





 とはいえ、一旦は退避を選択しておこう。道は塞がれてしまったし、シロというあてがない以上無理は慎むべきだろう。


 迷子とかの時も一緒だ。下手に動くと見つからない。僕が厄介な子供だったのは、好奇心が旺盛で、何一つ危機感を持たずにフラフラと興味の赴くままに動き回り、すぐに親のことなど気にならなくなったことからわかる。よく見つけられたよ俺の両親は。多分繰り返すうちに僕の思考ルーティンを解析し終えていたのだろう。そして僕は見つけてくれるという謎の信用の元、行き先を告げないで迷子のような状態となることはや幾年いくとせ



 年を経た今になってようやくあの頃の両親の苦労をわかるようになった。場所もわからないものを探すなど愚の骨頂である。僕は、もう2度と、両親のような苦労を人にかけやしないと心に誓ったのだ。



 というわけで、僕らは立ち止まった。なんかあれだな。進んでは立ち止まる。一進一退だな。いや、退いてはないけど。

 にっ歩進んで一歩戻る。かな。いや、戻っていないけどね。退くのと戻るのは同じ意味でしょ。退くの方が逃げ腰というか、気持ち的に負けてる気はするけれど。



 ならば、止まるの反対の言葉はなんだろう。進むではないのは確かだ。行くとかかな? でも、行くは来るな気がする。止まるを使う二字熟語ってなんだ。静止、中止、停止。同じような意味を重ねてるな。くそ、対義語がわからない。⋯⋯ よく考えたらなんでこんなこと考え始めたのかわからないレベルで意味のない思考だったな。






 そこまで待つわけでもない間のうちに風邪を切る音が僕らの耳を打った。シロが帰ってきたらしい。仕事早い。有能だな。






 上空にて一瞬対空はしたものもシロはさして迷う様子もなくこちらを指して降りてきた。⋯⋯ そういえば、シロにはこちらの位置を知る手段くらい持ってると考えるべきなんだよな。もっと移動していても良かったのか。




 まあ、地震がいちいち移動する気力を奪ってきたからね。仕方ないね。⋯⋯ 精神面にしか作用しない地震ってなんだよ。十分危険ではあるけど。




 シロの言葉によってアンナさんが向かってきていることがわかった。これはもう、引き渡せばミッション終了なのではないか。そろそろ仕事終えたい。これだから長続きしないとか言われるのか。全くゆとり世代ときたら。自分に呆れる。


「とりあえず、こちらも移動してはどうかの。」

 そんな僕を見かねたのかシロが助け舟を出してくれた。⋯⋯ イヤ、でも自分からやるべきことを見つけられなかった時点でダメ男のレッテルが僕に貼り付けられてる気がするんだけど。


「そんなことでいちいち落ち込んでたらお主の身がもたんぞ。そんな時もあるものじゃ。第一、この旅にわしらを(いざな)ったのはお主じゃろうが。1番やるべきことを見つけてくれた時点でわしらには何も言う資格はないんじゃよ。」

 シロは困った顔をしながらも僕を肯定する言葉をくれた。


「でも、それは僕の趣味を押し付けたようなもので、少しも考慮とか熟慮とかしたわけじゃないんだけど⋯⋯ 。」

 未だにうじうじし続ける僕に今まで口を開いていなかったユウキはそれでも優しく声をかけた。


「剣、何かを決めるときってのは単純に何をしたいかが1番大事なんだよ。そのモチベーションがどんなに辛い環境の中でも人に頑張る力をくれるんだ。これまでの旅、剣は全然辛くなかったでしょ。一回死に目も見たはずなのにさ。それが答え。そんな嬉しそうな剣を見ていると私も元気になるんだ。だから、そんなに小難しいことは考えずに、好きなものを好きって言ってしまえば、それだけでいいんだ。」


 ユウキはまっすぐに僕を見る。その視線は透明でそれでいて底ぬけな優しさと肯定でいっぱいだった。それを見て僕はこの旅に出てからずっとユウキに感じていた負い目が消えていくのを自覚した。自分の趣味に付き合わせてごめんなさい。言葉にはしないけど、僕の気持ちの奥底にはそんな思いがあったことは否定することができない。ユウキはきっとそれを知っていたのだろう。


「ありがとう」

 僕の口から零れたのはなんでもないただの感謝の言葉だった。


「なんなのさ唐突だよ。」

 ユウキは困ったように微笑した。


「でも、受け取っておくよ。その上で、⋯⋯ こちらこそね。」

 しばしの間のあとユウキが選んだ言葉は感謝のやり直し。その片目を閉じて行われたウィンクの失敗作と一緒に行われたそれは僕を唐突は笑いの園に誘い込んだ。


 身をよじって笑いをこらえようとする僕にユウキは唇を尖らして文句を言う。


 アンナさんが僕らのところにたどり着いたのはそんな時だった。



サ「思ってた以上に長いわね。」

石「仕方ないじゃないか。話は閉じないとダメなんだぞ。」

サ「それは確かにそうなんだけど。私がここに登場してからどれだけ時が経ったと思ってるのよ。もう忘れられてる気がするんだけど!」

石「ごめんなさい(いま、ただの山登り書いてるって言えない)」

サ「()にこめても伝わってるからね」

(良い笑顔)

石「ごめんなさい早く進めます。 」

ペコペコ

サ「それと、もっと私のエピソード増やしなさいよね。少ないわよまだ。」

石「強欲だ⋯⋯ 。」

イ「何言ってるんですか!あなたは登場したらそのあとも出るんでしょ。私なんか、まだ、次の出番書かれてないんですからね!」

サ「あなたは私より早く出る予定な時点で私が負けてるのよ!」

イ「でも、まだ私すら出る気配ないですよ。」

2人振り向く


石「なんだって言うんだよ! いいじゃないか山登ってても!」

サ&イ「需要ないわ(です)!!」.

サ「ほんと、良い加減に話進めなさい。さもないとまた燃やすわよ。」

イ「シロさんがほぼ出ずっぱりなのは良いんですけど。それにしても遅いです。」

石「いや、リアルが⋯⋯ 。このままじゃ落単祭りだよ。」

サ「ひとつだけ、忠告しておくわよ。これはほんとに親身になっていうことだからね。⋯⋯ スマホゲーをする時間をなくしなさい!ゲームは1日1時間よ!」

石「母さんかよ」

サ「あなたが頼りなさすぎるからこうなるの。私、こんなキャラじゃないのに。」

泣き

石「いや、あなたが泣くのはありえないって。もしくはもっとふさわしい場面があるから!やめて。」

イ「懲りましたね。とりあえす、モバイルデータ通信をオフにしましょう。」

石「はい。」

イ「私が、私たちが動けるのはあなたがいるからなんですよ。もっときちんとしてくださいね。」

石「頑張ります。」

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