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異世界山行  作者: 石化
6章 最後の戦いと、それから

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イチフサのための話。

 

 この頃出番が少ないんですよ。いえ、もともと剣さんの一人称が基本なので、融合がユウキさんとになる私はなかなか喋らせてもらえないのはわかっていたことです。でも、そろそろ終わりそうだって言うのに、この扱いはひどくないですか。ダメですよね。などと言うことを白い空間で愚痴っていたら、私の一人称になってました。面倒になったんでしょうね。⋯⋯これは私一人で盛り上げていかなきゃいけないってことでは?! 無理ですよ何いってるんですか。私は面白みのかけらもない人ですよ。だからこそ描写の労を省かれていたんですし。自分で言ってて虚しくなってきました。何はともあれ頑張ります。頑張りますよ。頑張ればいいんでしょう(逆ギレ)



 どんなことを話しましょうか。結婚式のことはまあ置いておきましょう。いろいろ複雑でしたが、あの二人が結ばれるのは必然でしょうから。何はともあれサクラさんが幸せそうでよかったです。その分私が置いていかれた感が強いんですが。出会ったのは私の方が早いんですよ。私とユウキさんの結婚式も一緒にやってくれてもよかったと思います。いろいろ難しいことはわかりますが、いい加減男女同権の先進的な対応が欲しかったところです。

 やっぱり剣さん視点からだと私とユウキさんの進展がわからないからダメですね。そのせいで、私がハブられたんでしょう。そうに違いありません。ならば、この私語りの人気が出て、積み上げていけば、その先には結婚と言う結末が待っているはずです。期待しましょう。えっ、なんです? この後に予定されてるのはショックを受ける出来事になるからそれはやめて置いたほうが良いと? 嫌ですよ。私は強欲ですからね。



 と言うわけでなんだかわからない石との交信は終わります。あの人、ラスボスを張ろうとこっちに出張ってきた時が一番強かった説ありますね。今やあとがきからもほとんど駆逐されてますもん。作者の意識の一部だけじゃ、そんな強い存在にはなれないんですよ。


 さてさて、メタ的視点はこれくらいにしてあげましょう。なんだか声なき声が怒っている気配を感じますし。




 で、なんの話をしたいかと言いますとね。できれば家でゴロゴロしているところがよかったんですが、誰かさんがこの頃山に行ってなくないと禁断症状に震える様子で言っていたので、山登りにします。いや、流石にあんなガチトーンで言われたら引きますし、頷かないとだめな気になります。恐ろしい人です。








 登ります。里から登れば、低い山。山神はいませんね。そして、そこから尾根を辿って、どんどん奥山に分入っていきます。私が言うのもなんですが、躊躇いとかないんでしょうか、この人。普通もう少し山を怖がると思うんですが。⋯⋯今更でしたね。この人はこう言う人です。だから、ユウキさんもサクラさんも認めて惹かれるのでしょう。私だって、こう無条件に好意を向けられたら、くらっとするときもありますから。対山神決戦兵器とかどこかで呼ばれていると言う噂もありますし。


 ともあれ、このあたりには昔来たことがあります。今は結構昔に感じられるあの神闘会の会場の近くです。別の方角から近づいたので、ユウキさんとサクラさんは気づいていません。⋯⋯いや、シロさんはともかくとしてなんで剣さんは気づいてるんですか。こっちから見た山なんて、あの時見た山と形が全然違いますよ。



 本当にもう、この人は山では意味のわからない能力を発揮しますね。元の世界でなんの役に立っていたんですか。どう考えてもなんの役にも立ってないと思います。


 私は剣さんにジト目を向けます。剣さんは何も気づかずに楽しそうに登っています。なんだか色々考えるのが馬鹿らしくなって来ました。





 ハリノキちゃんの山を右に見ながら登って行って、エボシさんの分山の一つを乗り越えて(居なかった。)そして、右手に深い渓谷、左にも大きな谷を眺めながらの尾根道行き。私でも結構テンションが上がります。もちろん剣さんは言わずもがな。足取りがいつも以上に弾んでいました。みんな釣られて楽しそうにしているところを見ると、剣さんがこのパーティの中心だってことを実感してしまいます。いや、もうそれは私も認めてるので、もっともっと楽しそうにしててくださいね。


 まあ、そんなことまで気を使う必要はない気もしますけど。




 トコトコ登って、ザザザザっと降って、上り下りを繰り返して、でもこれはいつもの日常だなと思い返して、それでも山の空気は美味しくて、帰って来たなって安心して。



 そうして私たちは、次の宿り場を決めることにしました。剣さんが登り足りなくて、もう一つ先の山に行こうって主張したのには呆れましたけど、まあ、いけないこともなかったので、文句は言いません。


 家を建てて、すぐに疲れて眠りました。⋯⋯何か、忘れているような。





 次の日、大きな羽音と、二人の怒った声に叩き起こされた。あっ、そうだった。この山、スイショウのだった。忘れてた。挨拶するんだった。













特別短編。彼女のための話でした。あれ割と主人公をヨイショできてますね。思ってたより主人公にふさわしい人物だったのかも⋯⋯。

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