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異世界山行  作者: 石化
第4章:神闘会

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2日目

二日目です。

  1日目。長かった。感想はそれだけ⋯⋯とは言わないけど、それが大部分を占めるのは間違いはないだろう。2日目は長くないといいんだけど。

 一対一だとはいえ、決勝、準決勝、準々決勝があると考えると、望み薄ではありそうだ。

 ⋯⋯一対一でいいんだよね。なんか変な制度残ってないよね。8人でバトルロワイアルなんて嫌だよ僕は。

 いや、確か昨日一対一だってヤーンが保証してたはず。主神を信じろ。

 たつき監督を信じられないけもフレなんて。⋯⋯ どう収拾つけるのかなあ。


 この頃は騒がれなくなったけど不安だ。





 

  起きた僕らは大会場に集まって、ヤーンの作った朝食に舌鼓をうった。僕らがその大広間の正面に並ばされて見世物のようにされたのは文句を言いたいけれど、羨ましげな視線が集まるだけだったから、実害はないと言ってもいいのかもしれない。



  しかしまあ、見れば見るほど旅館だなあ。この世界にこんな建物があるのか、それともこちらの記憶を覗いて作ってみようと思ったのか。いや、まあ、快適なので良いなと思います。




  食べ終わった僕たちはヤーンの誘導に従って旅館から退去した。全員の退去を確認して、ヤーンは館をしまう。⋯⋯ シロの異空間で家を持ち運びしてる僕たちが言えることではないけど、やっぱり反則級だと思う。どのレベルの大きさでも自由に収納できるんでしょ。さすが神様。魔法の袋はその口に入る大きさのものしか入らないからな。⋯⋯ いや、この世界の人間のために魔法の袋みたいな異次元収納が実在するのかは知らないけど。シロがいればいいし。






  それはそれとして毎度のことながらヤーンは大変だ。これから試合会場作るんでしょ。昨日の跡は流石に使えるだろうとは思うけど、朝ご飯あんなに作ってからの空間運用は辛そう。





  空は二日連続の快晴。白い巻雲が筆で書いたかのように青にすじをつけている。

  高いところの大気はあまり動かないのか、低空の雨雲の動きの速さが信じられないほどのんびりした歩みで移動していく。遮るもののない山の上は、空がよく見える。



  確か空が青いのは空気が青の光を散乱させているのが原因とかなんとか。


  ⋯⋯まあ、僕が呼吸できている時点で空気組成は地球となんら変わるはずないんだし、空の色が変である可能性とかは異世界モノとして考慮することはないのか。


  ⋯⋯昨日の夜からなぜか異世界の呪縛が僕の思考を歪めている気がする。



 再び、あの扉のある広場に移動する。一旦作った場所だからな。設備もいいし。




「今日は時間もないし、あらかじめ私がくじを振っといたから、その順番でちゃっちゃと進めるわよ。」


 昨日寝坊した人と同一人物だとは思えないほどにキリッとした顔をするヤーン。なんだかできる主神みたいな感じになって来たな。



「はじめはシロ対ヒウチ。フィールドは一回戦と同じね。」

 フィールド使い回しか。まあ、あの中に空間を作るというのはこちらの想像以上に大変なことなのだろうと思う。だから、仕方ないことだ。


「一応、戦う子の予選の会場と同じフィールドにはならないようにしてるわよ。」

 誰に向けられるものでもないのだろう注釈を付け加えるヤーン。⋯⋯ なるほど。ならば、色々と対戦カードが読みやすい。⋯⋯ いや、僕とアサマに関してはどこに来てもおかしくないか。全然意味ないじゃん。あっ、でも次の試合にツルギは出ないであろうことは予想できたか。ならばよし。



「じゃあ、ヤクシ。ヒウチに復活一回の呪文をどうぞ。」

「予選では私を恣意的に押しつぶしたのによくもまあそんな厚かましい要求ができるねえ。」

 あの飄々とした様子を崩さないヤクシの額に青筋を浮かべさせることができるなんて、さすが主神。



「はあ。わかったよ。」

 ため息をついて、ヤクシは頷いた。



「再生の力 一度の奇跡 一人を救え 汝を包む ラ レズクション 」


 ヤクシの指からヒウチへ光が飛んで行った。 あんな感じの復活の呪文もあるのか。⋯⋯ ガッツじゃね。いや、戦闘続行? やっぱりなんでもないです。



「あー、そうそう、言ってなかったね。昨日ちょっとしたミニゲームをやったからその勝者にはコンティニューがつくわ。」

 ヤーンがネタバラシに入った。

 それ言っちゃっていいんですか。



 でも、神様たちも何勝手にやってるんだ主神とか自分たちにもそれ見せろよみたいな反応が大半だったので、さすがヤーンの配下だなと。精神構造が似てる。


「それは後で動画にして送るわ。」

 というヤーンの一言で静まり返る神様たち。色々とツッコミどころが多い。まず、動画なんて見る機材ないだろというところとか。後、あのお粗末な枕投げを見られるのは色々と恥ずかしいとか。⋯⋯ 二つ目突っ込みどころじゃなくて恥ずべきところだな。


「⋯⋯ そろそろ行っていいかの。」

 いつまでたっても始まらない試合にしびれを切らしたシロが不機嫌そうな声で言った。


「早く、やろ。」

 ヒウチもやる気十分のようだ。




「じゃあ、二人とも中に入っちゃって。ええと。それじゃあ、今回の特別ゲストです。キタ。解説席へ。」


「いや、なんでだ。」


「出番が欲しいと言ってたというネタは上がってるのよ。」


「こういう晒し者になる方向じゃないよ少なくとも!」


「キタは色々経験豊富よね。それを生かして、一つ、どうかしら。」


「⋯⋯ ああ、もう、仕方ないな。今度私のところに隕石落としたら覚悟しといてよ。」


「隕石? 何のこと? 」


「一発殴らせてくれ。」



 そんな漫才じみたやり取りをヤーンとしながら解説席に来たのは、4回戦でフジに吹き飛ばされた銀髪鎧の剣持の人だ。短く後ろにまとめた髪はおそらくほどくとボリュームがありそうである。


「では、そろそろあちらの準備も終わっただろうし、始めましょうか。」


「なんですぐに始まらないの。山神に準備は不要なはずだけど。」


「撮影機材の調整! 」


「うっうん。なら仕方ないね。」


 ヤーンの勢いに若干引くキタであった。


「では、映して、本戦1戦目、開始!」











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