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異世界山行  作者: 石化
第4章:神闘会

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出歯亀神様s 2

昨日は1話も完成できなかった上に、起きたらこの時間でした。⋯⋯ うちの睡眠時間がおかしい件について

 このようにして、廊下で、全くもって褒められたものではない行為に4人もの神様が協力しているという実に嘆かわしい事態となっている。この世界の倫理観はどこにあるのだろうか。さすがに人として、そして神としてやっていいことと悪いことがあると思うのだが。




 あまりに騒がしかったからだろう。剣がわざわざ廊下の様子を見にきた。

し、普通の廊下しか認められず、首をひねりながらも再び引っ込んだ。


「ふう、危なかったわね。」

何もないかに見えた壁面近くから4人の姿がゆっくりと現れる。ヤーンの持つヤヌスから譲り受けた空間に影響を与え変える力によって歪んだ時空に自分も含めた全員を入れていたのだ。そのおかげで剣はそれに気づくことなく、狐に包まれたかのような顔をして、戻っていった。


「グッジョブ。」

親指を立てて手短にヒウチは称賛した。


「よかったです。」

気が抜けた様子のイチフサ。


「⋯⋯ 見つかった方が良かったのでは。」

とっさに隠れた自分の行動を恥じらうようなアサマ。


4者4葉というのかは知らないが、そんな感じだ。⋯⋯ いや、違うな、引きずられたな。葉じゃなくて様だ。それはどうでもよくて、結局隠れた時点で、アサマも同じ穴の狢である。


 というわけで犯罪者が4人、先ほどの焼き直しの様に覗きを続行する絵面になった。全員美女なんだけどなあ。なんでこんなに残念感漂うことにことになってしまったのだろうか。語り手の影響という説は聞き入れないのでよろしくお願いします。




 神様にとってはこんな薄い扉一つあってない様なもの。まして、主神であるヤーンと主人であるアサマが揃っているのだ。さしたる障害もなく、中の様子を一望のもとに収めることに成功した。



 ベッドの上に座るユウキと、そちらに近づこうとして、でも勇気がなくて進もうとしては尻込みする剣。ここまできて煮え切らない態度に約一名を除いた神様たちはじれったいという思いを隠せていない。




「もう、今更何を躊躇してるの。もう覚悟を決めようよ。⋯⋯ 私も恥ずかしいんだから。」

そんな剣を励まして、そして、その後の行為を想起して徐々に照れた表情となって声を小さくするユウキ。


剣はそんな彼女を見て、自らを恥じた様だった。勇気を出せたのは最初だけで、自分がリードして行くべきなのに、ユウキの言葉を待ってしまった。自信がなくて。でも、それはただの言い訳に過ぎない。自分が望んで成った状況なのだ。行動するならば自分を置いてないだろう。


「よくわからないところは多々あるけれど、行くよユウキ。」

「うん。きて、剣。」


今にも情事が始まりそうである。


神様たちのかぶりつき度合いも俄然大きくなる。ヤーンの口が笑みの形を作り、イチフサは見ない様に手で顔を覆いながら、指の隙間は目線を通している。ヒウチは静かに真剣さをました目つきとなり、アサマは顔を背けた。



「あなたたち、何やってるの!」

「さすがにドン引きじゃ。」


反対側の部屋から、扉を開けてサクラとシロが現れた。廊下の惨状に気づいていたのかいなかったのか。とりあえず4人を非難する。ちゃんと空気を読んで引っ込んでいた二人の言うことだから、正当性があると言わざる負えないだろう。


その正当性に押されてか、4人は一歩下がる。中でもアサマはなぜか流されてしまっただけである。いちいち心に来てしまった。


「ダメよ。あなたはもう覗いてしまった。それは許されえぬ行為であり、もう真っ当な存在にはなれないのよ。」

ヤーンはアサマのそばで囁いた。なんだこれ。どう見ても悪役だこの人。普通に悪いことを教唆している。共謀罪かな。


「うう。僕はなんてことを。」

アサマは頭を押さえる。正気に戻った様だ。

「ダメ。騙されないで。」

ヒウチは強い口調で遮った。なかなか激することのない彼女の滅多にない言葉は再びアサマを混迷の渦に落とした。どちらが正しいのだろうと。


「二人も気になってるよね。」

表情を変えぬままヒウチはサクラとシロにも言葉をかける。


「それは⋯⋯ 。」

「その通りなのじゃが⋯⋯ 。」

二人とも、その勢いに押されて頷かざる負えない。


「じゃが、なぜお主はそこまで覗きたいと思うのじゃ。そこまで関わりはないじゃろうが。」


「ただあの二人が眩しかった。それだけ。もっと近くで見たい。あの女の子もあの男の子も、自分たちだけの時間を余すことなく生き抜いている。それがいいなって。」

普段長文を話すことのない彼女の精一杯の言葉。それは素晴らしい願いで、思いで、他の神たちは言葉を失った。


「それはいいのじゃけれども⋯⋯ なぜ、それがこんな行為に繋がるのじゃ。なぜこれほど思いと行動の不一致を想起させるものとなっておるのじゃろうか。」

シロの意見はまことにその通りであって、語り手としても不思議である。


「まっまあ、結局のところ、あなたたちも覗きたいのよね。私達は仲間よ。」

強引にまとめにかかるヤーン。どう見ても拙速だ。ポンコツだ。ポンコツ女神。どっかでみたぞ。この頃の流行かな?



他の神五人からジト目で無言のうちに非難される主神様。涙目になってしまった。自業自得な感が強いが可哀想でもある。










真剣に何やってるんだこいつら⋯⋯

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