男性嫌い
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「舟を編む」という本を読んでいて、心うたれる記述があった。
「なにかに本気で心を傾けたら、期待値が高くなるのは当然だ。愛する相手からの反応を、なにも期待しないひとがいないように。」
そーそー!
私が言葉にできないことを、この人は言葉にしてくれた。
なんだかうれしい。
ゆっくりだが本を数日かけて読み終え、最後に著者がどんな人物か知りたくて、著者紹介欄を見る。
1976年生まれ。
涼子と同じ学年と思われる。
涼子は早生まれなのだ。
母親に聞くと、女性作家だと言う。
さらにうれしい。
同じ気持ちの人間がどこかにいる。
独身かどうかは知らないけど、そんなことはどうでも良い。
それは単なる環境の違いだ。
一生懸命生きて何か感じて、そういう生活を送っている、そんな女性がどこかにいてくれればそれで良い。
それだけで、頑張れる。
涼子は、男性が嫌いだ。
とはいえ、女性なので男性にチヤホヤされることは悪い気はしない。
でも、その後で後味の悪さを感じるようになった。
どーせお世辞でしょ。
鵜呑みにするほど若くはないのだ。
男性嫌いは、子供の頃からのような気がしている。
3学年上の兄と2人兄弟だったのだが、小さい頃から「女の子だから」と何かしらやらされていたのだ。
子供の涼子には意味が分からなかった。
理由になってない、そう感じていた。
何で女の子はお手伝いしないといけないの?お兄ちゃんだって暇なのに。。。
子供にとって親は絶対なので、文句言いつつもやっていたが。。。
拍車をかけたのが、高校入試である。
団塊ジュニアの涼子世代では、男女差がはっきり数字にされていたのだ。
はじめて行った塾の掲示板に、高校入学に必要な出文テスト(今の何のテストにあたるのかわからないが全中学3年生が受ける当時の統一テストだ)で、同じ高校・同じ学科に入るのに15点差がつけられていた。
世間知らずの中学3年生の涼子は、思わず事務所に聞きに行ってしまった。
「男女で点数が違うのは、何でなんですか?」
聞かれた事務所の人も困っただろうと今では思う。
女性は高校に入ってから成績が落ちるケースが多いので、入学する際に既に点数差がもうけられている、そんな説明を聞いた気がする。
しかし、高校に入学してから、女性が成績が落ちるとは思わなかった。
理科の実験で班を組む際の班長を決めるときも、男性は消極的で、どうして男性が優遇されるのかわからなかった。
現在は、男女差はないようだ。
それは、涼子たち年代の女性が体を張って証明した事実だと思っている。
女性を馬鹿にするなよ。
今でもよくそう思う。
社会人になってからも、男性優遇は変わらない。
男性自身、優遇されていると思っていないし、自覚がないので、涼子にはストレスがたまっているのだが。。。
男性からすれば、女性はチヤホヤされるし保護される面があるから、女性は得だと思っているだろう。
しかし、涼子のような女性はチヤホヤされることはかえって不快だ。
私は人形じゃない。
ただ、純粋に、色眼鏡抜きに、正当に、人間として、評価して欲しいと思うのだ。
社会的評価という面では、絶対的に男性優遇だと感じている。
もちろん、女性側も女性だからと甘えるところもあるので、女性側にも問題はあるとは感じているが。