いつもの朝
新聞配達の音で、うっすら意識が戻ってくる。
部屋にも朝日が差し込んできているようだ。
目を閉じていても、足元の朝日を何となく感じる。
さーて。
起きるかな。
どうせ眠れないし。
最近朝一度起きるとその後眠れなくなっている。
加齢か…。
苦笑して寝返りを打つ。
目覚ましで飛び起きることもなくなったので、あえてゆっくり起床することにしている。
体もすぐに覚醒するわけではない。
起床後急に動くのは体に良くない。
寝返りを何度か繰り返し、ゆっくり体を起こす。
何となく伸びをしてベットから降りた。
えーっと。
今日はどこの店だっけ。
今日の勤務地の記憶を呼び覚ましながら、階段を下りる。
寝室は2階だ。
トイレに行って、洗面所に行き、マウスピースを外して洗う。
顎関節症で毎日マウスピースをして寝ているのだ。
キッチンから自分の湯のみを出し、リビングの電気をつける。
リビングの光はあえて直接見ないようにして、冷蔵庫の麦茶を湯のみに注ぐ。
眼も急激な刺激を与えない方が良いのだ。
夏でも湯のみを使っている。
自分が作った湯のみなので愛着がある。
麦茶を一口飲み、喉元を冷たい液体が通っていくのを感じる。
そして、今日の勤務地を確認する。
ん、今日はI市だ。