日々7「こんな悪魔」
地獄
まぁだからって特に変わったところはない。
常に来る魂から悪を取り抜くための世界。
人間界と特に変わらない景色だった。
そこの住人悪魔、彼はまだ中学生の自称不良。黒の悪魔帽子に黒いローブ。
金色の目に、はみ出た金髪、なかなかイケメンだ。
「おい!死神!」
「な、何だよ〜」
死神、悪魔の友達、気が弱い。灰色のローブとドクロの帽子。
「デットゲームしようぜ!」
「だ!ダメだよ〜、あれやると閻魔さんに怒られるよ〜」
「大丈夫!大丈夫!閻魔の息子はオレだぜ?何とかなるって!」
デットゲームのやり方!
とりあえず生きている魂の写真をよく混ぜジャイケンで負けた人はその写真から一枚引き、
引いた人の魂を奪うという残虐ゲーム。ちなみに禁止行為。
無駄に魂をぬく事は許されない。
だが悪魔はもうすぐ死ぬ人間をチョイス・・・のつもりだった。
ジャイケンの結果、悪魔の負け。
「チッ、しゃーねーな」
一枚無造作に引く・・・・すると。
「あ・・・・あぁ?」
若い女の子のような男の子・・・由貴が映っていた。
「ちょ!悪魔くん!それ子供じゃん!?」
「やべ・・・しくった?・・・仕方がない」
悩んだすえ悪魔はこう言った。
「ルールはルール、殺す」
「そう思うなら禁止行為やめたら?」
「ばーか、それはそれ、これはこれだ、じゃ、ちゃちゃっと行ってくるぜー!」
こうして悪魔は人間界に来た。
で、
由貴を不死身だと知った・・・・。
富宝マンションの最上階に下門からの扉を開き侵入。
だがすぐ最新のセキュリティーに引っかかる。
レーザー砲が自動作動し狙われる。
助けてと叫んだところ、殺そうと思っていた由貴がレーザーを無視して助けてくれる。
そして今・・・。
「つまりあなたは悪魔だと言いたいのね?」
エリーから尋問を受ける。
「だからそうだって言ってるだろ!」
「怪しいわ、新手の泥棒ではないかしら?」
「こんな悪魔の様な派手な服を着た泥棒がどこにいる!!」
自分で言ってしまった悪魔。
「まぁ、どっちにしろ、来た理由が由貴さまの命を奪うためなんて・・・」
「無駄だったわね」
いつの間にか由貴の能力を知っていたエリー。
その台詞にうなだれる悪魔。
「とにかく、そうなら仕方がない、地獄に帰る」
悪魔は早々と退散しようと下門を開こうとするがしかし・・・。
「あれ?開かん?・・・ちょ!携帯携帯」
悪魔でも携帯ってあるんだな。
「あ、もしもし、死神?あのさ〜下門開かないんだけど?」
『当たり前だよ、閻魔さんが閉めちゃったもん』
「だったら開けてくれって頼んでくれ、息子が帰れなくなっているって伝えれば」
『意味ないよ、閻魔さん、デットゲームをした息子に罰を与えるって事で人間界に修行へ行かせるって言ってるもん、いいって言うまで』
「・・・は?ちょ!お前もやったろ!」
『閻魔さん時眼で悪魔くんの強引さが悪いから許してあげるだって、僕だけ』
「な!納得いかねえよ!!なんだ!?この世界にいろってか!?」
『ま、そう言うこと、じゃ』
「あ!まて!おい!・・・もし・・もし?」
絶望に暮れる悪魔・・・。
「う、う〜〜・・・」
見た目によらず泣き虫なのか顔をうずくめる。
「・・・・どうしたの?」
エリーが気まずくなり訊く。
「ひっく・・おうちに・・ひっ・・帰れない・・・う〜〜」
「・・・・・」
こうして住人が一人増えた・・・のだった。
「悪魔〜?」
「そうなんだよ、結構掃除が上手でね、あとクッキーが焼くのがすきなんだ」
「・・・それって悪魔なの?」
今日は珍しく、しょうと由貴と蓮が一緒に帰っていた。
「研究発表の打ち合わせも僕のマンションでやろうよ!」
「ま、いいだろ」
「そうね、その悪魔って言う人にも興味あるし」
富宝マンション
「ただいま〜」
由貴が元気よく声を出す。
「おかえりなさいませ」
エリーが返事をする。
「お邪魔します」
「おじゃましま〜す」
続いて2人が入る。
「で、悪魔くんはどこ?」
蓮が興味心身で訊く。
「確か〜・・・クッキー焼いているかな〜?」
「えぇ、確かにクッキーを焼き中ですわ」
確かにクッキーの匂いがキッチンから漂ってくる。
なかなか美味しそうな匂いだ。
「由貴帰ったのか?」
ハスキーな声がする、
「ただいま〜、今日のクッキーは?」
「特性チョコクッキーだ、楽しみにしてるがいい」
「わーい!」
「あの声が悪魔?」
「・・・なんか信じれませんわ」
「でも本当ですのよ」
エリーが書類を片付けながら言った。
「宙にも浮けますし、魔法のようなものでお掃除いたしますし、まぁ容姿は普通なのですが」
そうこう言っているうちにクッキーを持った、
金髪、金色の目の同年代の子が宙を浮きながら来る。
服装は悪魔というより子悪魔のようだ。
「む、これが友達か?悪魔だ、よろしくな!」
屈託のない笑顔で握手を求める・・・・・
「よ、よろしく、那鎧彰楼、しょうって呼んでくれ」
「はじめまして・・句須見蓮です」
常識人の二人にとっては少し苦しい理解。
「ま、とりあえず!オレのクッキー食ってみてくれ!」
眼に前のチョコが入ったクッキー、
「いっただっきまーす!」
早速食べる由貴、美味しそうに食べている。
「じゃぁ、いただきます」
「わ、わたしも、いただくわ」
まぁ由貴も食べてるしと思ったのが間違いだった。
「「パク」」
≪・・・・・まずい≫
≪・・・・・まずいですわ≫
そう言ってぶっ倒れた2人。
その殺人的不味さに常人は適わず、不死身である由貴だけ美味しくいただけた。
「う〜・・ひっく・・やっぱ不味いのか〜・・」
「ほら、泣かないでください、とりあえず2人を元に戻しましょう」
そっと優しく頭をなでるエリーだった。
テストが近いためお休みします。
申し訳ございません。