日々6「こんな紙芝居」
「ねぇ!ねぇ!みんな!僕の紙芝居見て!」
家に遊びに来たしょう達に紙の束を片手に言ってきた由貴。
「では!『勇者ユキ!桃太郎と対決!』始まリ始まり〜!」
≪早速おかしいな≫
しょうを始めルリにエリーにシャンに蓮に池波が心の中で突っ込んだ。
「むかしむかし、あるお城にかっこいい王がいました、名前はしぇろうキングです」
「ぷっ、しぇろうキング?アハハ!!誰だヨ」
なぜか爆笑の池波。
≪お前だよ≫とつっこむしょう達。
「しぇろうキングの治める国は平和でした、しかしある時桃太郎が攻めてきたのです」
≪桃太郎悪役かよ≫
「無残にもボッコボコにされたしぇろうキングは民にも見放され一人になりました」
≪え!?一人で対抗したのか!?≫しょうが驚き言う。
≪むしろ英雄ね≫落ち着きながらルリの感想。
≪見放す民・・・残酷だわ≫今後の教育方針を考えるエリー。
≪あはは!!しぇろうキング弱え〜!!≫自分の事だと知らず馬鹿にする池波。
≪蓮、桃太郎って悪い奴なのね≫シャンは桃太郎を誤解する。
≪お姉さま、桃太郎は英雄なんです≫軌道修正をする妹。
「森でさまよっていたしぇろうキングの前に旅人姉妹シャンAと蓮Bが現れました」
≪私たち!?≫
「『これより西へ2キロ行けば勇者に会えますわ』とシャンAは言います。しかししぇろうキングはそんなに歩けないと言いました。『もっと近くの勇者を教えてくれヨ』」
≪なんともバカな頼みだな≫
≪2キロっていつの時代ですの?≫
≪傲慢さが現れていますわ、描写は合格ですね≫
≪最後のヨってなんだヨ!あはははは!!≫
≪なぜA?≫
≪・・・・B・・≫
「『近くの勇者なら東へ50000メートルですよ』と蓮Bが言いました。しぇろうキングは『キロは無理だがメートルならいい!礼を言うぞ!』と喜んで言いました」
≪バカか!!もっと距離伸びたぞ!!≫
≪朝三暮四ね、損な事に気づいてないわ≫
≪人をだます行為・・・いけませんわね≫
≪おお〜、しぇろうキング頭いいナ〜≫
≪蓮!!人を騙すなんて!!≫
≪お姉さま、これは紙芝居ですよ≫
「しぇろうキングが飲まず食わずで50000メートル歩いていると小さな村が在りました。『だ、だれか・・・水を・・』そういってしぇろうキングは倒れました。それに気づいたのは勇者ユキと子分のショウと仲間のるりとえりぃです」
≪誰が子分だこのやろぉおお!!!≫
≪ひ、ひらがな書き!?≫
≪飲まず食わずなんて・・・上手く単語が使えているわ≫
≪だらしね!たった50000メートルで気絶かヨ≫
≪え!?出番終わり!?≫
≪一発キャラなんですの?私たち≫
「そこで勇者ユキはしぇろうキングから桃太郎の話を聞き、桃太郎を倒そうと決意しました。野を越え山を越え、時には仲間割れもしましたが、分かち合う事が出来更に強い絆を結べました。そうしてとうとう桃太郎に会うことが出来たのです!」
≪なんか超省略してるな≫
≪まぁ、よく出来たほうね≫
≪長い出来事を簡潔にまとめてあります、これは高得点ですね≫
≪更に強い絆!く〜感激!!≫
≪私達の出番は?≫
≪お姉さま、諦めましょう≫
「『やい!桃太郎!!お前を今から倒してやる』ショウが意気込んで言います。しかし勇者ユキは『だめだ、ショウ、争いからは何も生まれない、そうだろ?僕たちの冒険は終わったんだ』・・・・・こうして勇者達の冒険は終わったのです、めでたしめでたし」
「はぁあああああああああ!!!!!!!!??????」
叫ぶしょう。
「どう?どう?感動した?面白かった?」
由貴がわくわくしながら訊く。
「バカ!!何だあの最後!?はぁあ?お前がかっこよけりゃいいのかよ!!」
「すっごく面白かったわ由貴!」
「由貴様、総合評価としては100点満点中60点ですね」
「感動!!感激!!すごいぞ由貴!!」
「面白かったわ」
「素晴らしい出来だったわ」
しょうはぶち切れ、ルリは気に入られるため褒めて、
エリーは真剣に評価し、句須見姉妹は後半聞いていなかったためとりあえず褒めて、
真剣に感動したのは池波だけだった。
「よ〜し、今度はどんなお話にしようかな〜」
「もう作るな!!」
次回、悪魔登場。




