日々2「こんなお友達」
親友登場!
由貴は彼にべったり。
お昼休みの教室、
「反省文100枚なんてできないよ〜」
泣きながら2枚目を書く由貴。
「仕方ねえだろ、お前が自分で引き起こした事だろ」
親友の那鎧彰楼、
名前と鋭い眼つきの外見ではハーフと勘違いされやすいが純日本人。
不良で茶髪の喧嘩上等精神。
ニックネームはしょう。
「ひどっ!!愛する親友に向かってその言葉!!お前は人間か!!」
「あぁ立派な人間だ、あと親友ではあるが愛はない」
「わぁあああ!!!しょうがいじめるぅうう!!!」
「ば!!!バカ!!黙れ!!ちょっ!!いや違うんです!!」
泣いている女の子っぽい子の近くで弁解しているガラの悪い少年がいれば、
『あ、いじめだ』と言われても仕方がない。
「わ、わかった!!悪かった!!だから泣きやめ!!あいつに見つかると!!」
すでに真っ青な顔で鋭い目つきを柔らめ必死に頼むしょう。
「しょう、なぜ私の由貴が泣いているの?」
≪遅かった!!!≫
心の中で叫ぶしょう、
金髪のロングセミでかわいい笑顔を見せる美少女。
その両隣には赤い髪と青い髪の良く似た美少女がニコニコ顔でいる。
金髪の美少女は「鷹世ルリ」英国と日本のハーフ。
由貴のファンクラブ会長。
赤い髪の子と青い髪の子は双子で「由貴&しょうファンクラブ」会員、
赤い子は「句須見シャン」青い子は「句須見蓮」
家が訳ありのためシャンはフランスと日本のハーフ、
蓮は純日本人である。
「あ・・・い、い、い、いいいや・・・その・・・え?」
すでにパニック状態のしょう。
「しょうが反省文手伝ってくれないよ〜」
由貴が茶々を入れる。
≪ばか!!そんな事言ったら!!≫
「あらしょう、もちろん手伝ってあげるわよね?」
美少女の後ろでは黒いオーラと共に双子が笑顔でしょうを見つめる。
「「しょ〜う〜君♪」」
双子の可愛い声が聞こえたあとしょうは無意識に答えた。
「手伝うよ由貴!!」
下校時間、
商店街を通る2人。
「よかった、もう85枚書いたから後15枚でいい、ありがとうねしょう!」
「冗談じゃねえよ、お前ほとんど書いてないだろ」
ニコニコの由貴と対照的な血管の浮き出た怖い顔をしているしょう。
お気づきだろうが由貴には人を怒らせる力もあるようだ。
「ねぇ、しょう」
「んだよ?」
ふと真剣な表情になる由貴。
「お願い事があるんだ」
「・・・・なんだ?」
グイっと顔を近づける由貴。
そして・・・。
「・・・残り15枚手伝って」
おねだりの笑顔。
「ボコッ☆!!」
電柱に頭をたたきつけられた由貴。
見事に電柱には亀裂が入り由貴にはでっかいたんこぶが出来た。
「ひどいよ〜、僕だって痛いもんは痛いんだよ?」
「不死身のお前なら無事だ」
さすが親友、すでに由貴の能力を見切っていた。
「じゃぁせめて部屋に来て」
「なんでだよ?」
「一人は怖い」
「安心しろ、幽霊だろうと強盗でもお前は死なん」
「ふえぇ〜〜ん!!しょうがいじめる〜!!」
「だぁああ!!泣くな!!おい!!ちょっ!!いや!!違うんです!!」
また他人からいじめてると誤解されるしょう。
これほどストレスの溜まる役はめずらしい、なおかつ可哀想である。
「はぁ〜・・・わかった・・行くよ」
「わーい!」
泣いたり笑ったりの連続である。
富宝マンション。
最上階、特別室。
さすが最上階だけあって豪華である。
「さ!ゲームしよ!!ゲーム!!」
「まずは反省文だ!遊びはその後!!」
優等生のような事を言うしょうだが一応不良であるらしい。
「くそ、やっと終わった」
「終わった〜?ありがとう〜」
「・・・・・?、おい」
「え?・・・え!!ちょ!!何怒ってんの!?」
しょうから沸き立つ殺意やら怒りやらのまがまがしいオーラが鬼の形を作っている。
本人の顔も般若面並に恐ろしい。
そりゃ由貴のやるべき反省文をなんだかんだで98枚書いたのだ、
怒らない人間は人間ではない。
「ゴンッ!!」
しょうの鍛え上げられた拳が由貴の頭にたたきつけられる。
「ふしゅー」
よほど強烈だったのか気を失う由貴。
「しばらく寝てろ!!」
怒りつつ高級なソファーに横たわるしょう。
「やべ、オレもねそ〜」
そのまま夢の世界へ・・・。
「ん?しょう?・・・寝ちゃった?」
ちゃっかり起きる由貴。
「ん〜、つまんないなぁ〜、ファ〜・・・あ、僕も寝不足か」
ベットで寝ようかと思ったとき、
「ん?そうだ!久しぶりにしょう君と寝よ〜」
高級なソファーは普通より大きかった、
なるほど、そう体の大きくない2人ならちょうど仲良く寝れそうだ。
由貴はそっとしょうの隣に寝転びしょうに抱きつく。
まぁ、悪気はないのだろうが・・・。
女の子っぽい子とイケメン少年。
仲良く添い寝。
全く無関係の人から見ればカップルだが。
由貴を男だと知っている人は・・・・
誤解するに違いない・・・。
別に本当に由貴はただ純粋に親友と寝ているつもりだが・・・
さて、起きた時どうなるやら。
運が悪いのかどうなのか、
由貴はメールが来た事を知らない。
ケータイは電話の横、
朝あわてて出たため、
『本日、秘書がそちらに参ります。詳しい事は彼女に』
という、知らせがあることを。
まだ知らない。