日々14「こんな殺し屋」
新キャラ、殺し屋の登場です。
オレはプロの殺し屋だ。
ゴ〇ゴ13やシテ〇〇ハンターと肩を並べるほどの腕前だ。
しかも扱えるのは銃だけじゃねぇ、あらゆる暗殺武術を会得してきた。
そして、オレは正義の殺し屋でもある。
善人や弱い者を殺すつもりは無い。悪人のみをターゲットにしてきた。
だから俺の依頼には助けを求める弱き者たちの思いが詰まっている。
俺はその思いを背負って血みどろの世界をこれからも歩いていく。
ビルの屋上でたたずむ男。
彼の名は「守藤狩也」26歳、殺し屋歴13年の自称「ブラックジャスティス」
中学生の時に殺し屋の師匠に弟子入りし今に至る。
常にサングラスを外さないナンパ男である。
「フッ、この街も、上辺だけは美しく平和なものだ」
そう言いながら下の人通りを眺める狩也。
すると一人の女性に目が止まった。
スタイル抜群のサングラスをかけた緑色のポニーテールの女性。
エリーである。
「・・・きれい、可愛い、美しい、これは!・・・一目惚れか!この心の中にあふれる思い!オレは!・・・恋をした!」
どうでもいい事を口走りながら屋上を出る狩也。
エリーを追いかけるつもりである。
ビルを出てすぐ走り、10メートル先にエリーを見つけた狩也。
「フ、恋をしたならその1、知り合いになれ」
いきなり謎のレッスンを始める狩也。
どうやらエリーに声をかけるようだ。
「かーのじょ♪お茶しない?」
まさにナンパ。
そんなもので引っかかるわけが無い。
しかも後ろから呼んでいるためエリーは気づかない。
「ねー、かーのじょ!」
エリーの肩に手をかける狩也。
「ハッ!」
するとエリーが狩也の手を掴み背負い投げをした。
「あれ?」
吹っ飛ぶ狩也。そこから狩也の意識がとんだ。
ふと気がつくと狩也はソファーに寝かされていた。
「気がつきましたか?」
そしてエリーがすぐそばにいる。
「すみませんでした、後ろからさわられてつい、護身術を」
突っ込むべき部分があるが狩也は一切聞こえなかった。
サングラスを取ったエリーの顔をポカンと見ている。
エリーの美しさに更に惹かれた様だ。
「あの〜、大丈夫でしょうか?」
ハッと我にかえる狩也、そして、
「ど、どなたですか?僕は・・誰ですか?」
記憶喪失のまねをした。
「え!?そ、そんな、記憶喪失に!?・・・どうしましょ?」
「あ、あなたは誰ですか?」
「え?・・・私は先程あなたと会ったばかりで」
「名前は何ですか?」
「え?・・エリー・笹音です」
「住所は?」
「え?な、なぜそんな事を?」
「何か思い出しそうなんです!」
言葉巧みに情報を得る狩也。
そこへ悪魔と由貴が帰ってきた。
「ただいま〜」
「今帰ったぞ!」
2人がリビングに入ると、エリーとグラサンをかけた男。
「あれ?富宝家からの使い?」
由貴が狩也を見て言う。
「いえ、その〜、実は記憶喪失の方で」
そしてここまでの経緯を話すエリー。
「へ〜、大変だね」
「どうしましょうか?」
「それなら俺に任せな!」
悪魔が自信満々で答える。
「記憶を戻すなんて簡単簡単♪」
狩也は悪魔をエリーのコスプレ好きな弟だと勘違いしていた。
故に記憶を戻すなどできるわけが無い、
このまま記憶喪失を装いここに居座ろう、そう考えていた狩也だが、
悪魔は全て見抜いていた。
「いでよ!大鎌!」
死神が持つような大鎌を魔法のように出現させた悪魔。
「すごい、こんなことできたんだ」
由貴が感心する。
「へっへーん!じゃ!記憶を戻すぞ!」
狩也に焦りが出始める。
こいつ、本物の悪魔か!?
「エレキッドサンダー!!!!」
雷のようなものを狩也にぶつける悪魔。
「ギャァアアアアス!!!」
少しこげる狩也。
「ん?まだ記憶戻ってないみたいだなぁ」
「い、いや、もう」
「エレキッドサンダー!!!!」
「うぎゃぁあああ!!!!」
「エレキッドサンダー!!!!」
「のぇええええええ!!!!!」
「エレキッドサンダー!!!!」
「やめてぇえええええ!!!!」
黒焦げの狩也。
「な、なんだか、記憶が戻りました・・・ありがとうございま・・す」
むしろ記憶が飛びそうだったが、と思う狩也。
「いいってことよ!」
黒い笑みを浮かべる悪魔。
「僕の・・・名前は、守藤、狩也です・・・でわ」
そう言って狩也は帰っていった。
「ふ、死ぬかと思ったが、エリーさんの事たくさん聞けたからいいか」
サングラスを光らせバイクに乗っている狩也。
「エリー・笹音、・・・いつかオレのものに」
頭の中がエリーでいっぱいの狩也。
信号が赤なのに気づかなかったため次の瞬間トラックにはねられた。
南無。
いや、死んでねぇよ。by狩也