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日々13「こんなテスト勉強雪山編後編」

城の中では相変わらずルリの使用人達が慌てふためいていた。

それと打って変わり勉強をしているしょう達。


「い、いいんでしょうか?勉強なんかしていて?」

蓮が口を開く。

「仕方ないだろ、俺たちが外出たって死ぬだけだぞ」

しょうが数学の方程式を解きながら言った。

「そうよ蓮、心配しなくても由貴としぇろうは帰ってくるわよ」

「お姉さま」

珍しく正常な姉に笑顔をこぼす蓮。

「ねぇ蓮」

「なんですか?お姉さま?」

しかし、連の笑顔も次の言葉で凍りついた。


「因数分解って、何ですの?」


いくら天然系勘違いお嬢様だからといっても勉強がここまで遅れていれば手の施しようがない。連は涙を隠しながら因数分解を説明した。


「因数分解分からないって、大丈夫かよシャンは」

しょうがあきれながら言う。

「そう言うあなたも勉強はできるほうなの?」

ルリがイタズラっぽい笑みで聞いてきた。

「90点以下の点数を取ったことはない」

あっさり返すしょう。

「くっ、そうだったわね、見た目に寄らず頭いいものねあなた」

「そう言うお前は見た目によらず馬鹿だもんな」

「ば!バカとはなによ!ちょっと国語と数学と理科と社会が苦手なだけよ!」

「ちょっと苦手なら30点以下はとらないぜ?」

「・・・くっ、覚えてらっしゃい、夕食は劇薬を忍ばせて殺して差し上げますわ」

「怖いなおい」


一方、由貴達は。


「葉っぱが酸素を出してデンプンを作る事をなんという?」

「ハハハハハ、わっかんネ」

「正解は光合成でした〜」

結構楽しそうにしていた。


「遊園地の入場料が、大人3人、子供5人で1900円、大人2人、子供4人で1400円、サァ!大人一人と子供一人の料金はそれぞれイクラ!?」

「う〜〜〜〜〜ん、だめ、わかんない」

「オレもダ」

「それじゃあ勉強になんないよ〜」

そんな風に笑っていると・・・、二人は気づかないが後ろからある陰が近づいていた。

巨大な2メートルはありそうな人間の形をした何か、

その何かはゆっくり2人に近づいてきた。


「・・・ナァ、由貴・・」

「どうしたの?」

「う、後ろに何かいるような気がスル」

「何がいるの?」

「イヤ!わからないよ!だからいそうな気がするってイッテンジャン!」

「いないよそんなの〜」

振り返る由貴。

そして走って近づいてくる謎の大きな人間。


「ゆ、ゆ、ゆゆゆゆき」

「ア?雪ならそこらじゅうにアルヨ」

「ゆきゆきゆきゆきゆき」

「ン?由貴はお前ダロ?どうしたんだヨ?」

「雪男ぉぉおおおおお!!!!!」

「エイティ!?」※雪山に住む猿人こと

池波も振り返って雪男らしき影を見る。

「ニゲロォオオオオ!!!」

叫ぶ池波、既に走っていた由貴。

追ってくる雪男らしき謎の生物。

まさか由貴達がそんな目にあっているとは思ってもいないしょう達であった。


走る由貴と池波。

「ハァハァ・・・ねぇ!・・・なんで逃げてるの!」

「何イッテンだ!ハァハァ・・・え、エイティに捕まると・・・ハァハァ!」

「つ、捕まるとどうなるの?」

「腕と足をもがれて非常食にされて生き地獄を味わう」

「いやだぁああ!!!ふぇええ〜〜」

泣き始める由貴。

池波は走りながらも言葉を続けた。

「だが!エイティを倒す作戦ガアル!」

「な、なに?」

「取りあえず進めばワカル!!」

走っていると、樹木が生茂る林の中に入った。

「ココダ!作戦そのイチ!木で攻撃!!」

そう言うと池波は恐るべき力で木をなぎ倒していった。

すぐに雪男が追いついた。

「シネェエエエエエエ!!!!!」

巨大な大木を投げる、だが雪男は軽い身のこなしでジャンプして避けた。

「コシャクナァ嗚呼嗚呼!!!!」

だがそれが池波のスイッチを押してしまった。

次から次へと木を投げる池波。

さすがの雪男も避けきれず5本木が体に激突して吹っ飛んだ。

「今だぁアアア!!!」

走り出す2人。

その後も追いかけっこは続くかと思われたが思いのほか雪男はあっさりあきらめた。

もう追いかけてこない。

「た、助かったゼ」

「ん?あのお城なんだろう?」

なんと二人は自力でルリの城までやってきていた。


「由貴〜〜〜〜!!、心配してたよ!大丈夫だった!?」

ルリが白々しく暖炉の前で温まる由貴に抱きついた。

「まぁお前の事だから心配するほどじゃなかったがな」

しょうやシャン達も由貴の様子を見に来た。

「よかったわ、由貴の事が心配で泣いてたのよ蓮ったら」

「え!?お、お姉さま!?なぜそんな嘘を!?」

「ははは、ありがと!僕は大丈夫だよ」

温かく笑う中で、独りだけいじけている奴がいた。


「な、ナンデオレは誰にも心配されてナインダヨ・・・・ウゥ」

真っ白になっている池波。

「わりいわりい、冗談だよ」

「池波の事もそれなりに心配してたわよ」

「そうですわ、それなりに」

「それなりって何だヨ!オレはそんな価値しかないのカ!」

「まぁまぁ、ちゃんとしてましたから心配」

納得のいかない池波であった。


そこへルリの執事が部屋に入ってきた。

「ルリ様、お友達が見つかって本当によかったですね、先程捜索隊から緊急の情報が入りまして、雪男が現れたそうです」

「まぁそうなの?」

「オウ!雪男なら俺らも会ったゾ!ナァ由貴!」

「うん!」

「左様でしたか、何でも巨大な丸太を投げてきたらしく、現地の捜査員が怪我をしたそうなので」

「本当か?危なかったなお前ら」

しょうが言葉をかけると2人も頷いた。


だが、その雪男というのが池波の事であり、由貴達が見た雪男は現地の捜査員であるというのは、誰も気づかないようだ。


「さ、テスト勉強するか」

「エ!勉強やだぁアアア嗚呼!!」

「うるせえよお前は!」


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