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日々11「こんな体育大会後編」

午後の部


「よし!今のところ黒組と10点差で一位か、午後で一気に点差をあけるぞ!」

三浦は俄然やる気である。

もはや止められないと悟る生徒。


「次は!・・・1500m走か、これは誰が走る?」

「はい、自分です」

「よし、お前帰っていいぞ」

「な!なぜでありますか!自分は今日のこの種目のために訓練を行い!」

「黙れ、家がイヤなら地獄に逝かすぞ」

「はい、帰ります」

《今度は何を考えているんだ》


「よ〜い、パン!」

『さぁ!1500m走が始まりました!お〜!赤組が今のところトップです!選手は・・・アフリカからの留学生ウェオリル・ゴン君です!』

走っているのはどうみても中学生ではないアフリカ人。

『あ!今彼の経歴が来ました!オリンピック5年連続長距離走の優勝者です!』


「ど、どうやって呼んだのです?」

ルリが三浦に聞く。

「ん?チャットでメル友になったから」

《卑怯を通り過ぎてすごいとしか言えない》


結果、一位、20年ぶりに学校記録が塗り替えられたそうだ。

多分これからはもう記録塗りかえれねえよと思った生徒だった。


結局その後も、

玉入れでは赤以外の玉を鉛にすり替えたり。

騎馬戦では生徒に混じってプロレスラーを入れたり。

走り幅跳びは赤組の記録の単位をメートルからキロにかえたり。

そこまでするかと思う程の卑怯三昧で一位を独占し続けた三浦。


で、最後の競技、全員で町一周リレー。

これは由貴の住む町をリレーで1周するもの。

全員参加のため距離は相当。

これがこの学校の体育大会のメインである。


「先生、今度は何をする気ですか?」

しょうが呆れながらも聞く。

「いや、これはみんなでやる競技だ、私は手出しをしない」


「え?」


「お前ら、精一杯がんばって来い」


先生!と生徒たちが感動の場面に入ろうとした時。


『え〜、今大会の特別ルールが入ります、最後の競技「全員で町一周リレー」ですが、配点が上昇します、一位には500点二位には300点三位以降は−100点です』


「なにぃいいいいいい!!!!!!」


叫ぶ三浦、止まる生徒、そして・・・。


「お前ら・・・一位じゃなかったら・・・コロス!!」

あの感動の場面はドコへやら、

結局三浦を罵りつつ生徒はそれぞれの位置へ着いた。


「よ〜い、パン!」

『さぁ!今第一走者がスタートです!』

一人目は池波でどんどん他の組との差をひろげる。


「いいぞ!池波!」

なぜか一緒に走っている先生。

「ここでいいか、よし!」

おもむろに用意してあったタンクの中の液体を道に撒き散らす。

「ム?またノリですカ?」

池波が聞く。


「いや、ガソリンだ」


そう言って三浦はマッチを擦り撒いたガソリンの上に落とした。

「はしれぇえ!!」

「ボォオオ!!!!」

燃え盛る道。


「はっはっはっは!!!」

「いいですヨー!!センセー」

いや、よくないよ。


そして二走者から十四走者まで何の問題もなく一位。

だがさすがに後ろの組が追いかけてきた。


「ふっ、鷹世」

「なんですの?」

ルリが走りながら三浦に聞く。

「次の給水所では水を飲むなよ」

《また何かしてますわね》


給水所、

黒組「ん?バカめ、赤組は給水もせず進んだか、女はすぐ倒れる、タイムロスを考えはやまったな」

逆転する気満々の黒組は学習能力もなく水を一気飲みする。

ちなみに水の60%は睡眠薬が混ぜてある。

普通はドロドロで変に思うはずだが黒組は何も思わず一気飲み。

案の定倒れて熟睡である。

三浦は死人が出るのはやばいと思い10分後救急車が来るように電話をしておいた。


そしてまた十五走者から三十二走者まで無事一位。

ちなみにこの二十三人目の区間が一番きつい鬼の坂があるところである。

長い坂を走りきるのはだいぶ体に負担を与える。

さすがのしょうも半分行けば息が荒くなった。


「那鎧後もう少しだ!がんばれ!!」

なぜか全部走っているくせに元気な三浦。

ふと後ろを確認すると遠くに他の組の姿が見える。

「くそ、さすがに怪しく思って睡眠薬入りの水は飲まなかったか」

当然だろと思ったしょう。

「フフフ、だが俺たちが頂上に着けば」

《何考えてんだ》


そして必死の甲斐あって頂上到達。

「よし!那鎧、よくがんばった、後はこのボーリングの球を転がすだけだ」

「ぼ?ボーリングの球?」

「トラック三台を使って運んだんだ、苦労したぜ」

そして外道にもボーリングの球を落として他の組の走者を蹴散らした。

「ストライクーー!!」

喜ぶ三浦、呆然とするしょう。

「さぁ!たすきを渡そう!」

こうして三十三走者からアンカーまでトップだった。

「フッフッフ、富宝、あとはゆっくりすればいい、優勝は決まったも同然だからな!」

「わ〜い、やった〜」

「優勝パーティーは和牛の名産地食べ放題がいいか?」

「高級すし屋がいいです!」

「それもいいなぁ!」

歩く二人は気づかなかった、黒組の陰謀でコースを表示する看板が逆を指していたことに。


そろそろゴールのはずがまだゴールできない事に気づいた三浦。

「おかしいな、ん?あの建物は学校と反対方向にあるものじゃ?」

「あれ?でも看板に沿ってきましたよ?」

「もしや、罠か!?しまった!くそっ!!」

「ど、どうするんです!?」

「む、あれが使えそうだ」


黒組「へっ、今頃赤組は違う方向へ行ってるだろう、ざまあみろ」

確実にゴールへ近づく黒組。

黒組「優勝パーティーは断然フランス料理だな」

のん気に歩いていると。


「ブロローーーン!!!」


黒組「ん?バイクの音?」


「ひゃっほーーー!!!!」

「盗んだバイクで走っちゃうーー!!」


三浦と由貴のバカコンビがバイクで黒組を追い越した。


黒組「じゅ、十五夜じゅうごや

既に意味の分からない事を口走る黒組だった。


もっとも最低で最悪でド卑怯な方法で見事一位を取った赤組だったが、

教育委員会で問題になり来年度から賞品なしになった。


「なぜ今まで問題にならなかった?」

「先生がバイク盗んじゃったから外部に漏れたんだって」

結局ダメな先生だなと思ったしょうだった。




2回連続きついです。by作者

あっそ byしょう

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