日々10「こんな体育大会前編」
時期が遅い?そうかしら?byシャン
本日、体育大会
爽やかに、仲間と汗を流し、ライバルたちと戦い、競い、己の限界を試し、
栄光を手にする、体育大会はまさに清きスポーツの大会である。
だが、由貴の学校はかなり違った。
「いいかお前ら!!負けんじゃねぇぞ!!」
由貴の担任、不良先生こと三浦が叫ぶ。
別に彼は熱血教師ではない、
体育大会にはさらさら興味はない。
興味があるのはただ一つ、
優勝賞品 テスト免除、及び賞金100万
まぁ、あれだ。
学校行事に賞金とは非常識であろう。
だが、残念ながらこの学校は体育大会をギャンブルと称し、
どの組が勝つか賭けるという、ノンモラル学校である。
賞金はその集めた金から出しているのだ。
所詮コネで入った人間ばかり、
金は有り余るというわけである。
で、テスト免除はそのまま、秋のテストを優勝クラスは免除されるのだ。
まぁ普通の人間ならばおかしいと思うだろうが。
バカが揃いに揃っていた。
「よぉーし!がんばるぞー!」
由貴、赤組。
「なぁ、おかしいよな」
しょう、赤組。
「かまわないわ、所詮遊びでしょ」
ルリ、赤組。
「かつヨーーーー!!!」
池波、赤組。
シャン「ねぇ、蓮、わくわくしない?」
シャン、黄組。
蓮「全然」
蓮、黄組。
「いいかお前たち!!勝たなかったらコロス!!」
早速この先生ヤバイよと三浦を見る生徒。
だが三浦はかまうことなく続ける。
「いいか!まずは・・・100m徒競争か、よし選手は誰だ?」
「私と池波君です」
学級委員長が答える。
「違う!他の組のだ!」
「え?なんで他の組を?」
「そいつらを走らせないように殺すためだ!!」
根本的に間違っていると思ったしょうだった。
「それより学級委員長は足が速いし池波も速いから勝てると思います」
しょうが提案をする。
「よし、では信じよう」
100m徒競争。
「よ〜い、パン!」
池波、余裕の男子一位。
学級委員長、惜しくも女子二位。
「負けてんじゃねぇかぁああああ!!!!」
しょうの首を絞める三浦。
「ま、待ってください、それでも二位ですから」
「まぁいい、取り敢えず学級委員長、クビ」
こいつひでぇ、そう思った生徒たち。
「次は・・・パンくい競争か!これは俺に策がある!」
三浦は奇妙な薄笑いを浮かべながら言った。
パンくい競争。
「よ〜い、パン!」
「ところで先生、策って何です?」
「ふっ、あのパンのうち一つはアンパン、その他は・・・・」
「その他は?」
「からし&マスタード、わさび入りパンだ」
それやべぇよと突っ込む生徒。
「しかもパンの生地には唐辛子が練ってある、俺も試食したが、人間の食うもんじゃないな」
「それじゃあ、分かっちゃいますよ?赤いから」
「あ」
あ、じゃねぇよと思う生徒たち。
『お〜っと、どうやらパンにかじりついた生徒がもがいている!どうしたのか!?』
実況がノリノリで言う。
ちなみにこのパンくい競争の選手は由貴だったため何とか一位。
「さすがだ富宝!!先生はお前を信じていたぞ!!」
《よかったな、不死身で》
静かにそう思ったしょうだった。
「次は・・・障害物競走か!これも俺が事前に仕掛けたわながある!」
最低な奴だと生徒は思った。
障害物競走。
「よ〜い、パン!」
まずは平均台。
『おーっと!ハプニング!赤組以外の平均台が接着剤でべたべただぁ!!』
「先生?」
「俺が独自で開発したくっ付くとなかなか取れない特殊接着剤だ」
《卑怯だなおい》
お次はアミ潜り。
『なんという事だ!!赤組以外のアミははりがねの柵だ!!これは痛そうだ!!』
「先生」
「ちなみに切れ味抜群だ、俺も通ろうとしたがあまりの激痛に涙が出た」
《バカだ》
そして難関のフクロとび。{袋に両足を入れ前にジャンプして進む競技}
『おや!?どうやら赤組以外は袋が小さくて足が入らないようだ!!』
「・・・」
「あれは俺がすり替えたのだ」
《・・・・》
結果、堂々の一位。
「よし、次は借り物競争か!選手に言う!一番右のものを取れ!」
またなにか卑怯なことでもと思った生徒たち。
「よ〜い、パン!」
『さぁ!選手たちは一体何を借りるのか!?』
青組「この中にベッカムはいませんか!!」
《いや、いないって》
黄組「夏目漱石!?聞いたことがあるような?」
《もう死んでるよ》
緑組「ここから1000m先の自動販売機のコカコーラ持ってる人!!」
《地味に遠い!!》
赤組「くじら!!」
「ばかやろ!!一番右のものを取れといっただろ!!」
《失敗かよ》
白組「み、三浦先生?」
「ま、そんな事もあろうかと俺の名前を書いといた」
「え?どうしてです?」
由貴がのんきに聞く。
「もしも他の組だった場合は俺は逃げてゴールさせないためだ!」
とことんセコイと思った生徒たち。
結果、誰かが持参したくじらのぬいぐるみで赤組は一位。
ちなみに白組は三浦が必死に逃げて結局ゴールできなかった。
午後の部に続く。
お姉さま・・・by蓮