日々1「こんな朝」
今回は短いです。
超能力、特殊能力、極普通の人間には到底手に入れられない力。
おそらく凡人の大半はそんな力を欲しているだろう。
「瞬間移動」「透視能力」「念力」・・・・。
たった一つでもいいから欲しい。
きっとそう思う人も少なくない筈だ。
だが、
たった一つ、
あまり好かれない能力がある。
一時期は誰もが欲しがったであろう。
権力、金、その次はOO!!
王様や貴族などは血眼になったであろう。
「欲しい!!」と貪欲であっただろう。
しかしこの力は、
あまりにもリスクが高い。
なおかつ、
「永遠」と言う「地獄」が待っている。
そう、その力こそ・・・・。
「不死身の力」
今だかつて誰も手に入れず、
そして必要とされなくなった力。
だが、この現代に、
そんな力を手に入れた・・・。
いや、手に入れてしまった。
・・・・バカな奴がいる・・・。
日本の首都、東京都。
朝8;30
超高級マンション「富宝マンション」
ここに住む一人の中学生。
「富宝由貴」男、
血液型はO型。黒のショートヘアーで女顔、よく女に間違われる。
性格はお人好しだが極度のバカ。
華奢な体で特に運動は出来ない。
親は「富宝財閥」父が社長で母は専務。
由緒正しき血統で大金持ちである。
「ピピピピピ」
かれこれ1時間半鳴り続けている時計。
「ん〜?朝〜?」
のんきに起きる由貴。
で
「のわぁああ!!!!寝坊だぁああああ!!!」
威勢のいいかん高い声が響いた。
「どうしよ〜!!9月に入って「もう遅刻するな」って言われたのに〜」
入学当日から遅刻で一ヶ月に19回は遅刻をするという記録保持者。
仕方なく歯磨き洗顔、身支度をし朝食を抜く事にする。
「よし!行ってきます!」
ジャスト5分で出て行こうとしているが・・・・。
なぜか窓から身を乗り出す由貴。
ゆうに100階はあるこのマンションの最上階から乗り出すとは、
命知らずどころではない。
「ひゃっほい!」
元気よく飛び降りる。
刻一刻と地面に近づく、
普通は死ぬ、いや、死ななければおかしい。
「ドン!」
「着地成功♪」
すばらしい、これでマンションをエレベーターで下りるより窓から直接落ちたほうがおそらく3分得をしたことになるって!!
生きている!?
「さ〜て急ごうっと」
・・・・・・・
そう、何を隠そう、
彼は・・・・
不死身なのだ。
「やっと着いた〜」
馬鹿でかい校門に金で彫られた校紋。
『空波学園』
さすが金持ちの通う学校だけある。
校門をくぐれば今はただの木の桜の木が20本並べられている。
その長い道を過ぎればグランドがある。
だがそのデカさが尋常では無い。
横3000m縦1500mの「なんじゃそりゃ」としか言いようの無いグランドを超えて
やっと校舎が見える。
でかいはでかいのだが余分な部屋があるだけで
特に普通とは変わらない校舎。
急いで中へ入り自分の教室へ急ぐ。
1−R
「間に合ったぁぁああああああ!!!」
馬鹿でかい声でドアを開ける。
「バカ野郎!!!もう一時間目はじまっとるわ!!」
ちなみに校門からこの教室まで20分かかる。
「先生!!違うんです!!理由があるんです!!」
「なんだ?言ってみろ」
「宇宙人が攻めてきたんです!!」
「お前先月もそう言っていたよな?」
すでに血走っている目、
血管の浮き出た額、
不良先生とあだ名のついている三浦先生は、
そりゃもう誰もがわかるくらい怒っていた。
「また攻めてきたんです!!」
空気も読まずに大胆発言。
「お前反省文100枚明日まで、いいな」
泣きながら謝る由貴だった。