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俺の彼女がまさかの魔法少女  作者: 愛板


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少女5

「朱音!また明日!」


「うん、ばいばい」


優君がものすごいいい笑顔で私にブンブンと両手を振っている。相変わらず全力のお別れに少し笑ってしまう。今日もいつも通り家の近くまで優君と一緒に歩いて帰り近所の人の目に入らない公園で私と優君は手を振ってお別れをした。なんというかすごく普通のカップルっぽいねこれ、なんかちょっと顔が熱いや。漫画やアニメ、ドラマで見ていたような普通のカップル、まさか私が体験することになるとは...まぁ手もつないでないしもちろんキスもしてないんだけどね。クラスメイトの女の子達にはそろそろ手をつなぐぐらい許してあげたら?ってずっと言われてる。私は毎回笑って流すけどね。


ぶっちゃけ私も優君と手をつないだり?ちゅーとかしたりしてみたいけどね?それにその先も経験してみたいとは思う。絶対に言わないけど



っと顔が熱いぞ...変なことを考えるからだ...鏡を見なくてもわかるくらいほっぺが熱を持って赤くなっているのが分かる。うーん、さすがにこの状態で帰ると両親に風でも引いたの!?と心配されるだろうしこの公園のベンチで少し休んでから帰宅することにした。


というか今日も優君は私の手をちらとらと見ていたなぁ...たぶん手でもつなぎたいんだと思うけど...



「だめだよねぇ...」


優君は一般人だ。私が死んだとき彼は私の記憶を失ってしまう。私もかなり強くなったとはいえまだ亡くなった師匠の実力には遠く及ばない。おそらく境界の悪魔...あの狐女が出てきたら瞬殺される程度の実力しかない。師匠は病魔に侵されながら互角にやりあってた、というかほぼ圧倒していたような気がしたけどそんな師匠でも死ぬ。容赦なく、急に、前触れもなく、唐突に死ぬ。それが魔法少女だ。そんな私と普通の人である優君がこうしてお付き合いを続けていくには...


どうしたらいいんだろうね...私にはわかんないや...


それに...これ以上の仲になるのが私には怖い。多分師匠がいなくなった時のトラウマがまだ私の心に巣くっている。まぁこれに関してはどうしようもない。だってそれだけ私にとって師匠は特別だったから、特別で、最強で、信頼しきっていた人だったから。


そんな人が私のせいで死んだ。


ーーー最近よく夢を見る。優君が私の戦闘に巻き込まれて死んじゃう夢、私が死んで優君が何もかもを忘れて幸せそうに暮らしている夢


大事な人が死ぬのはつらいんだ。それに優君が私のことを忘れてしまうって考えただけでも泣きそうになる。多分だけどこの夢は私の潜在意識で考えていることが私に夢を見せているんだと思う。


お前は魔法少女だぞ?そんなお前が一般人である優君と付き合って彼と幸せに暮らしていけるわけがないだろ?って死んだら記憶すら残らない、というかいつ死ぬかもわからないお前と付き合っているのは優君にとって時間の無駄なんじゃないかって、早く解放させてあげた方がいいんじゃないかって...


はは...その通り過ぎて笑えるや...






「みつけた!!師匠!!」


「?」


びっくりした。急に大きな声が聞こえてきたせいで肩がびくっとなって手に持っていた水筒を地面に落としそうになった。しっかりと水筒を持ち直してから声がした方へ視線を向けると誰かがいた。


誰だろう?明らかに私の方を見ているのは分かるけど顔が分からない。ので必死で脳内の音声フォルダを検索する。師匠が死んじゃう前に知り合ってた人の顔はしっかりと認識できるけどそれ以外の人はどんな顔か認識できないんだよね。今は優君とクラスメイト達のおかげで少しづつましになってきてはいるとはいえいまだにクラスメイトの顔の判別すら難しい私である。


ただこういった症状があるせいで誰かわからないとはよっぽど親しくもない限り言えないので誰かを判断するために声をしっかりと脳に記憶しておくようにしているのだ。


えーっとこの声は...たしか...


「罠の魔法少女」


「そうだよ!覚えててくれてありがとね!」


テンションが高い。うざい。顔を認識できないけど明らかに興奮しているのが分かる。というか...


「師匠じゃない」


「今はね!」


うざい...


「うざい」


「ひどい!?」


おっと声に出てしまっていた。


「ごめん、間違えた。テンションが高すぎてうざい」


「いやなんにも間違ってないじゃん!?むしろ丁寧に理由まで付け加えてるじゃん!?」


「で、なに?」


「つ、つめたい...」


私が全力でしかめっ面をしながら会話をしているからかテンションが高かった罠の魔法少女のテンションは徐々に落ち着いてきた。


「いや、あの。ごめんね?まさかこんなところで会えるとは思ってなくてテンション上がっちゃたよ。」


「別にいい、うざかったけど。で?なんで声かけてきたの?弟子を取る件は断ったと思うけど?」


かなりしっかり断ったと思うけどまだ私のことを師匠と呼んでるってことはあきらめてないんだろうなぁ...めんどくさい


「うん!でもねはい、これ」


罠の魔法少女はニコニコしながら私に一枚のA4サイズの書類?を手渡してきた。


ものすごーーーーーく嫌な予感がするが受け取らないと話が進まないので全力でしかめっ面をしながら罠の魔法少女から用紙を受け取る。

溜息を吐きながら書いてある内容を読む


魔法少女協会所属 朱雀 柊朱音を罠の魔法少女の教育係に命じる


一文目からこれだった。


「いやぁ...朱雀さんに師匠になってほしい!って日本刀を持ったきれいな女の人にお願いしたらすぐにこの書類を準備してくれたんだよ!というわけでーーーよろしくね!師匠!」


罠の魔法少女はたぶん、というか絶対にものすごいいい笑顔でそう言った。


「...」


その言葉を聞き私は天を仰ぎーーーーー書類を燃やした。


拗らせ処女婚期逃しクソ長官めぇ...





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ブブッ、と枕元に置いてあったスマートフォンが小刻みに震えメッセージが来たことを知らせてきた。が私は無視して二度寝を開始する。え?誰からのメッセージか確認しなくてもいいのかって?


はは、もちろん大丈夫だよ。私が連絡先を交換しているのは両親と優君とクラスメイトの人たちと弟子(強制)の罠の魔法少女だけである。その中からこの時間に連絡が来るのは大体優君なのだが、優君の着信音は変えてあるのでこの音じゃない。ということはつまり、弟子からのメッセージである可能性がかなり高いのだ。なので、出る必要はかけらもない


「ふわぁ~」


今日は土曜日、昨日は処女長官のせいで最悪の一日だったけど帰ってから優君と長電話して少し夜更かしをしてしまったのでまだ少し眠いのだ。


そんなことを考えつつ睡魔に身を任せ眠りについた。




たぶん30分後くらい。バン!と私の部屋のドアが開いた音がした。ん~ママかな?もしかして私の部屋の掃除でもするのかな?わぁーーい助かるぅ


「朱音?お友達来てるわよ?早く降りてらっしゃい」


「...え゛?」


寝起き&予想外のママからの言葉にちょっと汚い困惑の声が出てしまった。じゃなくて誰?こんな時間(午前10時30分)に家に突撃してくる人は...


「とりあえず、下で待っててもらうからすぐ着替えなさいよ?」


ママはそう言って困惑しているわつぃを置いて部屋から出て行った。いや待ってママせめて誰が来たか教えてよ、まぁ着替えるけど...はぁ、もっと寝たかったのに...


まだ少し重たい瞼を気合で開きつつあったかいベッドからごろりと抜け出しちらりと鏡越しに今の私の格好を見る。


「さすがにだめか...」


ノーブラにTシャツ一枚、下はパンツのみ。全力で気を抜いている格好である。こんな姿を優君に見られたら百年の恋も冷めるレベルのだらしなさである。


とりあえず箪笥からブラジャーを取り出し着ていたTシャツを脱ぎ捨てて胸元にブラジャーを合わせホックを止める。その後キャミソールを着て適当に選んだ服を着る。下は...ショートパンツでいいや、めんどくさいし。というわけで準備が完了したので私は自分の部屋から出て下の階に向かった。





「すみません、コーヒーなんていただいちゃって...」


「いいのよ!朱音を尋ねにおうちまでくる子なんて初めてだもの!すこしはおもてなしさせて?」


.........お前かよ。


階段を下りた私の目に映ったのは申し訳なさそうに出されたコーヒーを飲む罠の魔法少女だった。


「あら、朱音早いじゃない?」


「...うん」


「あ、お邪魔してます」


「......」


なんでいるの?と全力で問いただしたいがここにはママがいるのでそんなことはできない。ので私は笑顔を保ちつつ顎でクイっと玄関の方を指す。

すると罠の魔法少女はすぐに理解したのか一気にコーヒーを飲みほし「すみませんコーヒーとてもおいしかったです!ありがとうございました!」とママにお礼を言ってから私と玄関に向かって歩き始めた。


さて、どうやって燃やそうか。



ガチャリと玄関の鍵を開け外に出る。あ、そういえば洗顔も歯磨きもメイクもしてないや...ふとそんなことを思い出したのでなるべく人目につかない空き地に向かって罠の魔法少女と歩いていく。すると恐る恐る罠の魔法少女が声をかけてきた。


「あの~師匠怒ってる?」


「うん」


「あ、はは...だよねぇ。えーっと...ごめんなさい」


罠の魔法少女はそう言って頭を下げてきた。はぁ...そんなに素直に謝られたら怒る気も失せる。もういいや...用件だけ聞いて追い返そう。うん、そうしよう今日は11時30分に優君からモーニングコールがかかってくるのでそれまで寝ておきたいのだ。どうやら優君は寝起きの私の声が好きみたいなのでちゃんと寝ておいてあげないと


「で、用件は何?」


「あーーっと...一応協会から連絡が言ってるはずなんだけど...もしかしてみてない?」


「協会?」


なんで協会?私スマホ持ってないから協会関係の連絡はヨンを経由して送られてくるん...だけ...ど...


私スマホ買ったじゃん!?しかも買ってすぐにヨンにスマホ買ったから境界の人にこれからは連絡スマホで大丈夫ですよって伝えておいてとかなんとか言ったじゃん!?慌ててポケットからスマホを取り出そうとするが見当たらない。あ、ベッドに置いたままだ。


「師匠...スマホは携帯しよ?」


「うぐ....」


罠の魔法少女はものすごく哀れなものを見る目で私を見てきた。だってしょうがないじゃん!まだ買ったばっかりだから持ち歩く習慣がないんだよ!


「と、とりあえず私のところにも師匠と同じ連絡が着てると思うから伝えるよ...えーっと〇〇市のゲームセンター近くに境界出現、魔力濃度高、朱雀及び罠の魔法少女の出動を要請する。って書いてあるよ」


「早く教えてよ!?」


「え?」


私はガシッと全力で罠の魔法少女の手を握り境界が出現した場所に移動を開始した。急がなきゃまずいじゃん!?




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