魔法少女45
かなり遠くからものすごい轟音とともに衝撃波が飛んできた。
「なにいまの?」
「たぶん涼ちゃんの魔法?いやでもこんな威力の魔法なんて私しらない...」
俺と一緒にクロに乗っている朱音が本当に困惑した様子でそう言う、マジで?魔法?でも確かに涼さんの魔力を感じる。
「今の感じは相殺したんだと思う!まだ勝負はついてない!」
クロの後ろにぴったりとついて走っているシロの上で天ちゃんが焦ったように声を上げる。相殺?
「今の魔法で涼は魔力使い切ってる!次の敵の魔法を対処するすべがないよ!」
天ちゃんがそう言った後すぐにおそらく敵のものである魔力が膨れ上がるのを感じる。うっそだろ!いまさっきバカみたいな魔力がこもった魔法撃った後だろ!?なんでそんなにすぐに次の魔法撃てるんだよ!いや俺も撃てるけどね!?俺は魔力の回復できるし魔力実質無限みたいなもんだから!けど俺遠距離魔法は全く覚えてないんだよ。だから朱音と天ちゃんから魔力がもったいないといつも言われてる。
「くっそ!これじゃ間に合わない!ごめん、クロちゃん!私のこと飛ばして!!」
「がう!!」
飛ばす?朱音が急にクロに向かってそう声をかける。
「優君!天ちゃん!私先に行ってるね!!クロちゃん!3、2、1ーーいま!!」「がう!!!」
そう言ってカウントダウンを始めた朱音は全力で走っているクロの前に飛び降りた瞬間に炎を足に点火しさらに朱音が自身の前に飛び出たことを確認したクロがすぐさま風、いや爆風を朱音の足元に発生させ
ドパンッ!!!
という爆発したような音と共に朱音は一瞬で視界から消えた。
「ぶわっ!?」
そんな爆発したような風をもろに浴びたのでクロの背中から落ちそうになるが何とか持ちこたえる。ってなんだよそれ!朱音の奴いつからクロとこんな移動方法研究してたんだよ!
そんな俺の考えを呼んだのかクロが俺の頭に思考を飛ばしてくる。
え?なになに?朱音ちゃんが寝坊した時に学校に飛んでいくために協力してたらできたって?
......後でお説教だ。一緒に住み始めて何度かあったんだよ。何度起こしても起きないから罰として放置してたのになぜか遅刻せず、ぎりぎりで登校してくることが。その秘密が今解き明かされたぜ。まさか遅刻回避にクロを使っているとは......というか一般人に見られたらどうすんだよ...
「天ちゃん」
「うん、後でおしおきだね」
朱音の寝起きの悪さに日々苦しめられている俺と天ちゃんの心は今一つになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「んぎぎいいいい」
相変わらず風圧がやばい。この魔法『くろとあかね☆すぺしゃる☆ろけっと」は移動速度がものすごく早いというか文字通りロケットのごとく高速で移動できるけどあまりにも早すぎて風がすんごいことになるんだよね
ただ今はそんなことを気にしてられない。すぐに魔力をためろ!この速度なら後数十秒で涼ちゃんのところにたどり着ける!けどついてから魔法を構築してたら私ごとやられてしまう。だからこの高速移動中に魔法を完成させる!
私の最高火力は斧を介した魔法だけど、あの魔法は対単体魔法だある特定の物を燃やす魔法だから大規模魔法のカウンターとして放っても一点のみ敵の魔法を食い破るだけで余波が涼ちゃんたちにあたる可能性が高い。だから今使う魔法は大規模で高威力の魔法!
「んぎぎぎ『命は薪!世界は炉!』」
あーー!!もう!!風が顔に当たるせいで詠唱しづらい!!すぐに顔の周りに魔力で作った膜を作って風邪から顔を守る。
「『ならば我が怒りこそが、終末を灯す最後の火種!』」
くっそう!この魔法ホントに消費魔力が多い!あと!詠唱文が多い!こういう時は涼ちゃんの『魂の門』第一門の能力である詠唱破棄がうらやましくなる!
「『来たれ、死を抱く不死鳥!幾億の輪廻を喰らう朱雀の獄炎よ!炉を燃やし、星をも燃やせ!』」
詠唱完成!さらに!
「私、現着!!!」
「朱音ちゃん!?」「ぐわっ!?」
とんでもない勢いで私が涼ちゃんと涼ちゃんの彼氏さんの前に突き刺さる、いや突き刺さるってなんだよって思われるかもしれないけどこの移動方法だとこの着地が一番安定するんだよね。いつも使ってるときは運動場に突き刺さってる。
というかギリギリだったね!!敵の魔法はもうすでに完成してるというか発射寸前じゃん!!急いで突き刺さっている足をずぼっと抜き手を敵に向ける。さぁ、この魔法はすんごいよ?敵さんは耐えられるかな?
「『焔星終炉』」
世界が燃えた。
「ふぅ...やったかな?」
「やったかな?じゃないわよ!?死ぬ!死んじゃうとこだったわ朱音ちゃん!!」
あ、やべ急ぎすぎて涼ちゃんたちの方に意識を配ってなかった。涼ちゃんの魔法少女服がかなり燃えてめちゃくちゃえっちなことになってる。ちらりと彼氏さんの方を見ると彼氏さんの服も燃えちゃったみたいで少しまずいことになってる。ただ...えっちなことになってる涼ちゃんを穴が開くほど見つめているね......あ、自分の顔をぶん殴った。それでそのあと自分のぼろになった服を脱いで涼ちゃんにかけてあげてる。
おぉ...紳士だ。最初の目線のことは忘れてあげよう武士の情けだね。にんにん
「あ、ありがとう亘一君、それと朱音ちゃんも...ほんとに助かったわ...」
涼ちゃんがそう言い私の頭をなでてくる。むふーいいよいいよ!っと上半身が裸になった涼ちゃんの彼氏さんも全力で頭を下げている。あら、礼儀正しい人だね。
「いーよ、仲間でしょ。ただ、まずいことに私も今ので魔力切れ。もう戦え...いやまぁ戦えるけど威力の高い魔法は無理かな?」
「けほっ、そりゃこんな魔法使ったら魔力切れるやろねぇ...さすがランク2位の朱雀やわぁ...一位のあの子はサポート特化やし実質日本で一番強い魔法少女やもんね」
あらら。生きてた
「で、どういうつもりかな?花の魔法少女?裏切り?」
「そうやでぇ?うちは勝つ方の味方するのが趣味やからなぁ」
そんな軽口をたたきながらいまだにごうごうと燃えている炎の中から出てきた花の魔法少女を観察する。というかやっぱり花の魔法少女だったか...結構古株の人なんだけどなぁ、魔力に少し既視感があったからまさかとは思ったけどほんとに彼女本人とは、しかも操られてる線もなし。ちゃーんと裏切ってるね
「それにしても、花の魔法少女はヌイと仲がいいって有名だったけど、ヌイはどうしたの?」
「殺したで?邪魔やもん」
「ありゃ、第一級の禁止事項踏んでんじゃん。ヌイ一匹減るだけでもかなりまずいんだけど?」
ヌイ達には魔法少女のスカウトっていう世界存続のための超重大ミッションがあるのだ。日本にいるヌイは数十匹しかいないんだ。一匹減るだけで大打撃だ。
「しってるよぉ?だから殺したんやもん、逃げられんように罠はってなぁ」
うーん、ヌイはなんでこんなのと仲良かったの?相変わらず見る目無いねぇ......さすがヌイ、あの子たちみんなかわいいけど人を見るときは魔法少女になれるかどうかしか気にしてないから性格の良し悪しに疎いんだよね
「ふーん、まあいいや」
「いや、よくないわよ朱音ちゃん」
涼ちゃんからめちゃくちゃ普通に突っ込まれた。
「んぐ...い・ま・は!いいの!で!花の魔法少女?君はそっからどうやって戦うの?」
私はそう言って右足、左腕、右腕を欠損しそれ以外の部分も黒焦げている花の魔法少女に問いかける。ていうか私のあの魔法使って燃え尽きてないの凄いね。悪魔堕ちして強くなりすぎじゃない?
「そやねぇ...うちはここで退場やね、再生魔法とかはつかえんし、油断した罰やね。というわけでまかせたで?ーーー『食の魔法少女』?」
「がああ■ああああ■ああああ■■ああああ」
っと!?
「びっくりした!?」
空から口だけの化け物が降ってきた!?って今花の奴なんて言った?食?食の魔法少女!?それって!?
「海外の魔法少女じゃないの!?」
涼ちゃんが焦ったようにそう叫ぶ。たしかアメリカだっけ?アメリカでもまぁまぁ上位の魔法少女だったと思うけど、そんなやつが裏切ってんの?
「おぉ、ようしっとんな。ほんじゃあさいなら」
くっそ!花の魔法少女に逃げられた!というかなんでそんなすぐに境界から逃げれるの!あーーもう!情報が足りない!
そんなことを考えつつ目の前の口だけの化け物を殴って殺す。すると少し奥の方からズドーーーン!という何かが堕ちてきた音が聞こえた。
「ーーはははは!!!!みてたぜぇ!!!朱雀!!いい火力してんじゃねぇか!!俺にもその炎食わせろよ!!」
あーー!頭がきーーん!てなった!くっそぉこの頭プリン女日本語しゃべってないな!!魔法少女に標準搭載されてる翻訳機能が勝手に発動したじゃんか!これ頭キーンてするから嫌いなんだよね!
「日本語喋れ!!ここ日本!!」
「ははは!!しらねぇなぁ!!俺は俺のやりたいようにすんだよ!!」
んんんんん!!!魔力ないけど仕方ない!!優君来るまで我慢だ!!情報もらうためにこの粗雑女、絶対に捕まえてやる!!




