魔法少女22
「しっ!」
短く息を吐き襲い掛かってきた男性の魔法使いをぶん殴って吹き飛ばす。今の制服は魔法使い部隊の人かな?魔力は確かにあるけど私の一万分の一以下くらいかな?うーんよわいなぁ…確かに魔力さえあれば一般人よりもはるかに強くなれるけどあそこまで魔力量が低いと最下級の境界の獣と戦うのにも苦労するだろうに…
ただ何かしらの武術をやっていそうだったなぁ、他の女性隊員(全体の9割)に比べて動きが格段に良かった。うーん男性も強い魔力を持つことができれば戦力上昇間違いないんだけど…なぜだか男性が魔力を得る確率はものすごく低いんだよねぇ…もったいないもったいない…
「やっぱり、優君って何かのバグだよねぇ~」
そう言いながら自身の周囲に焔の塊を100発を程展開し周囲に飛ばしながら歩く。そろそろ魔法使い部隊は全滅かな?守衛部隊は速攻で殲滅したし、ちなみに殺してはいない、後が面倒だからね、軽く燃やすくらいしかしていない、ここにいる人たちはみんな魔力を持っているので殺さなきゃ回復魔法で復活するからね。
「あかねー、優君はバグじゃなくてあかねが生み出したモンスターだと思うよ?」
風ちゃんが私の独り言を聞いていたのかそう返してくる。
「そうねぇ…魔法少女の愛によって魔力が覚醒するなんて私も聞いたことがなかったけど…あのレベルの強さを短期間で得るってことは…まぁそういうことよねぇ」
どうやら殲滅が終わったらしい。涼ちゃんもニコニコとしながらこちらに歩いてくる。
「そういうことってなにさ…」
「「どんだけ彼氏好きなのよ朱音ちゃん」」
「んぎっ!?」
涼ちゃんと風ちゃんがニヨニヨとして私をからかってくる。むむむむ…言い返したいがどんなけしをしてもドツボにはまる気がするぞ
「…すごいな…上位ランカーの魔法少女は…敵地で恋バナとは…」
瑠華ちゃんがすごいものを見る目で私たちを見ている。いやまぁ一応警戒はしてるんだよ?私は魔力感知を全開にしてるし、涼ちゃんは不意打ちされたときように常に身代わり人形を展開してるし…風ちゃんは…風ちゃんはなんにもしてないけど…
「まぁ雑魚しかいないし」
「…風ちゃん?」
「はい!すみません!」
調子に乗った風ちゃんが涼ちゃんに怒られている。確かに弱いしフェイスが現れたら0.1秒くらいで全魔力吸い取られて死ぬような人たちでも一応ちゃんと訓練して境界の獣と戦っている人たちなんだからその言い方はないでしょ…
この人たちがいなくなったら境界の獣に対処する人数が足らなくなって日本滅ぶんだからね?だから戦闘不能で止めてるんだから…
まぁ懲罰部隊は全員殺すけど
「でも、そろそろ出てくるでしょ?」
風ちゃんはさっきまでのバカっぽい雰囲気を一瞬で消し全身に魔力を纏い始める。
「うん、あと十秒くらいで来るよ」
すっごいスピードで近づいてきてる。いやぁタイミング悪かったかなぁ…まさか上位ランカーが今日に限って協会にいるとは思ってもなかったよ
「誰が誰やる?」
「私は誰でもいいわよ?朱音ちゃんは?」
「んー、正直長官も出張ってくると思うから魔力はあんまり使いたくないなぁ」
「なら私が弓をもらうわね」
「なら私は~大地と星もらうね!瑠華ちゃんサポートよろしく!」
おっとナチュラルに風ちゃんが二人持って行ってくれた。さすが天ちゃん、頼りになりまくりだよ
「…了解した」
おろろ、瑠華ちゃんが緊張し始めちゃった。かわいいねぇ…頭なでておこう
「瑠華ちゃん、風ちゃんは天才だから大丈夫だよ、緊張しないで?」
頭をなでながら瑠華ちゃんにそう声をかけると黙ってコクンとうなづき集中し始めた。うんうん良い感じだよ
さぁ私は先に斧を出しておこうか…長官とやるなら獲物がないとさすがにしんどいからね
「みんな、任せたよ」
「「「任された!!!」」」
仲間たちから力強い返事が届いた瞬間
私たちがいる場所に向かって数えきれないほどの矢が飛んできた。
「あら、向こうはやる気満々ね!『呪ノ榴弾』」
それを見て涼ちゃんが前に立ち腕を広げ魔法を発動する、呪いが込められた榴弾が一斉に展開され、発射される。
ズガガガガガガガガガ!!!!!!
轟音 そして爆風が吹き荒れる。
相変わらずおかしな威力してるよあの弓矢、なんで弓矢からあんな音が鳴るんだろう…
ま、ここはみんなに任せて詠唱を始めよう
「天を焦がせ『朱天ノ斧』」
私が斧を出した瞬間周囲の温度が急激に上昇する。うーんやっぱり終局の方を出さなくて正解だったね、境界内部ならまだしもこんなとこであれを出したら周りの被害がすごいことになるし
「おっと、きたきたきた!!!」
風ちゃんのテンションが上がっていく、あぁ大地もきたのか、私たちが立っている地面が徐々にひび割れていく
「あっぶないなぁ!『天壁!』」
すぐに風ちゃんがひび割れ始めた地面に手を置き魔法を行使する。
その数秒後地面が隆起し溶岩がすごい勢いであふれてくる。ただし天ちゃんが行使した魔法に邪魔され私たちの周囲には溶岩が全く寄ってこず見えない壁と床に阻まれ止まっている。
「…お、風ちゃん、空中から来るよ」
溶岩がそこら中からあふれているのをやりすぎじゃない?と思いながら眺めていると上空から魔力反応があった。
星が落下してくる。
「いいね!最初っから全開じゃん!『天爆ぅぅぅぅぅうう』」
上空から落ちてきた星、いや隕石が上空にてどんどん爆発していく。粉々に砕かれた隕石の欠片がパラパラと降ってきて少しうざいので魔力を上げ私にあたる前に燃やす。
ん?
ーーー来た
「ふん!!!」
ガギィン!!と金属がぶつかり合った音が鳴り響く。あっぶないなぁ!なんでこの人は溶岩&矢の雨&呪いの榴弾&隕石&空間爆発が起きているこの場所を抜けて私に普通に斬りかかれてるんだろうね!
「久しぶりだね長官!」
「そうだな朱雀…」
斧と刀がギャリリリリリと音を立てながら鍔迫り合う。相変わらずなんでこの刀は私の斧の温度を耐えてるんだろうね!普通の武器ならもう溶けてるのに!さっすがは刀の魔法少女(二十八歳!)
「とりあえず今の一撃で分かった。ーー貴様操られているわけでもない様子だがなぜ協会を襲いに来た?」
…は?
何を言ってんだこの人は
そんなの決まってるだろ
「彼氏を助けに」
「…頭でも打ったか」
「うっさい独り身」
「…」
再度私の斧と長官の刀が激突した。
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「きりがないわね…」
少しづつ矢が放たれている地点に向けて足を進めいるがかなり遠くから射撃しているのか、全く近づいている気がしない、本当は今も放たれ続けている矢の雨を無視して弓の魔法少女に近づきたいが私が『呪ノ榴弾』を撃つのをやめてしまうとほかの仲間の邪魔になってしまう。
うーん、どうしましょ…
「涼風先輩!私が斬りこむ!援護をお願いしたい!」
私が歩きながらそう悩んでいると隣にちいさな魔法少女が現れた。
「あら…瑠華ちゃん?風ちゃんの方はいいの?」
確か瑠華ちゃんとふうちゃん二人で大地と星を相手にするはずだった気がするけど…
「…私のことを忘れてる」
「あぁ…」
風ちゃんてば…楽しくなりすぎちゃったのね…それなら
「今から榴弾の数を増やすわ!そのタイミングで行ける?」
「もちろんじゃ!」
うーんずっと思ってたけどこの子話し方がすごくお年寄りっぽいわね…あの人が好きそう…
「じゃあ行くわよ!『呪ノ榴弾!!』」
私は魔力を全力で回し榴弾の数を一気に増やす!ここまで増やすとコントロールなんてできないけど!目標を定めて撃つくらいなら…できる!」
私の周りに展開されていた榴弾がすごい勢いで射出されていく「出る!」
さいっこうね瑠華ちゃん!完璧なタイミングよ!しっかりと魔力を隠蔽して走り出した彼女を見て全力でほめてあげたい欲求を抑えつつ瑠華ちゃんの存在を隠すために私はどんどん榴弾を撃っていく。
この距離感なら瑠華ちゃんが弓の魔法少女に肉薄するまで三十秒!それまで
私に釘付けにする!!!
上空にてどす黒い榴弾ときれいな矢がぶつかり合っているのを感じながら我は疾走する、涼風先輩が急激に榴弾の数を増やしたためか弓の魔法少女側の対応が追いついていなーーー
目の前に矢が突然現れ…「っ!!」瞬時に抜刀して矢を切り払う!助かった。日々の鍛錬のおかげか考えるよりも早くからだが動いてくれた。
弓を切り払った際に少し腕を痛めたが気にせず走る!矢を一度切り払っただけで腕を痛めた自分の不甲斐なさに腹を切りたくなるが今はそんなことを気にしている場合ではない!
我にも矢が飛んできたということはすでに接近がばれているということである。ならば!隠密など不要!
「正面から押し通る!!!」
魔力を全力で身体強化に回し先ほどまでのように障害物を使って走るのではなく、最短距離で駆け抜ける!
「疾っ!!!」
当然そんなことをすれば矢も数本飛んでくるが私の居合の方がはやい!腕は痛むが気にせず進め!
「---見つけたぞ」
大量の矢を放つ弓の魔法少女を目視した。距離目測30メートル!
その瞬間、一斉に私に向かって矢が発射される。まさか待ち構えて!?
数は100以上…斬る?無理だ。
避ける不可能だ。
氷を展開して守る?私の生成速度では間に合わない
死
「それが一番ない!!!」
見ろ、見ろ、見ろ、見ろ!!!軌道を見ろ!予測しろ!退けば死ぬ!その場にいても死ぬ!ならば!
「前に出ろ!!」
弟子はそうした!不可能を可能にした!死の運命をすべて覆した!あの朱雀すら倒すことが難しい化け物を倒した!さらに境界の悪魔すら撃退したと聞いた!
であるなら!師匠である私は!
「その先を行かねばーー師ではない!!!」
何千、何万と繰り返した。抜刀にすべてをかける!魔力を絞り出せ!限界を超えろ!
今
ここで!!
「 神断チ!!!」
我の自慢の祖父から受け継いだ抜刀流派の奥義!荒ぶる神をも斬ったとされるその魔剣!
シュン!とかすかに音が鳴り我の前方にあった矢はすべて斬れていた。
は、はははは!!できた!これで!敵を斬れ
「追加」
我が矢を斬ったその瞬間弓の魔法少女が再度矢を弓につがえ発射した。弓から放たれたその矢は一瞬にて数えることができないくらいにまで分身し私に向かってくる。
「ならばもう一度!!」
刀をおさめ抜刀の構えをとるが…くそ、魔力による強化が間に合わな「最高よ瑠華ちゃん」
すべての矢が涼風先輩の周りにある黒い靄に触れたその瞬間地面に落ちた。
「『呪ノ重り』この霧がある限り、矢は飛ばせない…さてどうするのかしら?弓の魔法少女さん?」
「呪の魔法少女…」
「はぁーい」
涼風先輩は笑顔で弓の魔法少女に向かって手を振っていた。
魔法少女協会戦闘部隊及び魔法使い部隊長官 御剣 剣理
刀の魔法少女(笑)
28歳独身彼氏いたことなし、趣味はイチゴのスイーツの食べ歩き




