魔法少女18
「そーれとってこーい」
俺はそう言いながら木を削って作ったフライングディスクを全力で投げる。すると俺の両隣から白いモフモフと黒いモフモフがバヒュン!とものすごい速度で飛び出していった。
「相変わらず初速がやべぇな…」
この狼たちを見つけてから2日経ったのだが試しに作ってみたフライングディスクにドはまりしたようで毎朝30分ほどのフライングディスク遊びを全力で楽しんでいる。
狼たちはどうやら本当に若い個体だったようでものすご~く遊び盛りなのだ。こうして遊ぶ時間を作ってあげないとわかりやすいようにシュンとなるので毎朝しっかり行っている。ちなみにだが名前は黒い方がクロで白い方がシロである。どうやら俺と天ちゃんには名付けのセンスがなかったのでシンプルなものに落ち着いた。
「がうっ!」
お、クロがディスクをキャッチしたようだ。真っ黒なモフモフがものすごく喜んでいるのが見える。そしてその隣で獲れなかったシロはもうすでに次の回を見据えているのか俺のもとに一目散に戻ってきている。あぁ癒されるぅ…隣で座ってくつろいでいる天ちゃんもふふっとあの二匹を慈しむ様に笑っている。どうやらうまくリフレッシュできているようだ。あの小屋をみつけてから天ちゃんは一心不乱に魔法陣の解析に夢中になっていたのであまりにも精神的によろしくないということで俺が土下座して一日30分だけこうして二匹と二人で遊ぶ時間を作っているのである。
後、睡眠時間も5時間は確保してほしいと土下座した。日に日に目に見えてやつれていく天ちゃんを見るのが苦しくなったからだ。正直俺たちが助かるためには睡眠などとっていられないという判断を天ちゃんはしているのだが俺は逆に天ちゃんが倒れたらそれこそ詰んでしまう、と説得しこういう形で収まっている。
そうしてみんなでゆっくりと遊んだ後俺とクロは探索に天ちゃんは魔法陣の解析にシロは天ちゃんの護衛にという形で行動を開始した。
いつもの日課として森と海岸の方面をクロに乗って見に行く、本当は近くまで転移したいがどこまで大地が死んでいるのかわからないのでうかつに転移ができない、そのため毎朝のチェックの際はこうしてクロに乗って走っているのである。
「森は死んでしまったか…」
以前まで森があった地域はすでにすべて浸食されいた。あの大きな木はもうどこにも見えない、さらに大地が死んでいく速度が増しているのだ。おそらくだが森という障害物があったから速度が落ちていただけであり森をすべて飲み込み終わったので障害物がなくなり速度が通常の速度に戻ったのではないか?と俺と天ちゃんは考えている。
「この速度だと…もってあと3日か」
完璧に計算したわけではないが俺の直感がそう言っている。まさに絶体絶命、二日以内にか天ちゃんの魔法陣解析が終了しなければそこで終わる、それと同時に俺の魔力が豊富にある場所探しも完遂しなければならない、そうクロという高機動力を手に入れてもいまだ魔力が豊富にある場所は見つけることができていなかった。
「クロ、今日もよろしくな」
俺がそう言ってクロの上から首元をわさわさとなでると「がう!」と力強い返事が返ってきた。
そうして走り出したクロの上で目をつぶり集中する。この二日間俺はただ探索していただけではない、魔力感知能力を鍛えに鍛えまくっていたのでその場所の魔力量が分かるようになっていた。え?どんな方法で修業したかって?それは簡単クロとシロに魔法を俺に向かってたくさん撃ってもらったんだ。そんでそれを目をつぶりながら避ける練習を探索が終わってからずっと続けた。すると徐々に魔力というものがなんとなくわかるようになったんだ。天ちゃんからは「脳筋過ぎる…」とドン引きされたが魔力感知を身に着けることができたので気にしないでおこうと思う。
今日は洞窟がある地点から見て森が西側、海岸が東側だとしたら北側に探索にむかう、二日かけて南を探索したが本当に何もなかったからな…北に何かあることを願おうと思う。
クロに乗って走ること5時間くらい、太陽がかなり移動しているからな…いまだ何も見つからない、というか北側はどうやらものすごく広いらしい、南は3時間くらいで島の終点についたことを考えるとどうやら洞窟は島のかなり南に位置していたようである。
少し、クロも疲れが見えてきているので休憩にしようと思う、というかクロの体力は相変わらずすさまじい何時間も走り続けて少し息が乱れているだけである
俺はクロから降りカードから水を出すとカバンから木のお皿を取り出し、お皿に水を入れる。
「はい、クロ飲んでよし!」
「がう!」
クロは俺の指示を聞きすぐに水を飲み始めた。うーん、ほんとに指示がよく通る…この子はほんとに天才だと思うあとかわいい、めちゃくちゃでかいけど
そうして俺も地面に座り込みクロをなでながらくつろいでいるとクロが急に戦闘態勢に移行した。
「…」
俺もそれを見て立ち上がり体に魔力を回し始める。クロがこうして警戒態勢をとるときは大体境界の獣が周辺にいる時だ。ちなみに今のところ百発百中である(三回中三回)
「がう!」
お、クロが空に向かって鎌鼬を放った。どうやら今回の境界の獣は空にいるようだ…ん?空?
「とりだぁ…」
顔を上げるとそこには鳥がバタバタと飛んでいるのが見えた。というかクロすげぇな、的確に翼を鎌鼬で削っているからか鳥がどんどん地面に向かって墜落していっている。
クロはそんな鳥型の境界の獣の様子を見て「がう」と満足そうに吠えまた休憩に戻っていった。
やだ、うちの子すごく強いわ!俺はクロに向かってダイブしてクロの毛をわしゃわしゃとし全力でクロをほめた。
その後もクロをなで続けること数分休憩を終了しまた俺はクロの上に乗りまた走り始めた。ちなみに全力でほめた影響なのかクロはものすごく上機嫌である。
そうして走り少し経った頃徐々に草原地帯に景色が移り変わり始めた。
「まじか…」
「がう!」
先ほどまでとは違いでこぼことした地面がむき出しの大地ではなく背の低い草がたくさん生えているのがクロの上からでもわかる。クロ自身も草原を走るのが気持ちいのか明らかにスピードが上がっている。
しかも目を閉じ集中すると明らかに荒野にいた時に比べ魔力が多く感じられる。そのことに気づいた俺はガッツポーズをとりさらに魔力濃度が高い場所がないか探し始めた。
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「そんで見つけたのがここか…」
俺は今バカでかい家がたくさん建っている集落のようなところを一望できる高台にクロと一緒に立っている。テンションが上がって高いところを目指した結果がこれだよ、しかも死力を強化してしっかりと見る感じいるんだよな、巨人たちが
クロもそれに気づいたのか早く行こうよ、といった感じで鼻先で俺の背中を押してくるがちょっと待ってほしい、さすがに心の準備ができていないっす。
それととりあえず天ちゃんを呼びたい、切実に、というわけでカードを設置し転移して天ちゃんを呼びに行った。さぁ異世界初村人との交流だ張り切っていこう!
「huxiehhidh3ohdushq?」
「udheuwhdiwhgsuw」
俺と天ちゃんの目の前で10人くらいのバカでかいおっさんとおばさんがしゃべってる。が何言ってるのかまったくわからん!そりゃそうだ!だってここ異世界だもん!あと迫力がすげぇよ!でかすぎる!ちなみにクロとシロは嬉しそうにお座りして尻尾を振っている。あらかわいい、でかいけど
「天ちゃんどうしようこれ…」
「あわあわわわ…」
だめだ天ちゃんがあわあわしてる。
そうしてどうすっかなぁこれ…と考えていると集落の方から魔法の杖?のようなものを持ってきたおっさんが魔力を纏い何かを唱えた。
「ーーーこれで言葉は通じるはずじゃぞ、全く翻訳魔術なぞ久々に使ったわい」
「「え?」」
「なーにが、え?じゃ小人の人間よ、まさか小人族が生きているとはの」
先ほどまで全く意味を理解できなかった言葉がすらすらと脳内に入ってくる。しゃべっている言葉はいまだ理解不能なのに意味だけはしっかりと理解できる。
「な!何その魔法!?」
あ、天ちゃんがあわあわから抜け出した。
「なんじゃい露出狂のちびっ子、魔法じゃなくて魔術じゃわい、どこの田舎もんじゃそんなことも知らんとは」
「ーーろ、露出狂!?私は別に好きでこんな格好しているわけじゃ!?」
「はて、儂は隣の坊主を誘惑するために着ていると思っておったが違うんかの?」
「ちっがーーーーう!!!確かにちょっと視線は感じるからどうしよう?とかは思ってたけど!!」
「がはっ!?」
突然の流れ弾に俺は吐血し倒れた。
ごめんよ天ちゃん、視線に関しては言わないでほしかったな…それと俺が天ちゃんをちらちら見てたことは絶対朱音に言わないでね?燃やされるから…後ね、魔術?を使ったおっさんの横にいるおばさんがあらあらまぁまぁといった感じで俺を見てくるんだが…すっごい生暖かい視線を感じるんだが!?
ぷんぷん怒っている天ちゃんはかわいかったがなんかもう、とりあえずカオスだった。おい魔術使ったおっさん!その指でわっかを作って行うジェスチャーはやめろ!!てか異世界でもそのジェスチャーは一緒なんですね!!
ふざけんな!!
ちなみに天ちゃんの魔法少女服を細かく説明すると基本色が黒、フードを常時かぶっている。お耳にはピアスもバッチバチについている。魔法少女服になったら勝手につく
上半身は、もちろんへそ出し、いわゆるチュープトップと呼ばれるやつを着ている
下半身は太ももくらいまであるかっこいいブーツを履いている。さらにショートパンツをはいているので絶対領域がある。
なんだこれ…




