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俺の彼女がまさかの魔法少女~死んでしまうと魔法少女以外の人たちから忘れられる世界で魔法少女を助ける  作者: 愛板


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魔法少女16

『向こう側の世界での滞在二日目』


眼を開けるとすぐそこに天ちゃんの顔があった。朝起きてすぐの景色がこれだったのでびっくりして声を上げそうになったがしっかりと我慢する。


天ちゃんを起こさないように気を付けながら体を起こし状況を確認するとやはり天ちゃんは昨日の夜寝た場所からかなり移動していた。


「寝相悪かったんだ…」


そうぽつりとつぶやき木材でできた床から降りて靴を履き洞窟の外に出た。何しに行くのって?はは言わせんなよ、雉を打ちに行くんだよ


五分後、少し離れたところで雉を撃った後天ちゃんからもらっていたカードに魔力を通して水を出し、顔を洗い口をゆすいで洞窟の上に並べてある木材の上に座りぼーっと外の景色を眺める。


「…歯ブラシが欲しい、後お風呂に入りたい」


異世界生活一日目で現代人は限界を迎えていた。一応昨日は寝る前に天ちゃんが出した水を使ってハンカチで体を拭き、髪も洗ったが全然すっきりとしない、男の俺でもそうなのだから年頃の女の子である天ちゃんなんかは昨日の夜はテンションが下がり切っていた。ほんとにかわいそうなくらいぽしょぽしょになってた。


一応俺は炎を出せるので水を沸かそうかと考えたが沸かすために水をためておくよう気がないのでカードから噴き出る水をそのまま使うしかない、正直かなり冷たいし、風邪なんか引いた日には病院がない&どんなウイルスがあるかもわからないこの世界ではかなり致命的である。


ので今日は探索を辞めて生活のレベルを上げるための道具を作っていこうと思う



まずは一つ目、木材を硬いカードをのこぎりのように使ってちょうどいい大きさに切り、はい完成丸太型の椅子である。


次!


昨日と同じ要領で丸太から板を切り出し、椅子(丸太)と高さを調節しながら切った丸太の上に置く!はい!机の完成!(死ぬほどガタガタするがないよりましである)


次!


そこらにある大きめの石をもってきてカードから水を出して洗う、ある程度汚れが落ちたら次は炎で消毒する。意味があるかは知らん!でも一応やっておく!ある程度焼いた後石が普通の温度になるまで待ち、硬いカードに魔力を纏わせガンッ!ガンッ!と打ち付けて削っていく。


三十分後、50センチくらいの石でできた水を入れる用の桶が完成した。


水漏れがないかを確認するためにカードから水を入れてみる。…水漏れなし!というわけで着火!俺は右手から炎を出し、水を温め始める。そうして少し待ち湯気が出てきたあたりで炎を止める。


「できたかな?」


恐る恐る手を入れてみると少し熱すぎる気もするがお湯ができた…!!!


急いで洞窟の中に戻り昨日使った後乾かしておいたハンカチをもって再度洞窟から出る。(ちなみに天ちゃんはまだ寝てた。よだれも少し垂れてた。それとスカートで寝るのはやめようとこっそり伝えておこうと思う)そして勢いよく頭を石の容器ぶち込む!バシャッと音が鳴るが気にせずお湯に髪を付けたままごしごしと洗う、シャンプーが欲しいけど贅沢は言ってらてない!


「くっそ、きもちいぃ!」


思う存分髪を洗った後ハンカチで拭く。


「勝った!」


何に勝ったのかはわからないが俺はとても満足した。

そんな感じで異世界サバイバルを楽しんでいると洞窟からふわぁ~とまだ眠そうにあくびをしている天ちゃんが出てきた。


「おはよぉ~」


「おはよう天ちゃんちょっと待ってて今お湯を沸かすから」


どうやら天ちゃんは朝が弱いようである。なんだか朱音と似ているなとこっそり笑いながらさっき俺が使ったお湯を捨て新しくお湯を作り始めた。


「おゆ?お湯!?」


お、急にテンションが上がった。


「って、気づいたらなんかいろいろ増えてる!?」


おっと、気づいてすらなかったのか。訂正天ちゃんの朝の弱さは朱音以上っと


「ちょっと早く起きちゃったからいろいろ作ってみた。それにお湯は風邪をひかないためにも最重要事項だったしな、天ちゃんも俺も風邪ひいたらまずいしこれから気を付けて生活しないと」


そう言ってさらに付け足すように「寝るときもあったかい格好の方がいいかもね」と天ちゃんに伝える。


「確かに病院もお薬もないもんね…わかった気を付けるよ、確かカードに服を何着か収納していたはずだから後で確認してみる!」


「それがいいよ」


俺はそう言って入れ替えた水に炎を当てお湯を沸かし始めた。

よし、作戦成功これで天ちゃんはスカートで寝るのをやめてくれる。にしても天ちゃんのカードはいろいろ反則だよなぁ…物の収納もできるしそこから魔法陣を展開して魔法も使える。正直かなりうらやましい


そんなことを考えているとお湯がちょうどいい温度になったので天ちゃんにどうぞと声をかけた後少し周辺を探索してくるよ、何かあったら大声で叫んでねと声をかけその場を後にした。

え?なんで離れたかって?いや、一応異世界とは言え女の子の朝の支度を見るわけにはいかんでしょ?

さーて10分くらい散策するか…それと天ちゃんの声を聞き逃さないように離れすぎないようにしないと…






10分後


「優君は天才」


俺は天ちゃんに崇められていた。どうやらお湯で体を拭き、髪も洗うことができたようでかなりすっきりした顔つきになっている。そうだよね…水だけじゃつらいよね…


俺たちはガシッと握手をし、昨日決めたそれぞれのタスクをこなすために動き始めた。






「ほい、到着っと」


天ちゃんと別れた俺はまた昨日見つけた森に来ていた。昨日は食料と木材の採取がメインだったので探索ができていなかった。なので今日は探索がメインである、相変わらず自身が小人になったように感じる森を歩いていく。


そうして歩き始めること数分俺は徐々に違和感を覚え始めた。それは生き物の気配がしないことである。日本にいた時近くの森林公園に行ったことがあるのだが、明かにそこと雰囲気が違うのだ。簡単に言うと森を歩いた際によく見る虫がいない、それも一匹もである。気になって石をひっくり返してみたり落ち葉をガサゴソと探ってみたが本当に一匹も見つけられない


「さすがにおかしいだろこれ…」


少しずつ恐怖を覚えていった俺は歩みを止めることなく歩き続ける、そして急に目の前から森が姿を消した。本当に唐突にである。ある種の境界線でもあるのかと思わせるほどに急にその地点を境目に森が消えていた。


「ーーなんだよ…これは…腐ってる?のか?」


目の前にはぐじゅぐじゅになった大地、木も、石も、水も何もかもが腐り落ちた大地。生き物の気配、植物の気配など何もなく、ただそこに生命は存在できないと断言できるそんな場所


「おい、待てまさか…浸食してきてねぇか!?この大地!」


死んだ大地そう形容するしかないこの土地を見て呆然としていた俺は俺の目の前にあった木が徐々に腐り始めていることに気が付いた。ゆっくりとしたスピードだが明らかにその木は死に始めている。


それに気づいた瞬間俺は即その場所からの離脱を開始した。あれはだめだ、生き物が触れてはいけないものだ、触れると問答無用でその触れた場所から死んでいく。あれはそう言う現象だ。本当にただの直感でしかないが俺の生き物としての感がそう告げていた。


とりあえず今日の探索するという予定は変更だ。この森が死ぬまでにできる限り資材と食料を集める、これが第一優先だ。


俺はタスクを再設定し、昨日と同じやり方で木材と果物を集め始めた。










「なる…ほど…それは探索を中止して正解だね…」


天ちゃんから聞いていた転移することができる限界量まで物を集めた俺は洞窟に帰還し天ちゃんに森で見た死んだ大地について情報を共有していた。


「一応魔法陣の解析は順調に進んでいるけど何があるかわからないし…現時点で見つけられている唯一の森が消える可能性があるなら限界ぎりぎりまで物資を集めるべきだね」


そう言って天ちゃんも同意してくれたので俺は再度森へ行き物資を集め始めた。もしかしたらこんな量はいらないかもしれないがここには頼れるものがないのだ、この森最後の恵はありがたく使わせていただこう。そうやって俺は今日だけで5往復ほど物資集めを繰り返した。






ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



夜になった。夜空には月がしっかりと見えるが地球の月に比べてかなり大きい気がする。そんな月を見ながら俺と天ちゃんは作戦会議をしていた。


「優君のおかげで物資はこれでもかというくらい集まったね」


「まぁ…うん頑張った」


そう言って物資置き場に目を向けるとものすごい量の木材と果物が鎮座している。


「それで優君その死んだ大地の進行スピードはどれくらいなの?」


天ちゃんは心配そうにそう尋ねてくる。


「スマホのタイマーを使って図ってみたけどおそらく1分で2mほど動いてる。要するに一時間で120メートル、24時間でだいたい3キロかな」


「ーー森はどれくらいもちそう?」


「わからない、1mはこれくらいだろうなっていうのはわかるけど森がだいたい何キロあるかっていうのはさすがに俺じゃ判断がつかない」


自分自身の歩きの速度とか把握してないし魔力による強化を使っているせいで普通の人よりも早く歩いている関係上距離に関してはかなりあいまいになってしまう


「だよね…じゃあ優君は明日、森とは反対方向に探索に出てほしいそれに加えて、存在すればでいいけど引っ越しできる場所も見つけてほしい」


「ん?べつにいいけどどうして?」


「優君が今日計測してくれた情報はたぶん正しいんだと思う、けどその大地が死んでいく速度は絶対に言って一定とは限らない可能性がある例えば夜だけ速度が速くなるとか…」


…なるほどそれはたしかに、全然あり得るな、俺が観察したのはほんの数分だし


「それと同時に…森とは反対側の土地も死んでいっている可能性」


「ーーーマジか」


「私の予想が正しければ、今私たちがいるこの場所は…この世界に残された最後の生きた土地、そんな気がする」


天ちゃんはそう言って最悪の予想を俺にぶつけてきた。


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