魔法少女9
どうも俺です。
とりあえず挨拶をしたんだがちょっと今いろいろとやばいです。
理由?知らんがな、意味わからない現象が起きてから、考えても仕方ないなぁと思い冷蔵庫に磁石で張り付けていたアルバイトのシフト表を見て今日俺出勤じゃんと確認しごそごそと準備をしていたら、どんどん焦燥感?のようなものが自分の中から膨れてきたんだ。
気持ち悪い、本当に気持ち悪いんだ、なんだよこれ…
何をこんなに焦っているのか全く見当もつかない、思い当たる節もないのに魂の、俺の大事な部分がまるっとかけている気がするんだ。喪失感?っていうのかこれうーんわからん焦っている感じと何か大事なものを失った感じが同時に来てる。
ので、バイト先の店長に電話をして休む連絡を入れた。
こんな状態で働いても集中なんてできない、幸い超優しい店長なのでスムーズにokをもらい、俺は顔を洗い歯磨きをして服を着替え家から飛び出た。
目的はなんだって?そんなの決まってるだろ、師匠に会いに行くんだよ。絶対何か知ってるぞとりあえず電話をかけようか、連絡先は知っているようだからな!さっき携帯を確認したらLINKに履歴があった。ただトークの内容が一部ぼやけて読めなかった。普通に恐怖である。
そして
電話を掛けながら玄関のドアを開けた
瞬間
俺は
鬼の前に立っていた。
は?
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「勝った…の?」
私の斧が奴を焼却した。
それはわかる、一撃で焼き尽くす気でやったんだ。
でも、明かにおかしい、だってあの化け物は…こんなに弱いはずがないーー
ザシュッ
そうやって呆然としていると後ろから何か鋭いものをふるった音がした。やっぱり倒せてなかった!と再度集中し直し振り向くと
風ちゃんの首が、斬られていた。おびただしい量の血を流しながら風ちゃんの目から光が消えてそのまま崩れ落ち…
「天ちゃん!!急いで!!!」
「わかってる!!涼!サポート!!」
「もうやってる!!」
そんな声掛けよりも早く私たちは行動していた。
天ちゃんは風ちゃんの周りに時間を停止させる結界を作り即発動させ、風ちゃんの体の流れる時間を止めこれ以上状態が悪化させないように魔法を発動する。
私は風ちゃんの首を飛ばした敵に向かって全力で手に握っていた斧を投げ、風ちゃんに向かって魔力をこれでもかと込めた再生の炎を飛ばす。
さらに涼ちゃんは身代わり人形を掌に生み出し風ちゃんの傷を身代わり人形に置換する、体と完全に別れ切断されていた風ちゃんの首が逆再生のように元に戻り代わりに涼ちゃんの持っている人形の首が落ちた。が完全じゃないまだ首がギリギリくっついただけだ、だから、今!私のやることは決まっている!風ちゃんの首を切ったあいつを、焼く!!
風ちゃんの回復が最優先だが再生の炎を飛ばした時点で私が風ちゃんにできることはないんだ!今はあの敵を自由に行動させないことに集中しろ!!天ちゃんと涼ちゃんは風ちゃんに専念しないと本当にまずいんだ!
天ちゃんは涼ちゃんの傷の置換が終了し、私の再生の炎が風ちゃんにあたった瞬間に時間停止の結界を即座に破棄し継続的に体の傷を癒すことができる結界を即起動、私の再生の炎と治癒結界が組み合わさり即座に風ちゃんの傷が癒えた。
が体の傷が癒えただけだ、意識は戻っていないし一瞬であの量の血が出たんだ。ショック状態になって心臓が動いていない可能性がある。
私は風ちゃんの状態を横目に見ながら、黒いもやもやとした物体に殴り掛かる。大丈夫、大丈夫だあの二人なら風ちゃんのことをしっかり治してくれるそう考えながら敵を殺しにかかる。
このもやもやに対して注意することは私たち四人の感知をすり抜けてきた隠密性、それと意味わかんない切れ味をした鎌だけだ。大丈夫、魔力の吸収は顔の化け物を倒した時点でなくなっているんだ。絶対に勝てる!そう考えていると
「うーん、よそ見ばっかりだねー」
え…?境界の獣ーーーがしゃべった?
ってことは、ふざけーーものすごい速度で振られた鎌に私の右腕が鎌で斬り飛ばされた。
血が噴き出て、ものすごい痛みが来るけど、再生に使う時間なんてない、明かに敵の、『境界の悪魔』の攻撃速度が上がっている!再生よりも早い応急処置をするんだ!境界の悪魔の攻撃を何とかさばきながら右腕を丸ごともやし傷口を焼いて塞いでついでにその焼けた腕でーーーぶん殴る!!!!
殴った瞬間にものすごい痛みが来るが無視して、殴られた衝撃で吹っ飛んで行った悪魔に向かって走り出す!全力で魔力を込め踏み込んだ瞬間に体の後ろから炎を噴射しブーストさせ一瞬で距離を詰め、首を蹴る!!が腕を差し込まれガードされる。けど関係ない!!
「焼けろ!!」
そのまま口からブレスを吐く。私の奥の手その1だ。昔優君に借りた漫画を参考にした魔法。「ドラゴンブレス」ごうっと高温すぎて若干白くなったブレスが悪魔を焼く
「わぁおアッツイですねぇ、急に容赦がなくなりましたけどもしかして私のことを知っているですか?」
ちっ、やっぱり効果なしか、悪魔ともなれば私の通常火力では焼き尽くせないんだ。けど魔力はもうほとんだすっからかんである。顔の化け物を倒すときに使っちゃったからね。
てことは撤退が最優先だ、さっき戦っていた顔の化け物は私たちが逃げられないように境界の獣お得意の紐を付けられていたから撤退した後も戦うしかなかったけど今回はまだつけられていないんだ。
なら逃げる
そう思考をまとめ逃げる準備をしようとしていると隣に天ちゃん、風ちゃん、涼ちゃんが並んできた。
「ごめん、朱音油断した…時間稼ぎありがと!!」
「いいよ風ちゃん、気にしないで」
良かった…どうやら風ちゃんの治療は完了したみたいだ。さすが私の自慢の仲間たちだ。
「涼ちゃん、天ちゃんやれる?」
「むりねぇ」
「無理」
「了解」
そうだよね、二人とも全然魔力が残っていないこの状態で境界の悪魔と戦えるわけがない。みんなとアイコンタクトをして逃げることを伝える。今回の目標はもう殺したんだ。ここで無理する必要はない
私は仲間たちから少し下がり外に出るために境界の門を開けようとする。
「おや?逃げるのですか?別にそれもかまいませんがあなたたちが倒しに来たーーー
『フェイス』はまだ倒せていませんよ?」
悪魔がそう言い、私たちみんなが何を言ってるんだ?とあっけにとられた瞬間
空間が、境界内部の空間がそこら中裂けて、バキバキバキと嫌の音を立て、さっき倒したはずの顔の化け物が100体くらい出現した。と同時にさっきの比じゃない速度での魔力吸収が始まった。
「は…ははは、これはむりだぁ…」
私たちの中でいつも戦闘を俯瞰して指示を出してくれる。天ちゃんが苦笑いをしながらその場に崩れ落ちた。風ちゃんも涼ちゃんも呆然としている。
私は
私は
あぁ、だめだ死にたくないなぁ、
「助けて優君…」
口から勝手に漏れ出た言葉は、私の勝手な思いで身勝手に記憶を封じ込めた優君に助けを求める声だった。
なんてあさましい…
これだから私は、私が、私のことが大嫌いなんだ…けど、そんな私でも優君の記憶を封印したことは正解だったよ。そのことだけほめてあげ…
「任せろ」
「え?」
私が振り向くと同時に、絶望した私たちを見てけたけたと笑っている悪魔が
吹き飛んだ。
「ゆ…うくん?」
「おう、お待たせマイスイートハニー!!」
涙がこぼれた瞳からぼやけて見えたのは、私が大好きだった優君のいつもの笑顔だった。




